ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

  • 日経BP社
3.87
  • (739)
  • (658)
  • (873)
  • (57)
  • (19)
本棚登録 : 9198
感想 : 645
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822740313

作品紹介・あらすじ

時代を超え際立った存在であり続ける企業18社を選び出し、設立以来現在に至る歴史全体を徹底的に調査、ライバル企業と比較検討し、永続の源泉を「基本理念」にあると解き明かす。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 経営者が本来読むような本なのだけど、そんなことは関係なくビジネスマンなら読んだほうがいいかもしれない。別に会社のトップがこの本に書かれていることを意識しているかはわからないけど、もし自分で会社を作ったり、なにかを始めるならこの本の考え方は必要になってくると思った。

    以下、印象的なシーン
    1. 長く続く組織を作り出すことに注力する。時を告げるのではなく、時計をつくる
    →qpmiサイクルの本にも書いてたなぁ。時を刻むことは人の心にも刻まれることかも
    2.明日にはどうすれば今日よりうまくやれるか
    →これはどんな人でも実践できるのでは。限られた時間の中で沢山の試行を回したい。もちろんちゃんとやったことは記録しないといけないけど。
    3.企業として早い時期に成功することと、ビジョナリーカンパニーとして成功することとは、逆相関している
    →すぐできたものほどすぐ役に立たなくなるに通じるものがあるなぁ
    4.理念をしっかりさせ、カルトのような同質性を求めることにより、企業は従業員に実験、変化、適応を促し、行動を促すことができる。
    →根幹は持たせつつもある程度は自由にやらせること。会社として芯は示してあげる必要があるのだろう。
    5.試してみよう。なるべく早く。じっとしていてはだめ
    →まずはなんかやれ的なことだけどコレが案外難しい。闇雲にやればいいってもんでもないし時間は有限だし。でもこの姿勢は大事だと思う。
    6.HPが何をやっているかと同じくらい重要な点は、何をやっていないか。
    →5と矛盾するような考え方だけど、おそらく大事なポイントは芯(目的、一貫性)があるかないかではないだろうか。それが芯を捉えたことであればたくさん試行すべきだと思う。
    7.オズの魔法使いの魔法使いは本当は魔法使いではなくただの手品師だった。ビジョナリーカンパニーを作り上げた人たちも必ずしも偉大な人だったわけではなく、ごく普通の人だった。単純さは安易さを意味するわけではない。
    →どんなときでも、どんなことでも自分を芯を大事にして進めってことなのかな。誰だって何かしら苦労したり嫌なことがあるから一喜一憂せずに現実と向き合っていこう、、、

  • ビジョナリーカンパニーを分析し、時代を超えて際立つ企業の本質を明らかにしている。
    カリスマ的指導者がそういった企業を作り上げ、継続していくものだという固定観念があったが、本書を通じてその考え方は誤っていると深く感じた。
    カリスマ的指導者が存命中はよいが、その後に迷走した企業は数知れない。(ディズニーはその例外であるが)

    重要であることは
    ①時計をつくること
    企業そのものを究極の作品にする、ひとりひとりが創造力を発揮できる環境をつくる。
    ②ANDの才能を活かす
    逆説的な考えを抑圧するのではなく、両方(変化と安定など)を追求する。
    ③基本理念を維持し、進歩を促す
    企業の存在意義(利益志向ではない)を掲げ、常に向上しようとする内部の力をもつ。
    ④一貫性の追求
    この方法がよいのか?ではなく、当社に合っているのか?という点で分析し、基本理念との矛盾を生じない。

    企業分析の本であるが故に、起業家や経営層が読むべきものであるように思っていたが、個人の考え方として学ぶべきことが多かった。
    主語「企業」を「自分」と置き換えて読むことで、自分にも応用できるのではないかと感じた。
    上の4つを含めて、個人の考え方・生き方を捉える上で非常に参考になった。

  • ビジョナリー・カンパニーとは、ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的な企業であり、業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与えてきた企業と定義されている

