ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)
- 宝島社 (2008年9月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784796663601
感想・レビュー・書評
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瑞人の父親はどのようにして変わり果てた姿となったのか。前巻に続き加納玉村、そして田口白鳥コンビが紐解いていく。
アツシ、瑞人は手術を受けるのか。由紀の運命は。盛りだくさんな下巻。
瑞人を子供に戻してくれたのは紛れもない、アツシ、由紀、そして小夜である。
これで良かったんだと思えるラストだった。
でもやはり、子供の死は辛い。
内山医師の対応は小児科医というか医師としてどうなのかと思うが、奥寺教授の「医師だって人間だ。決して万能ではない。」というのは刺さった。
休みたい時もあるし、嘘をつく時だってある。ミスもある。いつから患者の立場である私たちは、医師に100%を求めるようになったのだろう。決して治して当たり前、元に戻して当たり前、ではないのに。
読み始めて40ページほどで、ロジカルモンスターもとい白鳥圭介が登場!
最初から白鳥ワールド全開で場を乱していく。本人はお構い無し、子供にも容赦無し。しかしそこがいい。
今後も活躍してくれる加納や玉村も出てきて再読者としては桜宮市がどんどん広がってきてワクワクした。
バチスタシリーズ大好きな私としてはこちらも大好きな作品ではあるのだが、ミステリとしては少し物足りなさを感じた。
犯人は読んでいれば分かる構造なので、一緒に犯人探しをしたい!という方には向いていないかも。
読み込めていないだけかもしれないが、音楽やDMAなどの力を目の当たりにしたことがないので想像しにくかったかな、というのがある。モヤモヤしたまま読み進めた。
次はジェネラルをと思っていたが、解説で螺鈿迷宮をとのことなのでそちらを。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
脇役だが小児科医の内山先生が酷すぎる。子どもが産まれてから読むと、わずか5歳で眼球摘出しなければいけないアツシ少年の境遇に胸がいっぱいになる。小夜はどうあっても子どもを巻き込んではいけないと思うが、この後の『螺鈿迷宮』にもつながってくる闇の深い問題が絡んでいると思うと糾弾できない。幼少期に見た大人の行動に影響を受けるのは必至か。
やはり登場人物たつを忘れてしまわないうちに、桜宮サーガを一気に攻めるか…。 -
何でこの人は、どんぴしゃ・完璧・めっちゃ楽しいミステリーを書いてくれないのかしら。
今回はちびっ子わんさかで、それだけでもう心象上がりっぱなしだし、殺人も必ず犯人がいる事件っぽい事件でワクワクだったし、白鳥の登場も「別にわざわざ出さなくてもよくない?」感はあったけど、それでもやり込められてる白鳥とか結構面白かったし、病院内の人間関係はよりいっそう複雑になってきてて相変わらずそれに翻弄されるくせに結構いいポジションにいる田口がほほえましかったのに。
恋愛要素は確実に蛇足だろう。ひいたわ。 -
その人の歌を聴くと、心の中を映像として観ることができる‥。現実離れしているけれど、それを告白としてみせたところがおもしろかった。
哀しくて辛い過去があるから、歌声がより美しく哀しく聴こえた。 -
前作に引き続き、とても読みやすかったです。
純粋な医療ミステリーかと思いきやファンタジーな要素もあり。好みは別れるかもしれませんが、もしかしてそんなこともあるのではと思わせるファンタジーで、私は好きです。合間で語られる病気の子供達の言葉には、綺麗事だけではない深く考えさせられるものもありました。
事件については読者に犯人がほぼ分かっている状況で進んでいくため大どんでん返しといった印象はありません。
それでも「ほぼ」分かっている状態なので、詳細を知りたいという気持ちにかられて読み進めていってしまいます。
前作や上巻でしっかり登場人物について描かれているため、事件後の展開についても個人的な感情に差が出そうです。だからこそ1人1人の見方によって感想や評価が変わりそう。「他の人はどう感じて読むのかな」なんてことが頭を過る1冊でした。 -
個性あふれる登場人物たち。魅力全開でストーリーは展開します。現在時系列的に読み進めているのですが、登場人物自体も変化した部分、信条など変わらない部分なども同時に楽しめます。それにしても医療界、問題山積でも進まなければならない現状。この国の医療はどこに向かっているのでしょう。
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少なくともこの作者に関しては、普通の殺人事件を扱っていると物足りない気がするのは私だけだろうか。