パンとスープとネコ日和

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 967
レビュー : 182
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758411943

感想・レビュー・書評

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  • 私生児として産まれ母子家庭で育ってきた主人公が、母の死をきっかけに店を受け継ぎ暮らしていく話。
    群さんの書く女性は、等身大の近くにいそうな、はたまた読む側の人間とも重なる部分がありそうな女性が多く、すんなりと話に入っていける。
    一人で生きて行かなければならない時も、ちゃんと周りには支えてくれる人がいて、時には「世の中いろんな人がいるなぁ」と溜め息をつく日でも、ちゃんと自分の味方になってくれる人はいる。すごく勇気を貰ったというか、癒やされるお話でした。いつも温かい人やものに囲まれて、小さい事でも笑って生きて行きたいな。

  • 読んだあとにドラマ化されて気になった。
    (WOWOWなので観られず・・・)

    主人公がどうにもその年代には思えなかった。
    かわいくて一生懸命。それが若くみせているのだろうか。
    ならばそういうふうに年を重ねたい。

    こういうカフェ、いまそこここにあって
    お客さんの会話なんてまさしくそうだろうというふうに描かれている。
    おいしそう、と思いながら
    本を読んでいるのを飛び越えていた気がする。
    あるのだ、カフェが。そこに。

    甘える猫がかわいいったらない。
    でも・・・・哀しかった、とても。とても。

  • 積読していたけど、ドラマが始まる前に読んでおきたい!と読了。

    大好きな群ようこさんが書いたおいしい食べ物とネコときたら
    すぐにでも読みたいぐらいだけど、ネコのたろちゃんの結末が
    悲しい方向なのを知っていたので、
    読もう!という気持ちがどうしても挫けてしまった。

    お母さんが遺してくれたお店を改装して、修道院のように簡素な空間で
    安心できる食材を使って、おいしいパンとスープのお店を出したい。
    そんなコンセプトを元にオープンした、
    壁にすっきりと柱がのびているお店「āエー」。

    大きな木製のテーブルに椅子、乳白色や淡いベージュで揃えられた食器、
    テーブルの上には生花がちょこんと飾られるアキコさんのお店。
    お店の上にある自宅スペースには唯一の家族、ネコの"たろちゃん"。

    母の経営していた食堂の常連客だったおじさんたちがわいわいと集まる
    憩の場を失くしてしまっていいのか…とぐるぐると葛藤しつつも、
    自分なりの店を作っていこうとするアキコさんと
    気働きのできる優しくて明るい唯一の店員さんのシマちゃん。

    閉鎖的な商店街では良しとされない難しい部分もあったり
    自分のコンセプトと店の現状に悩んだりしつつ、
    料理専門学校をしている先生や、確証は持てないけれど
    たぶん血の繋がりがあるであろう優しい人たちとの触れ合い、
    何よりいつも心からの癒しと元気をくれたたろちゃんの優しさや
    来てくれるお客様への感謝のキモチに支えられるアキコさん。

    食べるということ、いただくということ、アキコさんなりの
    食事への想いと祈りを感じる食堂のメニューはどれもステキで
    かもめ食堂のように穏やかで清潔な空間が浮かんでは
    空想することの幸せをめいっぱい噛みしめる。

    たろちゃんとのお別れは、天国に旅だってしまった
    家族猫たちを思い出して苦しくて涙が止まらなかった。
    過ぎていく時間はそんなに優しいものではなくて
    時間がたつにつれ苦しさが増していくアキコさんが
    読んでいてほんとに辛い。

    悲しみは逃げることも、時間が解決してくれたりもしないけれど、
    時には心のままに泣いたりしながら、ずっと心に大切に抱えて
    いきていこうと悲しみのど真ん中で顔をあげていく
    アキコさんに少しでも多くの笑顔が訪れるといいなと願った。