    そんな企業に必要なのは、いつ、いかなる状況においても不変の理念を持つこと、そして、それに対して一貫性を持つこと、それを基軸にしてやれることは何でもやること、そこにカリスマ指導者だったり才能だったりはいらないと

    すごく励まされる内容だ
    自分にはカリスマ要素も才能もないけれど、そんな自分にも理念やそれに対する責任を持てば、自分のビジョナリー・カンパニーを創設することができるんだと思えた

    反面、この理念をどう設定するかが現状の課題でもある
    どんな状況においても、いついかなる時も変えることのない理念
    それは個人レベルでは使命ともいえよう
    自分はここが圧倒的に薄いと感じる
    自分の使命は何だろうなぁ

  • 学びの多い良本。金メダルと銀メダルの企業の違い、金メダルの企業のみが持つ特徴とはについて述べた本。丁寧な調査結果に基づいて示唆が書かれており、いつまで経っても陳腐化しない内容は、経営者だけではなく若いビジネスマンも繰り返し読むべき名作

  • 特に印象に残った言葉

    ◇goodはgreatの敵である
    ◇orではなくand

  • 少し古い本なので現実とそぐわないところがあるかもしれません。

    今までのビジョナリーカンパニーというのは宗教のような側面がたぶんにある、ということがわかった。

    理念は大事だが、往々にして排他的になりがち。
    最近はやりのダイバーシティを考え方、行動、働き方にも当てはめて、個々人のぶれの範囲内で会社理念に沿った仕事ができるような企業が増えれば、そのような働き方を社会的、経済的に許容できるような社会になればと思う。

    ベーシックインカムには何となく期待している。

    払ってもいい金額:1300円(上梓から年月が経っているため)

  • 学者が書いたビジネス書は好きです。

    以下では若干ケチつけ気味のことを書いていますが、
    それだけ真剣に向き合って考えさせられた本だからこその感想です。

    ●ビジョナリーカンパニーとは●

    ビジョナリーカンパニーの定義は、
    短期的に爆発的な利益を上げて、業界一位になったことがある とかではなくて、
    ある業界において(あるいは業界を変えながらも) 不動の地位を保ち続けている企業 というようなイメージ。

    そういうビジョナリー・カンパニー(金メダル級の企業)と、
    完全な二流三流企業ではなく、短期的には利益を上げられるけど、業績が長続きしない会社(銀メダル級の企業)は何が違うのか?

    答えは、
    前者は短期的な利益よりも優先される、会社がが追求するべき永続的な価値をリーダーがきちんと定義していて、それが組織の末端まで浸透しているから。
    後者は短期的な利益を最優先するような戦略をリーダーが立てていて、組織もそういうふうに動いているから。

    ・・・って、なんだかトートロジカル(※)じゃないですか? という感じは最後まで拭い去れませんでしたが、
    目指すべきところをちゃんと目指す ってことは大切なことなんだなと思いました。

    ※トートロジーは、「AはAである」という論理のこと。
     論理的には常に真だけど、情報量はゼロです。

    ●BHAG●

    自己啓発系の本でよく引用されている「BHAG」(びーはぐ) の概念について。

    BHAGとは、

    Big 大きくて
    Hairy ぞっとするほど困難で
    Audacious 大胆な
    Goals 目標

    のこと。

    リーダーは、組織のメンバーがワクワクするような 「BHAG」 を発信し続け、
    その 「BHAG」 が達成されたら、また次の 「BHAG」 を提示して、
    常に組織が 「BHAG」 に向かって ワクワクして 一致団結している状態を作るべきだ!

    ビジョナリーカンパニーの共通点は、それができていることだ!

