監禁

著者 :
  • 双葉社
3.28
  • (37)
  • (133)
  • (218)
  • (53)
  • (13)
本棚登録 : 2175
感想 : 153
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575244403

作品紹介・あらすじ

幼い娘の育児と仕事の両立に限界を覚えた由紀恵にとって、今日が勤務の最終日。夜勤の間は、夫の雅之が自宅で娘を見ている。だが、ラインのメッセージに返事はない。電話をかけても繋がらない。由紀恵は自分に執着していた不気味な患者の存在を思いだし、胸騒ぎを覚える。家族の絶望と狂気、そして再生を描いた戦慄のサスペンス。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 育児に専念するため退職する看護師の由紀恵の最終勤務日。娘と共に自宅にいた夫が何者かに拉致された。急に夫と連絡が取れなくなり気を揉みながらも夜勤をこなしていく由紀恵パートは看護師という仕事を見つめ直すハートウォーミングな展開。看護師さん頭が下がります。一方監禁された夫が犯人から逃れようとするパートは暴力描写多めで先を読むのが怖くなった。しかし犯人=由紀恵のストーカーが入院をするために起こす自傷行為はちょっと回復早過ぎるんじゃないか。そして2人のパートが一つになった瞬間、お、そうきたか!とにやり。ちらちら気になる箇所が綺麗に埋められていくのは爽快だが展開は全然爽快じゃない。この事件で由紀恵夫妻はめでたしめでたしなんだけど、由紀恵のやば過ぎるストーカー引き寄せ度率の高さ、今後が不安でしょうがない。

  • タイトルの「監禁」…
    確かに監禁されているのだが、夜勤をしている看護師の様子と交互に書かれている為なのか壮絶さとか圧倒的な迫力が少し軽減されるような気がした。

    怖さより奇妙さを感じた。

    気になって、気になって最後まであっという間に読めたが、ラストにえっという驚き。

    なるほど騙されたな。

  • 怖かったー。
    由紀恵が帰宅してからの展開に、私はなんて恐ろしい人の無事を祈っていたんだろうとゾッとした。
    一気読み。面白かった。

  • お前もか!とツッコミを入れたくなった作品。

    由紀恵が病院で勤務する場面と夫が拉致監禁され殺されそうになる場面。
    かたや生命を助けようとし、かたや生命を絶やそうとする。
    すごい対比だ。

    連れ去られる時に1歳の娘の事ばかり心配しており、由紀恵のことは?と何かおかしいなあと読んでいたが、納得。

    看護師としての立派な仕事に頭が下がり、亡くなった方の話では涙がこぼれ、監禁シーンでは暴力の嵐でこちらまで痛みが来そうで、なんだかそれだけでも目まぐるしかったのに、最後に大きなモノをぶっ込んできた。

  • ❇︎
    全く疑問を抱かせず滑らかに始まり、
    手に取るように話は続いていって、
    まかさのラストに驚きました。

    医療現場の内容は詳細なだけでなく、
    非常にリアリティーに溢れていて、
    医療従事者の方なのかと思ってしまいました。

    ハラハラ、ドキドキしながら話は進み、
    ラストはまんまと騙されました。

    あまりにも鮮やかで、
    もう一裏あるのではないかと思ったほどです。

    参りました。

  • 同じ作者の「婚活中毒」より楽しめました。
    夜勤の看護師の妻は、喘息持ちの娘と一緒にいるはずのパートナーと連絡が付かずイライラする気持ちがよくわかりました。ハラハラしながら最後まで読み進めました。

  • 由紀恵のこと全然好きになれねえ!と思いながら雅之と柿沼のバトルを読んでたはずなのに205ページで悲鳴上がってしまった。
    柿沼とのバトル、雅之じゃなかったのかよ!!!!!
    由紀恵が元旦那を見殺しにせずに119を呼んだところ、ゆ、由紀恵〜〜〜…おまえ…医療に生きるものとして立派だよ…
    というかヤバい男に好かれすぎだよ由紀恵…

    でも一番心に残ったのは卵巣がんで亡くなった高峰夫妻のくだりかもしれない。旅立ちセットのところは本当に泣きそうになってしまった。

  • 秋吉さんて、ハッピーエンドのイメージないから、最後普通に終わって拍子抜け。最後何かもういっこあると面白かったかも。きれいに終わりすぎ。
    監禁シーンと病院シーンが交互に出てくる。病院シーンは、それはそれでお仕事小説として読めるほどきっちり書かれている。ただ監禁シーンとのバランスが悪い感じがしたな~

  • 幼い娘の育児と仕事の両立に限界を覚えた由紀恵にとって、今日が勤務の最終日。夫が娘をみているがメールの返信が来ない。

    物語の緩急が凄く上手いと思いました。読者を飽きさせない。面白かった。

  • 「聖母」がまずまずだったので読んでみましたが、こちらはかなりつまらなかったです。

    監禁した犯人との格闘シーンは鬼気迫る描写となっており、その後ストーリー中盤で読み手にとってサプライズとなる展開が待っていますが、「ただそれだけ」。
    中盤から後半にかけてはダラダラと続くばかりで、せめてもう一回どんでん返しがないと退屈としか言いようがありません。

    由紀恵の夜勤の描写が長く丁寧であったことも、大した伏線になっていないし、由紀恵が全く気付かなかったとされる事象も(気付かないことが)あり得ないし、最後は時間の無駄とすら思いながらなんとか読了、そんな感じです。

    思えば「聖母」もちょっと無理があるなという部分があったので、秋吉氏にはもう少し詰めを細かくしてほしいなと思います。

全153件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

秋吉理香子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×