贖罪 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515039

感想・レビュー・書評

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  • 日本一空気の綺麗な町で悲劇が起こる。それは小学3年生の夏のことだった。クラスメイトのエミリちゃんが殺されてしまう。事件の直前、犯人を目撃し、エミリちゃんの死体を発見してしまう4人。そして、エミリの母に人殺しと言われ、それぞれ罪の意識を感じ、トラウマを抱えて生きていくことに。
    その15年後、それぞれの運命と向き合いながら生きる4人の物語を交互に描いていく。
    面白かった。
    辛くゾクっとする事件が次々と起こるんだけど、4人はそれぞれ、信念を持っている。自分たちなりに過去を受け止め、ポリシーを持って逞しく生きている。そこがこの物語の魅力だ。
    ドラマ化もされてるみたい。実写も今度観てみよう。

  • 久々のイヤミス。
    一気に読了。
    いつもよりビックリは少なかったかも。
    なんとなーく先が読めたところもあり。
    一部ぼーっと読んでたのか、拾えてない箇所があるな。
    皆さんの感想を読んでみよう。
    わかるかな。

  • うわぁ。すごぃな。と、思わさせられました。
    湊かなえのそれぞれの人間たちの立場からの視点の描き方がすごい。

    被害者、加害者、被害者遺族くらいまでは割とどんな本でも描くことはあるけど、現場に居合わせた女の子たち4人の心情や、その後の心の移り変わりなど。

    こんな風にそれぞれがそれぞれの思惑の中にいた。という一つの事実は、事件云々と関係なくそれぞれの人生に影響を受けるんだな。と。

    同じ記憶が見つめる人間が違うだけで、こうも左右する。ということ。自分に置き換えると、娘の視点も去ることながら、身近にいる人間たちそれぞれにそういう視点がある。ということに改めて気がつかされました。

    そして、湊かなえのそうまでして登場人物全てへの生き方、思い、考え、思考を表現しきるところに、事件以上の衝撃があります。

    一章づつ小分けにして、それぞれの心情が吐露されるその瞬間に、ゾクゾクさせられる一冊です!!!!!!!!

    上手い!!!!

  •  無関心という大罪。 確かに、自分の大切な人に何か不幸が起きた場合、何より腹立たしいことは、被害者に対する関心の低さだろう。 被害者が感じた恐怖や苦しみや絶望に想像を馳せないということ。 その怒りは、加害者だけでなく、周りの全てに向けられる、その気持ちはわかる。 ただ、そんな大罪を責められるほど、周りの全ての不幸に想いを馳せている人なんているわけがないから、僕らは皆罪深く、許し合わなきゃいけないらしい。 と言っても、互いの罪深さを盾に開き直っちゃいけないわけで、やっぱり他人の不幸にはできるだけ共感し、自分の不幸に共感されないことを、できるだけ許さなきゃいけない。 罪も、感情も、イチかゼロじゃなくて、グラデーションだから。

     独白形式だからこそ輪郭がハッキリするそれぞれの無関心。 手法とテーマがばっちりハマってました。

  • 1番印象に残ったのが、都会育ちの麻子(エミリの母)。

    悪気はないのに、人を傷つける怖さ。恐ろしい。

    しかし、何ごとも自分で判断せずに、直接本人に聞く勇気を持つ事って大事だなと思った。

    事実は小説より奇なりっていうし。

  • 湊かなえさんの作品は、毎回人間の愚かさ、ドス黒さみたいなものが全面に表現されているようで好きです。
    人間は冷静でなくなった時、愚かな判断をしてしまい、結果的に余計自分の首を締めて状況を悪化させてしまうのだと、麻子の行動を見て改めて感じました。
    そして、言葉の刃は、時に言った本人が想像もしえないような傷跡を、言われた人の心につけて呪いのようになってしまうように感じました。

  • 複数人の視点から描かれる作風やっぱりいいですね。

  • 幼女殺害事件に関連する人たちのその後の人生と事件との絡み。そして、過去と未来の話が合わさっていく事で徐々に明らかになっていく事件の真相…
    最後まで面白く読めた.

  • 後味があまり良くない、不気味だけどでも最後は「ああ、そういうことだったのか」と思える結末。でもなんとなく小学校の更衣室とか思い出してなんか気持ち悪くなった。先が気になる本ではあるけど。

    日常生活には与えた影響??娘が小1だから怖いなぁと思ったかな、変なおじさんに目をつけられたら小1の女の子は勝てるわけがない。こわい。

  • 湊かなえらしい、強烈なインパクトと後味の悪さが残る話だった。5人の罪の告白で真相が明かされていく。オーディブルの小池栄子のナレーションは聴きやすかった。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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