    …というのが本書の主張で、ここから先は私見です。

    「大きくて、ぞっとするほど困難で、大胆な目標」 を掲げることで 「ワクワク」 できるようなメンタリティーの人ばっかり集まった会社なら、

    そりゃ 「金メダル級」 になって 何の不思議もないのでは?と。

    金メダル級じゃない企業の社員のほとんどは、
    目標が高すぎると ワクワクするどころか それこそ ぞっとして 萎えてしまう人が多いと思う。

    そういう人たちをモチベートして、金メダル級じゃないところから金メダル級に持っていくのは、
    「BHAG」じゃなくて「SLIG」(←造語です)じゃないか? なんてことを考えました。

    Stretching 少し背伸びしたくらいのレベルで
    Likely 現実味があって
    Interesting 興味をかきたてるような
    Goals 目標

    でも、こんな生ぬるいことを言っているようじゃ、いつまでたっても金メダル級にはなれないのか・・・ うーん・・・

    金メダル級じゃない会社に勤める私が、私の会社を金メダル級に返り咲かせるには、どうしたら良いのか・・・
    ・・・探求は続く・・・

  • 仕組化の話とかすごく共感できた。ただ、参考例として挙げられている企業は大企業ばかりなので(もちろん、スタートアップの企業でも参考に出来る部分は多いと思うが)中小企業とかベンチャー企業にはちょっとリアルじゃないかも??

  • ビジョナリーカンパニーとは何か?
    サンプリングの条件設定として、単に成功しているとか、長続きしているといっただけではなく、その業界で長期にわたって超一流といわれる地位を確立している会社としている。
    著者は18社を選んで、同業種のナンバー2の会社と比較し、その違いを分析して、超一流企業の条件を洗い出している。最終的に、言っているのは次の4点。

    1.時を告げる予言者になるな。時計を作る設計者になれ。
    2.「ANDの才能」を重視しよう。
    3.基本理念を維持し、進歩を促す。
    4.一貫性を追求しよう。

    噛み砕いていえば、1.はカリスマ指導者に頼るな、ということ。特別な才能を持った経営者が在任中に業績を伸ばしても、その人がいなくなったら組織がガタガタになるのではビジョナリーカンパニーとはなり得ない。特別な才能で時を言い当てるのではなく、だれもが使える時計(組織・仕組み)を作ることに専念すべきということ。

    2.は、ビジョナリーカンパニーでは、「利益を超えた目的」と「現実的な利益」といった、一見相反する目標を同時に追及しているということ。要は、目的か利益かといった「OR」ではなく、目的も利益もという「AND」を追求している。ビジョナリーカンパニーでは、二兎を追って二兎を得ているということ。

    3.は、あくまでも基本理念にこだわることの重要性。時代や社会の環境が変化して、組織がそれに合わせて進化していっても、まるで遺伝子のように、その基本理念自体は変わらないということ。

    4.は、ことばの通りだが、いくら美しい基本理念を持っていても、実際の経営の場面で、それの精神が一貫して実現されていなければビジョナリーカンパニーとはなり得ないということ。

    この他にも、BHAG(Big Hairy Audacious Goals)を設定すること、すなわち、安定志向ではなく、社運を賭けた大胆な目標を掲げること。カルトのような文化をもち、基本理念に則った企業文化を形成すること。環境の変化に対応するために、ある程度の失敗は認め、数多くの試みから適者生存するものを作り出すこと。経営トップには生え抜きを据えること。以上のようなことが、例に挙げた18社に共通する傾向だったという。

    この中で一番困難なことが、一貫して理念を尊重しながら、環境の変化に合わせて事業を適応させていくことだと思う。そういった能力をもった組織を作るのに、多くのビジョナリーカンパニーが、トップの育成制度を設けているという指摘があった。それは、当然ながら経営を引き継ぐはるか以前から計画化されており、その中で、基本理念が継承され、次の世代、またその次の世代に受け継がれるように仕組化しているという点が、自社の弱点と照らし合わせて非常に興味深かった。

  • 感想
    勝利に英雄は必要ない。凡人が足並みを揃えて一心不乱に進んでいける仕組みだけ。企業理念から毎日のルーティンを築き上げる。それが秘訣。

  • 3度目の挑戦。
    納得感がある。特に、一貫性の部分。

  • 真に優れた会社とは何か、を論理的に突き詰めた伝説的ビジネス書。長く売れている本というのはやはり安定して面白い。

    結局ビジョナリーカンパニーってのは「長く大当たりをしている会社」なんだよな。そういう意味で「卓越した指導者」というのは必要ないし、むしろ邪魔になってしまう。大事なのは一つの方向に進め続ける『会社の仕組み』なんだ。
    それを端的に表したのが「時を告げるのではなく、時計をつくる」というフレーズで、個人的にだいぶ気に入っている。