    ドラマではたろちゃんの話もどうなるのか、できれば
    元気でいてくれたり…なんて逃避的な希望を願ったりしつつ[´ー`;]
    優しいスープとパンの景色がドラマで見れるのが楽しみ。

  • 小林聡美さん主演でドラマになると知り、
    ドラマは見れないから原作を読んでみようと思った。

    素敵なお店を始めるのだが、いろいろ周りがうるさいのよね~
    そういうのすっごくわかる。同じように店をやってるから。
    誰にでも愛される店にしたいけど、なかなか思うようにいかないのよ。
    主人公は本当にマジメさんだわ。

    後半は飼い猫の話が主になるけど。
    ペットも家族の一員なのよね。
    もしかしたらそれ以上の存在なのかもしれない。

  • スープをひとさじすくって飲み、
    パンをかじる。

    (うん、今日も美味しい。)

    そんな私を見上げるでぶネコちゃん。

    まんまるで

    まんまるな体で
    にゃあにゃあおねだりするたろちゃんは
    すでにご飯を食べちゃったみたい。

    (もうないの?ほんとに食いしん坊さんね。)

    こんなやわらかい朝はほのほのと今日もやってきた。

    でも、
    明日もやってくるとは限らない。

    (明日もこんな日が続くといいな。)と思うけど
    願っているわけではない。

    たった一人の肉親であった母も、
    今ではもう、写真立てのなかで微笑むだけの人になってしまった。

    50を過ぎて独身のアキコさんの人生は、
    誰にでもやがて訪れる晩年の人生である。

    誰かと共に、毎日を笑いあえたら、わかり合えたら、触れ合えたら、どんなに心安らげる日々となる事だろう。

    (願ってはいない)と言いながらも尚、

    (もしも、そんな繋がりがある人と巡りあえたら…)
    と、考えざるを得ない不運な出来事がアキコさんを襲った矢先に、
    その細い糸は光った。

    その糸にしがみついていいのだろうか?

    今まで、たった一人で、何でも解決し、生きてきた彼女の目の前に
    するすると降りてきた糸は、彼女を救ってくれるのだろうか?

    別れ、とは残酷なものだが、
    物語のなかにあった言葉のなかに私も安らぎをもらった。

    「動物はね、人間と違って生死をたいして重要に考えていないのよ。
    だから、愛情をもって接してくれた人が哀しんでいると、困ってしまうのよ。」

    生死を重要に考えない…

    究極の悟りだな、と思った。

  • うーんっ(*^_^*)。
    かもめ食堂の日本バージョンのようで、お料理へのこだわりやお店の雰囲気がとても気に入りました(^ー^)ノ。
    群さん作品でかもめ食堂の次に好きな作品かな(^O^)。
    どうしても頭の中で主人公を想像しちゃうと、小林聡美さんになってしまってd(^_^o)。

    かわいい猫ちゃんが(もう猫ちゃんの何気ない仕草や行動をしっかり文章で表現している群さんマジックはさすがで、ほれぼれしちゃいました)突然の死んでしまい、その辛さを表現している後半部分では、涙が止まらなくなりました。・゜・(ノД`)・゜・。。。
    でも、最後はきちんと前向きな気持ちになれた主人公に、かならず明るい日々が戻りつつありそうな雰囲気だったので良かったです。

    • 山本 あやさん
      この本も買ってあるのー♡

      群さんのあのかもめの世界をそのまま舞台を日本に
      うつしたらって思うとたまらないねーー[*Ü*]
      えぬちゃんのお気...
      この本も買ってあるのー♡

      群さんのあのかもめの世界をそのまま舞台を日本に
      うつしたらって思うとたまらないねーー[*Ü*]
      えぬちゃんのお気に入り度からして、絶対にワタシも
      大好きな世界だなぁって、わくわくが大増量だよーー♡

