ユリイカ2010年11月号 特集=猫 この愛らしくも不可思議な隣人
- 青土社 (2010年10月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791702152
感想・レビュー・書評
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最近では「詩と批評」というより「サブカル路線の文学雑誌」というイメージが強い『ユリイカ』の今回の特集は「猫」。
角田光代と西加奈子の猫話対談に始まり、阿部穣二・町田康・池内紀などの執筆陣の猫エッセイがあり、さらには古今東西の短編猫文学アンソロジーが収録されていて、最後には猫が登場する本が大量に紹介されている。
猫好きと本好きを併発している僕のような末期患者には垂涎の特集が190ページも続くのだ。
はうー。
冒頭の対談もそうだけれど各執筆陣のエッセイは「みんな猫が好きなんだねー」と思わせてくれるものばかりだった。
本当の猫好きほど猫を「猫かわいがり」しないものだ。
もちろん愛してはいるけれどベタベタするっての、あんまり好きじゃない。
猫好きはこんな感じの一種独特のツンデレ感をもっているのだけれど、各エッセイの執筆陣にもみんなそれぞれ自分なりの「猫と付き合う掟」みたいなのがあって愛猫とどこか一定の距離を置いている。そういうのが出てくるたび「うん。わかる。わかるぞ」とニヤニヤしながら読んでしまった。はうー、萌え死ぬ。
エッセイのあとは充実した古今東西の短編猫文学アンソロジーがあって、つづいて猫本が大量に紹介されてある。
それはもう本当にすごい数の猫本が紹介されていて、僕の本はこのあたりが付箋でハリネズミのようになってしまったじゃないか。あぁ、また積ん読本が増えてしまうなぁ……と嬉しい悩みに悶絶中である。
これでしばらくはネコ充(猫生活が充実した人間)決定だな。
猫充人間になりたければ本書を買え。
異論は認める。
ちなみに、表紙の美猫は角田光代宅のトトちゃんである。
電車で吊革につかまりながら本書を読んでいたら、前に座っていた小さな女の子に「ねこー!」と指をさされた。はいそうですよー猫さんですよー。
お母さんは「これっ! 失礼でしょ」と叱りつつ僕に謝っていたけれど、いいんですよ気にしてませんから。それよりお嬢ちゃん、立派な猫好きに育つんだぞー♪
http://loplos.mo-blog.jp/kaburaki/2010/11/201011_38fd.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつもの「ユリイカ」にもまして特集の充実していることったら!猫文学、私には馴染みのものも多いけれど、そうでないものが気になって…これは、しばらく近くに置いて参照ということにしよう。猫文学だけでなく、猫マンガ、絵本、映画(この中では『こねこ 旅するチグラーシャ』を観たかったんだよ〜、ずーっと長いこと!)、それに「猫動画」ガイド(分類と解説・鑑賞付き)まで!このへんは、さすがのユリイカ。
いやはや、猫バカもほどほどにしろ、と言われても、それはできませんなぁ。
附 : 「リア充」という語は私にはまったくリアルでなかったんだが、この「ユリイカ」に載っている「ネコ充」だったらわかるような。私、ここの「猫動画ガイド三〇」にはアクセスしてみるんだろうなぁ、と覚悟している。
各動画の鑑賞と解説が詳しくて、いちいち面白いから、それを読みつつ自分の感想をブツブツ口にしながら「ネコ充」するときもあるはず(URLを登録したりそこから派生してウロウロしたりも、きっと…)。それにしても、「リアル猫」と「猛獣ごっこ」したい!! -
猫
雑誌 -
町田康が入ってたから買った。
ユリイカってほんといろんなジャンルの人が載っとるよね。それで読んでみたら、半分以上は犬派じゃね?て思われる人ばっかやったような。
犬派猫派つうのはここでは、犬好き猫好きのことではなくて、人格的にってことです。猫派は、傅きたい人間だから。猫に屈服したい欲求があるから。
その中でも浅生ハルミンはやばいぞ。めっちゃ文章面白かったし、野良猫や街猫に、餌付けなしに近づける&仲良くできる人って尊敬するわ。 -
猫ってなんて変幻自在。あぁ、朝起きたら猫になっていたい。
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ネコ好きなら一読の価値あり。
ネコにまつわる数々の話題。 -
猫文学、猫エッセイ、猫作品ガイドなど、猫づくし。猫好きのための猫特集。
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作家の猫。音楽の、小説の、画像の中の猫。猫って愛されてるなあと思いました(笑)猫好きにはたまらない一冊です。