    社会人として生きていると、思っていた以上に内部の争いが多くて辟易する。実際人が人を管理するのは一定数を超えるとだいぶ厳しくなってしまうため、もしビジョナリーカンパニーのような『統一性(思想の立脚点)』があればすごい楽だろう。そして変な方向に行かずにも済む。
    今でこそ会社のビジョンやパーパスなんかが注目されるようになったけど、ガワだけ真似るだけじゃ意味がないってことをキチンと学べた。

    ……自分の会社では全く出来ていないことを悲しく思えたのはナイショだぜ?

  • 長いので流し読み…

    ビジョナリー・カンパニーとして存続するには、目先の利益にとらわれず、長期的なビジョンを持ち、時には大胆な目標を掲げ、常に現状に満足しない姿勢が必要なようだ。

    個人の人間のキャリアにもこの考え方は落とし込めるように思った。とはいえ、でっかいビジョンを考えつくことが中々難しいのよね…

  • 企業の軸というか、何を大切にしていますか?ということが大切と説く本。
    正直、自分が勤めている会社について、これに答えられない。
    これは、トップが変わっても、会社に残るものなので、組織の仕組みの問題なのだと思う。
    答えられないなら、まずは経営理念を文書化することから始める方が良いとのこと。で、この経営理念は、進歩について、含まれている方が良い。理念が決まれば、戦略、戦術、組織体系、構造、奨励制度、オフィスレイアウト、職務設計などに反映していくことが必要。
    ビジョナリーカンパニーのポイントは、不安感を作り出し、動きを生み出すこと。厳しい自制、猛烈な仕事、耐えざる努力があれば、到達できるらしい。

  • 企業が世代を超えて発展していくために必要な要件について書かれています。経営者であれば一度は読んだほうが良いと思うし、読んだことがない経営者は危ういとも言えるかもしれない。
    紹介されている企業のほとんどが米国企業なので、イメージしづらい読みづらさはあります。

  • ・基本理念を明確にして共有すること
    ・やれないことはないと思える大胆な目標を立てること
    ・安定を目的とするのではなく変化し続けること

    明日から自分が所属する小さな組織でも、できることを考え始めようと思った。

  • ビジョナリーカンパニーの神髄は、基本理念と進歩への意欲を組織の隅々にまで浸透させて行くことにある。
    本書を読んで、どんな状況に陥ったとしても不変で、物事を判断するときの絶対的な指針となる基本理念を貫き通すこと、また、常に満足することなく進化・変化し続けることを選択することが、時代を超えて生存し続ける際立った企業の原理原則であると学んだ。

  • 理念と進化の重要性は変わらない。変わるのは、課題の発見が必要な時代か、と。

  • ビジョナリーな(未来のある)企業はどういうものかを実際に業態の似た会社を比較し、ビジョナリーな会社とそうじゃない会社を歴史を追ってわかりやすく説明している。一例を挙げると3Mとノートン、アメリカンエクスプレスとウェルズファーゴ、ボーイングとダグラス、フォードとGM、GEとウエスチングハウス他。組織の上に立つことを目指す方、ビジネスマンマンに限らず非営利組織にお勤めの方も一度は目を通しておきたいビジネス書。ビジョナリーカンパニーに優秀な独裁的経営者は不要であり、基本的理念と組織づくりが最も重要と実感した。

  • BUILT to LAST (永続する偉大な企業)

    第二章 時計をつくる
    ・ビジョナリーカンパニーはスタートでは遅れるが、長距離レースでは勝つことが多い
    ・時を告げる(偉大な指導者)よりも時計をつくる
     (アメリカの建国者は、彼らがこの世を去った後も、優れた大
      統領をずっと生み出すためにどんなプロセスをつくることが
      できるか考えた)
    ・ORの抑圧をはねのけ、ANDの才能を活かす
     (長期的な投資と短期的な成果など)

