決断する力 (PHPビジネス新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569803302

感想・レビュー・書評

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  • 3.11の大地震の時に、東京都副知事としてどのように対応したか、twitterの力を使ったり、融通の利かない官僚組織を相手に、本当に必要とされていることは何かをもとに実行していく姿が描かれている。

    とはいうものの、震災以外のことは、他の著者の本に書かれたことが多く、ある部分、復習になってしまった気がする。

    既存のものにとらわれず、次々と挑戦する姿が素晴らしいと思う。

  • 成熟した日本では決断する力がない政治家が怠慢に見える
    著者の猪瀬氏からすれば問題解決能力がないってことでしょうがそれでは「決断する力」とはどんな能力なのか

    ・刻々と変化する状況に対応
    ・走りながら考える
    ・スピートこそ命
    ・迅速な意思決定
    ・一度決定したらブレない

    こんなキーワードが文中に散りばめられています
    猪瀬氏は自分や石原氏を変人と言うが時代が変人を求めているのだろう
    いまの時代は民間的な感覚を持つ人がリーダーとして求められている

    震災時には被災地に足りない一般職員を派遣
    首都公務員として夕張市を助ける…のちに東京都の若い一公務員が市長戦に出馬…石原都知事みずから応援演説のくだりは感動的
    他にも成長戦略としての水・発電所・地下鉄など東京都の積極的な姿勢を見ると国家としての成長戦略とは邪魔をしない事なのではないかと現場である地方自治体任せでOKに感じる

  • 大震災の最中、国よりも迅速に動いた東京都の意思決定プロセスや情報発信に対する考え方はとても参考になる。

  • 副都知事猪瀬氏が実際に起こしている具体的な事例から、いわばケーススタディとして、「決断」の為のエッセンスが感じ取れる。
    猪瀬氏の行動指針は、①迅速な意思決定のための指揮命令系統の一本化と大胆な権限委譲、②想定外をなくすリスク対策、③防御だけではなく、攻めるということと読み取った。
    311時の対応、都のガス発電所の準備、メトロ改革など、猪瀬氏が行ってきたさまざまな行動の思想が理解できる本。

  • ■本の概要
    内容は主に、東京都副都知事 猪瀬直樹氏が、震災を通して考え行動してきたことで、以下の3部構成。
    1.災害などの非常時のリーダーのあり方
    2.「想定外」をなくすために日常的にやるべきこと
    3.東京都が今採るべき攻めの政策(地下鉄,水道,電力)

    ■感じたこと
    ・エネルギー政策や増税などで迷走している「決断する力」の無い日本政府と比べて、東京都は即断即決でこんなにうまく機能しているんだぞ、という自画自賛が多いが、実際に言うだけのことはしているようなので頼もしい。だんだん猪瀬氏のことを応援したくなってきた。

    ・東京都は、東京都だけのためにあるのではなくて、地方自治体のトップランナーとして手本となり、困っている自治体(被災地や経営破たんした夕張市)への職員・ノウハウ提供などで貢献することが「義務」であると捉えているとのこと。また、水道事業の運営ノウハウをベトナムに売り込んだりもしてるらしい。尖閣諸島購入の話もあるし、ホント、国と地方自治体の境界が分からなくなってくる。こういうところから、地方分権・道州制への流れになっていくのかも。

    ・震災時に、TwitterからのSOSで東京都から独断で救助ヘリを飛ばして、障害児童施設に閉じ込められた400名を救助したというエピソードは、これからの新しい公益サービスの姿を感じさせる。

    ・電力の「地産地消」として、東京の近くに天然ガス火力発電所(石油火力発電所と比べて低コストでエネルギー効率が良い)を新規に作るというプロジェクトについても結構具体的な方策まで検討している模様。自然エネルギーの効率が上がるまでは、脱原発の現実解として、これしか選択肢は無いんだと思う。

  • 震災直後の瞬発力的な判断、決断が必要だった時の行動や考え、また、その他東京に関連したて問題視事柄に対する行動や考えが述べられていた。

    震災直後は、私も猪瀬さんのツイートにお世話になったし、述べられている内容は共感する所ばかりだった。

    趣旨とは異なるが、政党の長でしかない"首相"と民に直接選ばれた大統領や知事との違いの大きさも感じさせられるなど、政治にも興味を持たさせられる一冊だった。

  • 震災時に猪瀬氏が副知事として、どのような決断をしていったか、その事例集といった感じ。Twitterの名言の裏にこのような事態があったとわかるのは面白い。最後の、今は戦後社会ならぬ災後社会であるという考察は興味深い。

  • えっ、これで終わり?というのが素直な感想。相当に期待ハズレ。こう思うの僕だけかな?。

  • 120501

  • 以前から興味があったので読んでみたが、とても勉強になった。
    Twitterを含めたソーシャルネットワークは、今後より社会インフラとしての重要性がドンドン高まるだろうと感じた。

    東日本大震災においては、猪瀬副知事がTwitterを以前から使用していることにより功を奏したことが多々あったことを考えると、わが町の自治体がどうなっているのか気になる。
    (サクッと検索してみたけた、見当たらない。ちゃんと調べてみよう)

    台風時などで試験運用していれば、きっと災害時に役立つと思う。まさに筆者の言う「普段の行動の延長線上にある危機管理」ではないか。

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著者プロフィール

猪瀬直樹
一九四六年長野県生まれ。作家。八七年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。九六年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞受賞。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授を歴任。二〇〇二年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。〇七年、東京都副知事に任命される。一二年、東京都知事に就任。一三年、辞任。一五年、大阪府・市特別顧問就任。主な著書に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『黒船の世紀』『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』のほか、『日本の近代 猪瀬直樹著作集』(全一二巻、電子版全一六巻)がある。近著に『日本国・不安の研究』『昭和23年冬の暗号』など。二〇二二年から参議院議員。

「2023年 『太陽の男 石原慎太郎伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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