      ネコちゃんが死んじゃう本がすごく苦手だから
      ちょっと勇気が縮みつつ[´ー`;]
      でも、えぬちゃんのおかげで前もってココロの準備ができて
      大大感謝だよーっ!思ってもなくて見ちゃうとショック度がハンパなくて[ ・ェ・;]
      えぬちゃん、ステキなレビューありがとうーー♡
      2012/11/20
    • まろんさん
      タイトルがすごく気になっていたのですが
      実は群ようこさんの本は読んだことがなくて、ためらっていました。
      でも、猫の描写について書いてくださっ...
      タイトルがすごく気になっていたのですが
      実は群ようこさんの本は読んだことがなくて、ためらっていました。
      でも、猫の描写について書いてくださった、このkuroayameさんのレビューのおかげで
      おお!読んでみよう♪と気持ちに弾みがつきました(*'-')フフ♪
      2012/11/20
  • 後半涙が止まらなかった。

    動物とのお別れは本当に辛く寂しいものだ。

    2017.11.30 読了

  • ドラマも好きですが小説も素敵でした。
    続編も読んでみます☺︎

  • 「かもめ食堂」みたいな感じなのかなあと思っていたら、舞台がフィンランド→日本に変わると、これだけ周りも変わるんだなあと思わされた一作。これも、「しあわせのパン」と同じく、少しずつ変化していきつつも、今のままの生活が淡々と進んでいくのだろうなあ…というラストで、ちょっと物足りない感が。最近の小説は、結構こんな感じで終わるものが増えている気がする。

  • 単なるほっこり系かと軽い気持ちで読み始めたが、読んでいくうちに世界に引き込まれている自分に気が付いた。
    特に人物描写が絶妙で、確かに世の中には完全なる悪人、完全なる善人もそこまでいないし、物事には多面性があるという当たり前のことに気が付かされた。
    群さんは得意でない気がしていたけど、今後は気にしてみよう。

  • 友達と行くのもよい時間を過ごせそうだけれど、いずれ1人で行ってみたいお店。
    作っている人が温かいと、料理も間違いなく深みがある。

    ラストの方は胸がチクチク痛い感じ、何だろう?この感じ…と思っていたが、これは失恋にそっくりです。 朝起きた時、一瞬忘れ、すぐ現実に戻るんですよね^^; でも大事な大事なものをたくさん残してくれる。成長させてくれる。

    アキコの決断、そうかぁ。うん、そうなりますよね。。強いな。

    続編に期待!次は「福も来た」を。

  • パンとスープを食べながらネコ撫でたい。
    人生いろいろあるよね。
    こういう生き方羨ましい。

  • 猫は苦手だけど、コレは読んでいてなかなか興味深い。
    猫の気持ちが、伝わって来るような・・

  • お気に入りのカフェのオーナーが、「うちのお店に似てるってお客さんに紹介されたの」って勧めてくれたので読んでみたこの本。すっごく好き!♡
    お店のイメージがすごく想像できて。主人公のみならず、しまちゃんの人柄にもすごく好感が持てた。たろにまつわるストーリーでは、大好きだった犬のことを思い出して。。
    群よう子の本は初めてだったけれど、すごくすごくお気に入りの本になった(*^^*)♪

  • アキコさんとしまちゃんのお店を覗いてみたくなった。
    突然のねこのたろちゃんのお別れはとても涙しけど、お母さんが女手一人で育てあげられたご苦労や色んな感動に触れられるのかなとちょっと期したけど、あまり良い思い出しかなく残念だった。
    サラリと読める一冊でした。ドラマ化されていて録画済DVDが楽しみです!