    第三章 利益を超えて
    ・ビジョナリーカンパニーは利益自体が目的ではない。理念と利益を同時に追求する。
     (理念の内容よりも、理念が本物であり、企業がどこまで理念
      を貫き通しているかの方が重要)
     (正しいかどうかは関係ない。フィリップモリスは喫煙の権
      利、選択の自由を堂々と掲げている)
     (基本理念を公言することでその考え方に従って行動する傾向
      が強くなる)
    ・基本理念を徹底して強化し、カルトに近いほど強力な文化を生み出す。
     (目標、戦略、戦術、組織設計などで、基本理念との一貫性を
      持たせている)
    ・基本理念=基本的価値観+目的
     基本的価値観: 組織にとって不可欠で不変の主義
       (外部環境が変わっても、たとえ利益に結びつかなく
        なろうとも百年に渡って守り続けていくものはどれか)
       (組織の内部にある要素であり、外部環境に左右されるも
        のではない)
     目的 : 単なるカネ儲けを超えた会社の根本的な存在理由
       (目的は不変であり、終わりはない。想像力がこの世から
        なくならない限り。ディズニーランドが完成することは
        ない)

    第四章 基本理念を維持し進歩を促す
    ・基本理念を大事に維持し、守るが、基本理念を表す具体的な行動はいつでも変更し、発展させなければならない。
     (ノードストロームは顧客へのサービスを何より大切にする
      が、営業地域や在庫量の方針は変わることもある)
    ・基本理念を維持し、進歩を促す具体的な仕組みを整えることが、時計をつくる考え方の真髄である
    ・基本理念は維持することを忘れず、以下5つの教訓が重要

    第五章 社運を賭けた大胆な目標(BHAG)(進歩を促す)
    ・リスクが高い目標やプロジェクトに大胆に挑戦する
     (明確で説得力があり、集団の力を結集するものになる。ゴー
      ルがはっきりする。例:GE:参入した全ての市場でNo.1かNo.2
      になる。ウェスチングハウス:市場のリーダー)
     (BHAGが組織にとって有益なのはそれが達成されていない間
      だけ)
     
    第六章 カルトのような文化(基本理念を維持する)
    ・すばらしい職場だと言えるのは、基本理念を信奉している者だけ。
     (ディズニー)

    第七章 大量のものを試して、うまくいったものを残す(進歩を促す)
    ・計画も方向性もないままに、さまざまな行動を起こし、なんでも実験することによって予想もしない新しい進歩が生まれ、種の進化に似た発展をたどる活力を与える
     (計画のない進歩であり、生物の種が進化して自然環境に適合
      していくのに似ている)
     (BHAGは曖昧なところがなく明確な目標を掲げるが、進化に
      よる進歩は目標は曖昧。BHAGは思い切った飛躍をするが、
      進化による進歩は、はじめはそれまでの事業の延長線上にあ
      る小さな一歩(言うならば突然変異))
     (3Mのポストイットなど。思いつきの実験を奨励する文化)

    第八章 生え抜きの経営陣(基本理念を維持する)
    ・社内の人材を登用し、基本理念に忠実な者だけが経営幹部の座を手に入れる
     (外部から招かねばならない場合は基本理念にぴったりの候補
      者を探す)
     (変革をもたらし、新しい考え方を取り入れるために経営者を
      社外から招く必要は全くない)

    第九章 決して満足しない(進歩を促す)
    ・徹底した改善に絶え間なく取り組み、未来に向かって、永遠に前進し続ける
     (長期的に利益を増やせるという期待から短期的な利益を減ら
      す行動が成功を収めることはめったにない)長期:50年
    ・不安をもたらす仕組みを作って、自己満足に陥らないようにし、内部から変化と改善を生み出すとともに、基本理念を維持していく
    ・安心感が目的ではない。ビジョナリーカンパニーが働きやすい職場ではないことを従業員は理解し、楽な生活を最終目標にするのを拒否し、明日には今日より前進するという、終わりのない修練を重視する

