人類の宗教の歴史 9大潮流の誕生・本質・将来

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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798701202

作品紹介・あらすじ

世界三大宗教から、ヒンドゥー教、ゾロアスター教、ユダヤ教、さらには中国思想、ギリシャ哲学、現代のアニミズムまで、人間社会の信仰と儀礼の歴史を、ときに通説を覆しつつ壮大なスケールで描く、画期的な世界宗教史の誕生。

感想・レビュー・書評

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  •  『ル・モンド』の宗教専門誌『ル・モンド・デ・ルリジオン(宗教の世界)』の編集長による世界宗教史である。
     宗教学者エリアーデによる全8巻(文庫版で)の大著『世界宗教史』を筆頭に、同種の試みは過去にもあったが、本書は1冊で人類と宗教のかかわりの歴史が鳥瞰できるところがよい。そして、ものすごく中身が濃い。

     百科事典的な通史ではなく、「人類にとって宗教とは何か?」という一つのテーマに沿って宗教史のハイライトをたどる感じの本。とくに、先史時代に宗教現象や宗教感情が発生・発展していく様子を検証した第1部は、目を瞠る充実ぶり。

     座右に置いて今後何度も読み返したい素晴らしい本である。

  • 世界の9大宗教思想をその起源、本質、歴史を含めてわかりやすく紹介した一冊。従来の抑圧的宗教伝統に抗したのがその歩み。入門用の類書が少ない中で便利な一冊。淡泊な感も否めないがググったりwikiで済ませるよりは本書を読むべきか。

  • 概観として。
    諸々の特定の宗教(および思想)の意味は時代とともに変遷している。例えば、儒教もその一つで、そもそも孔子は「精霊や神々は祀りながらも距離を置くべき」としている。儀礼との適切な距離感――現代の儒教の儀礼主義は孔子の没後に定められたものなのである。
    他にも、ギリシア哲学における、エピキュロス派・ストア派に対する印象は本来的には我々が認識しているものとは真逆のものだったりと、宗教(および思想)は、時代の要請、政治権力との関わりで、その意味合いを大きく変えていくわけである。
    じつは、一神教における「神の立ち位置」も同様で、かつては人間の「外」に存在していた「神」は、現代においては「個々人の内」に存在するケースが増えてきている。

    「神」は自分の姿に準えて人間を造った。人間は「神」にそのお返しをした(ヴォルテール)

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著者プロフィール

1962年生まれ。スイスのフリブール大学で哲学を専攻。雑誌編集者、社会科学高等研究院(EHESS)客員研究員などを経て、2004年に『ル・モンド』の宗教専門誌『ル・モンド・デ・ルリジオン(宗教の世界)』編集長に就任。2006年、『精神性小叢書』(プロン社)を創刊。宗教学、哲学、社会学から小説、脚本まで多彩な分野で活躍し、フランスの思想界、読書界で最も注目される著者の一人。数十冊の著書は25カ国で翻訳され、日本語訳に『仏教と西洋の出会い』『人類の宗教の歴史 9大潮流の誕生・本質・将来』(トランスビュー)、『ソクラテス・イエス・ブッダ』『生きかたに迷った人への20章』(柏書房)『イエスはいかにして神となったか』(春秋社)など。vv

「2012年 『哲学者キリスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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