  • 母を突然亡くした50歳のアキコは、出版社を辞めて調理師免許を取り、母が経営していた食堂を改装して再オープンさせた。従業員はサバサバした性格で機転がきく真面目なしまちゃんの一人だけ。メニューは日替わりの<サンドイッチとスープ、サラダ、小さなフルーツ>のみ。安心できる食材を使い手間ひまをかけることがアキコのこだわりだ。色々な評判に揉まれ、身の回りに様々な出来事が起こってもアキコは誇りをもって働き、日々を丁寧に送ってゆく。

    全体がほんわかとした雰囲気に包まれていて、文章を追っているだけで心がほぐれるような物語だった。
    酒と煙草の匂いが染みついた母の食堂から様変わりし、修道院の食堂のようなシンプルなカフェへと改装された店には、母の食堂の常連だった男たちがケチをつけたり、食材の安全について異常にこだわるお客さんが来たり、向かいの喫茶店のママさんに経営について口出しされたりと様々な人がそれぞれの意見を主張する。しかしアキコは怯まない。参考に、と耳を傾けながらも自分の芯は決してぶらさない。アキコのその泰然たる態度に感心した。
    そんなアキコでも心が大きく揺さぶられる事件が起こる。アキコは大いに悩み、悲しむが、結局はっきりとした解決を迎えていないように思う。しかし後は時間薬である。今まで繰り返してきたのと同じように日々を積み重ねていけば、時間がアキコの痛みを癒してくれるだろう。自分の軸をきちんともって、毎日を丁寧に暮らしてゆくことの大切さを伝えてくれる物語だった。

  • たろのくだりでは、泣けて泣けて・・

  • 群さんの猫に対する愛情が伝わってくる。
    なんとなく、主人公と群さんが重なる作品だった。
    体にいいものを食べたい、提供したいという気持ち、そして、そこの集まる人が似たようなタイプなのを感じて迷ってしまうところとか、すごく共感する部分があった。
    父親、そして、彼に関わる人たちに対する気持ちとか。
    物語の終わりで、何も解決していないけど、また新たな一歩を踏み出そうとしているところが良かった。

    • kuroayameさん
      いつも素敵なレビューを拝見させていただきありがとうございます(*☻-☻*)。
      私も以前この本を読んでいたので、感想を拝見させていただき、物語...
      いつも素敵なレビューを拝見させていただきありがとうございます(*☻-☻*)。
      私も以前この本を読んでいたので、感想を拝見させていただき、物語が浮かんできました(#^.^#)。
      群さん作品は、おっしゃる通り群さんと重なる部分があり楽しさが倍増しますよね\(^o^)/。
      2012/12/31
  • 編集者だった50代の主人公が母の突然の死をきっかけに会社を辞め、スープとサンドウィッチのカフェを作るお話。と、どすこい猫のたろちゃんがでてきます。
    群さんぽくて、カモメ食堂の日本版とゆう感じ。
    カモメより登場人物があっさりしてて少し物足りないかな。
    カフェに集まる、ナチュラル雑貨系、リンネルを愛読して、冬でも麻の洋服を重ね着して首には必ずストールをしている人たちの描写が非常に的を得てて、自分自身がそうなので笑ってしまった。

  • どこにでもおせっかいな人はいるんだなぁ、と思いました。
    メインはそこじゃないんですが(笑)

    出版社に勤める主人公が、とあるきっかけで
    パンとスープのお店を始めることから始まるのですが
    メインはパンでもスープでもなく猫です。

    自分の信念が問われたり、過去と向き合う緊張感など
    多少の起伏を迎えながらも
    タイトルのネコ日和という言葉がとてもしっくりするぐらい
    安らぎで満ちた日常を感じられます。


    動物にしても人間にしても、
    一人(一匹)を深く愛することの素晴らしさと悲しさに気付ける、
    ほんわかするだけの物語ではありませんでした。
    (最後のほうはちょっと泣きそうになりました)

    それでも穏やかな昼時間での読書がとても似合う本だと思います。

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著者プロフィール

群 ようこ(むれ ようこ)
1954年、東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。広告代理店に就職するが半年で退職。6回の転職を経て「本の雑誌社」に事務職で入社。やがて本名で『本の雑誌』に書評を執筆しはじめ、1984年『午前零時の玄米パン』でデビュー。同年退社し、作家専業となる。
代表作として映画のために書き下ろした『かもめ食堂』、ドラマ化された『パンとスープとネコ日和』など。

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