    第十章 はじまりのおわり
    ・一貫性を追求する



  • 世界で最も重要なビジネス書 (世界標準の知識 ザ・ビジネス)(ISBN・EAN: 9784478200865)で紹介されていたので読んでみた。

    ”ビジョナリー”や”ビジョナリーカンパニー”、”どの企業がビジョナリーカンパニーであるか?”といった定義をきちんと序盤で説明してくれていて、入りやすい。

    想像と違ったのは、”どうすればビジョナリーカンパニーになれるか?”ではなく、”ビジョナリーカンパニーと言われている企業は何をしてきたか?”に重きを置かれていたこと。
    ”研究結果の報告”をただ読む、という感じだった。

    個人の好みの問題かもしれないけれど、この手の本にしては読み手に対して総じて謙虚な姿勢?で、時おり出てくる米国っぽい例え話を除けば、全体として読みやすかった。日本語訳が優秀なのかな。

    個別のエピソードについては説得力もあるし納得なんだけれど、果たしてこの本で述べられている”ビジョナリー”が「すなわちイコール”良”」なのかどうかについては、「結果論じゃん」と思えないこともなく、個人的には慎重に吟味したい。

    自分の会社をビジョナリーカンパニーにしたい、という経営者もしくはそれに準じる人と、「ビジョナリーカンパニー」という言葉を発したいミーハーな人におすすめ。

  • ・「ビジョナリー・カンパニー」とは、ビジョンを持ち、同業他社から尊敬される、卓越した企業のこと。

    ・ビジョナリー・カンパニーの創業者は、概して商品アイデアで大ヒットを飛ばしたりすることに重きを置かない。最も大切なのは、ビジョナリー・カンパニーになる“組織”を築くこと。
    ・ビジョナリー・カンパニーの経営者の多くは、カリスマとは程遠い、控えめで、思慮深い人物である。

    ・「基本理念を維持しながら、進歩を促す」こそが、ビジョナリー・カンパニーの真髄。
    ・基本理念を維持しつつ進歩するため、ビジョナリー・カンパニーは、次の5つのことを行っている。
    ①社運を賭けた大胆な目標を持つ
    ②カルトのような文化を持つ
    ③大量のものを試して、うまくいったものを残す
    ④生え抜きの経営陣を持つ
    ⑤決して満足しない

  • ・長い年月に渡って繁栄を続けるのはどのような会社なのか?
    ・「理念を持ってそれを貫く」「柔軟かつ変化に対応する組織を作る」「創業者だけでなく未来の経営陣や従業員の全てが熱狂的になる」「現状に一切の満足と妥協をしない」などの特徴があげられる。
    ・本書で取り上げられているが2000年代以降に凋落してした企業(ソニーなど)は、それまでと直近10年間の違いを考えるのも面白い。

    内容の素晴らしさは実際に読んでもらうとして、方法論とプレゼンテーションの素晴らしさだけをコメントしたい。
    この本は、納得性のあるケースセレクション、インタビューや定量分析を組み合わせた調査設計の厳密性と言った点で、極めて高い学術的な基準をクリアーしていると同時に、本の全体の構成の分かりやすさ、そしてあまり学術的な書き方ではなく、生の経営者の言葉などを引用した生き生きとした文章になっている。きわめて、アメリカ的な実証科学と説得技術が高度に融合した本だと思う。名著です。

  • 分厚い本ですが、わかりやすくてスラスラと読めます。

    1.この本を一言で表すと?
    ・いい組織の作り方

    2.よかった点を3〜5つ
    ・究極の作品は会社(p48)
      →会社を「雇用し、税金を納め、よい製品・サービスで社会に貢献する」という社会一部のものという考えにつながると感じた。また、技術・アイデアだけでは長続きしないものだとも感じた。
    ・糸状虫症治療薬「メクチザン」の無料提供(p77)
      →アメリカにこんな美談があったとは知らなかった。相当な強い意志と覚悟がないとできないと思う。その点に恐れ入りました。
    ・BHAGは組織のどのレベルでも使える(p184)
      →全体的に経営者向けの話が多いが、経営者じゃなくても使えることが書かれている。特に自分自身に大胆な目標がないことを痛感した。
    ・基本理念こそが基軸(p280)
      →それほど基本理念が大事ということ。自分自身の基本理念が必要と強く感じた。
    ・黒帯の寓話(p338)
      →決して満足しない、満足してしまったらおしまい、いつまでも修行というのか日本的に感じた。

