エレジーは流れない

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 2943
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575243970

感想・レビュー・書評

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  • さびれた温泉街・餅湯温泉に暮らす高校生を主人公にした青春小説。タイトルからうらさびしいテイストをイメージしていたが、おバカで明るく、少ししっとりした楽しい作品だった。しをんさんは架空の町を舞台にした昨品がいくつかあるが、町の雰囲気もそこで暮らす人々もリアルに感じる。本作の餅湯町も例外ではなく、実際に行って“もち湯ちゃんストラップ”と“餅湯温泉饅頭”をお土産に買って帰りたいと思った。続編も読みたい。

  • 自分が高校生の時に戻ったみたいな気持ちを味わえた。餅湯温泉、入りに行きたいな。

  • 温泉街でお土産物屋を営む母と暮らす主人公の高校生、怜とその幼馴染やクラスメイト、商店街の人達とのお話し。
    少し複雑な家庭環境の怜だけど、その複雑さをすんなりと受け入れていて、自分の生い立ちや両親の過去をこんなにも、軽く受け入れられるもんだろうか?と少し疑問に思ってしまった。それでも、三浦しをんの書く登場人物達はそれぞれ個性が立ってて面白い。
    こんなことあるー?!と思っても、キャラの強さと話の面白さで読めてしまうとこが、三浦しをんの小説の素敵なとこだと思った。物事をそんなもんかと、受け入れる軽さも時には大切だと感じた1冊

  • 三浦しをんにしては男子高校生が主役なんて珍しい。でも淡々とした文章が読みやすくて、三浦しをんだなーと思った。架空の餅湯温泉街は箱根が元になってんのかなと思う。まぁ箱根も行ったことないから知らないんだけど。しかし主人公の怜が母が2人、父はなし、という家庭?で、よくもまぁぐれずに育ったもんだ。これは偏見だけど、世の中の父と母を比べると、だいたいにおいてろくでもないのは父の方が多い気がするから、母2人で育てるというのは良いことなのかもしれない。自分は伊都子タイプだろうから、40過ぎての子育ては楽しそうだなと思う。とはいえ、伊都子も寿絵もいろいろ思うことがあっただろうに、できた人達だ。怜の友達もみんないい子で、これからもすくすく元気に過ごしてほしいと思う。見守る近所のおばちゃん気分。

  • 三浦しをんは安定していると思う。
    読んで心がほっとする。こんな風にいろんな人がいるのだ、のんびりゆったり生きていて良いのだ、と。人生は良いものだと思ってしまう。

  • 何度吹き出したか思い出せないほど面白かったです。餅湯温泉の「お土産 ほずみ」の息子怜は餅湯高校の2年生。父はいないが母が二人という複雑な家庭環境にも関わらず、店番はするし家事もこなす上に成績優秀。よくぞグレたりせず真っ直ぐに育ってくれました。

    彼を取り巻く同級生の竜人、丸山、心平、藤島と共にちょっとした事件に遭遇しながらも青春を謳歌してるのが何とも羨ましい。

    みんなそれぞれ良いけれど私は運動も出来て、本物そっくりの土器まで作れちゃう心平に何度も笑わされました。カンチョウして指骨折(⁠☉⁠。⁠☉⁠)⁠!笑いが止まりませんでした。

  • 青春だなぁ~。
    自分の頭の中は何故か『魔女の宅急便』の世界観だった。
    最初は、何ジャらホイで高校生活がメインかぁ?と思いきや段々引き込まれていった。
    もう少し何か欲しかった!

  • 青春だなーと感じた作品。
    最初はん?って思ったりする部分もあったが、後半に進むに連れて少しずつ疑問が解決されていった。
    優しく温かい街でもし実在するなら行ってみたい。

  • もっちもっち、もちゆー♪餅湯温泉駅前商店街最高!怜、まるちゃん、竜人、心平の20年後をみてみたい

  • 三浦しをんの描くおばか男子たちは最高だ。
    こころ優しい高校生の怜と、同級の友人たちと、鄙びた温泉街の商店街の人々。自分は何者なのか悩むのは青春時代にありがちなことだけど、自分の生い立ちについてはっきりしたことを知りたい気持ちとそれを怖れる気持ちの間で揺れている怜の内面を丁寧に描いて味わい深い物語。

    この一冊をティーンズの棚に置いている図書館っていいな。司書の人尊敬する。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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