    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・21世紀になっても調査結果が時代遅れになることはないと断言しているが、本当にそうなのか?
    特に、カルトの部分はすんなりと受け入れられなかった。

    3.実践してみようとおもうこと
    ・個人のBHAGを考えてみる。
    ・家族の基本理念を考える。

  • これはやっぱり名著としか、言えないな。まずは読んでほしい。

    内容の素晴らしさは実際に読んでもらうとして、方法論とプレゼンテーションの素晴らしさについてだけコメントしたい。この本は、納得性のあるケースセレクション、インタビューや定量分析を組み合わせた調査設計の厳密性と言った点で、極めて高い学術的な基準をクリアーしていると同時に、本の全体の構成の分かりやすさ、そしてあまり学術的な書き方ではなく、生の経営者の言葉などを引用した生き生きとした文章になっている。きわめて、アメリカ的な実証科学と説得技術が高度に融合した本だと思う。

  • 後世にわたって語り継がれる企業であるビジョナリー・カンパニーと比較対象企業とを著者が膨大な資料をもとに綿密な調査をもとに調べた一冊。

    「時計をつくる」、「ANDの才能」、「基本理念を維持し、進歩を促す」「一貫性」という4つを膨大な資料に基づく調査から著者が定義していく過程は非常に発見が多く、興味深いものでした。
    核となる部分と変化することのバランスが大事なことや理念などの共有と内部での人材の育成など企業の運営や発展に非常に重要なことが多く書かれていました。

    ビジョナリー・カンパニーに共通していることとして卓越した企業文化、基本理念からぶれないこと、教育や内部統制に出し惜しみしないこと、ANDの才能とORの抑圧、進化を受け入れること、成功に安住しないことなどがあると本書を読んで感じました。

    約20年ほど前に出版された一冊ですが、どの時代でも共通する企業の本質を解説した一冊でもあり、多様化する価値や需要のなかでいかに企業として存続するための持続可能性について本書では触れられていると感じました。

    同業で比較しているので理解しやすく、またやはり年を経て読み継がれている名著であるだけに、複数回読むことに本質に近づいていくとも感じました。

  • 多くのデータと、客観的になるように最大限つとめた分析。説得力がありました。これらの企業の今後を調べたくなりました。

    個人としてもこれらの原則をすぐ始めたくなるような、力と情熱をもった本。

  • 言わずと知れた名著。
    読もう読もうと思って1年くらい経ってしまったので、年末年始に一気読みしてみた。
    本当に普遍的なことが書かれていて、今読んでも特段古臭さを感じないのがすごい。
    そして、前の会社が目指していたことがほんの少し分かった気がした。
    今の会社はどうなのかな、と思いを巡らせました。

    へー、なるほど。
    で終わるのではなく、ちゃんと自分ごととして捉えたいと思います。

  • 以下の四点をしっかり肝に銘じておきたい。
    ・時を告げる預言者になるな。時計をつくる設計者になれ
    ・「AND の才能」を重視しよう
    ・基本理念を維持し、進歩を促す
    ・一貫性を追求しよう

  • 「7つの習慣」が個人へ向けた本だとしたら、そのルールをそのまま企業へ移し替えた本だと感じた。

全645件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』(Built to Last、ジェリー・ポラスとの共著)をはじめとする世界で1000万部超のロングセラー『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの著者。米コロラド州ボールダーの研究ラボを拠点に四半世紀以上にわたって偉大な企業を研究、経営者から絶大な支持を集める。2017年にはフォーブス誌の『現代の経営学者100人』にも選出された。著書に『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』(Good to Great)、『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』(How the Mighty Fall)、『ビジョナリー・カンパニー4 自分の意思で偉大になる』(Great by Choice、モートン・ハンセンとの共著)。

「2021年 『ビジョナリー・カンパニーZERO』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジム・コリンズの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×