ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

制作 : 山岡洋一 
  • 日経BP社
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本棚登録 : 6785
レビュー : 560
  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822740313

作品紹介・あらすじ

時代を超え際立った存在であり続ける企業18社を選び出し、設立以来現在に至る歴史全体を徹底的に調査、ライバル企業と比較検討し、永続の源泉を「基本理念」にあると解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • ・長い年月に渡って繁栄を続けるのはどのような会社なのか?
    ・「理念を持ってそれを貫く」「柔軟かつ変化に対応する組織を作る」「創業者だけでなく未来の経営陣や従業員の全てが熱狂的になる」「現状に一切の満足と妥協をしない」などの特徴があげられる。
    ・本書で取り上げられているが2000年代以降に凋落してした企業(ソニーなど)は、それまでと直近10年間の違いを考えるのも面白い。

  • 少し古い本なので現実とそぐわないところがあるかもしれません。

    今までのビジョナリーカンパニーというのは宗教のような側面がたぶんにある、ということがわかった。

    理念は大事だが、往々にして排他的になりがち。
    最近はやりのダイバーシティを考え方、行動、働き方にも当てはめて、個々人のぶれの範囲内で会社理念に沿った仕事ができるような企業が増えれば、そのような働き方を社会的、経済的に許容できるような社会になればと思う。

    ベーシックインカムには何となく期待している。

    払ってもいい金額:1300円(上梓から年月が経っているため)

  • 学者が書いたビジネス書は好きです。

    以下では若干ケチつけ気味のことを書いていますが、
    それだけ真剣に向き合って考えさせられた本だからこその感想です。

    ●ビジョナリーカンパニーとは●

    ビジョナリーカンパニーの定義は、
    短期的に爆発的な利益を上げて、業界一位になったことがある とかではなくて、
    ある業界において(あるいは業界を変えながらも) 不動の地位を保ち続けている企業 というようなイメージ。

    そういうビジョナリー・カンパニー(金メダル級の企業)と、
    完全な二流三流企業ではなく、短期的には利益を上げられるけど、業績が長続きしない会社(銀メダル級の企業)は何が違うのか?

    答えは、
    前者は短期的な利益よりも優先される、会社がが追求するべき永続的な価値をリーダーがきちんと定義していて、それが組織の末端まで浸透しているから。
    後者は短期的な利益を最優先するような戦略をリーダーが立てていて、組織もそういうふうに動いているから。

    ・・・って、なんだかトートロジカル(※)じゃないですか? という感じは最後まで拭い去れませんでしたが、
    目指すべきところをちゃんと目指す ってことは大切なことなんだなと思いました。

    ※トートロジーは、「AはAである」という論理のこと。
     論理的には常に真だけど、情報量はゼロです。

    ●BHAG●

    自己啓発系の本でよく引用されている「BHAG」(びーはぐ) の概念について。

    BHAGとは、

    Big 大きくて
    Hairy ぞっとするほど困難で
    Audacious 大胆な
    Goals 目標

    のこと。

    リーダーは、組織のメンバーがワクワクするような 「BHAG」 を発信し続け、
    その 「BHAG」 が達成されたら、また次の 「BHAG」 を提示して、
    常に組織が 「BHAG」 に向かって ワクワクして 一致団結している状態を作るべきだ!

    ビジョナリーカンパニーの共通点は、それができていることだ!

    …というのが本書の主張で、ここから先は私見です。

    「大きくて、ぞっとするほど困難で、大胆な目標」 を掲げることで 「ワクワク」 できるようなメンタリティーの人ばっかり集まった会社なら、

    そりゃ 「金メダル級」 になって 何の不思議もないのでは?と。

    金メダル級じゃない企業の社員のほとんどは、
    目標が高すぎると ワクワクするどころか それこそ ぞっとして 萎えてしまう人が多いと思う。

    そういう人たちをモチベートして、金メダル級じゃないところから金メダル級に持っていくのは、
    「BHAG」じゃなくて「SLIG」(←造語です)じゃないか? なんてことを考えました。

    Stretching 少し背伸びしたくらいのレベルで
    Likely 現実味があって
    Interesting 興味をかきたてるような
    Goals 目標

    でも、こんな生ぬるいことを言っているようじゃ、いつまでたっても金メダル級にはなれないのか・・・ うーん・・・

    金メダル級じゃない会社に勤める私が、私の会社を金メダル級に返り咲かせるには、どうしたら良いのか・・・
    ・・・探求は続く・・・

  • 仕組化の話とかすごく共感できた。ただ、参考例として挙げられている企業は大企業ばかりなので(もちろん、スタートアップの企業でも参考に出来る部分は多いと思うが)中小企業とかベンチャー企業にはちょっとリアルじゃないかも??

  • ビジョナリーカンパニーとは何か?
    サンプリングの条件設定として、単に成功しているとか、長続きしているといっただけではなく、その業界で長期にわたって超一流といわれる地位を確立している会社としている。
    著者は18社を選んで、同業種のナンバー2の会社と比較し、その違いを分析して、超一流企業の条件を洗い出している。最終的に、言っているのは次の4点。

    1.時を告げる予言者になるな。時計を作る設計者になれ。
    2.「ANDの才能」を重視しよう。
    3.基本理念を維持し、進歩を促す。
    4.一貫性を追求しよう。

    噛み砕いていえば、1.はカリスマ指導者に頼るな、ということ。特別な才能を持った経営者が在任中に業績を伸ばしても、その人がいなくなったら組織がガタガタになるのではビジョナリーカンパニーとはなり得ない。特別な才能で時を言い当てるのではなく、だれもが使える時計(組織・仕組み)を作ることに専念すべきということ。

    2.は、ビジョナリーカンパニーでは、「利益を超えた目的」と「現実的な利益」といった、一見相反する目標を同時に追及しているということ。要は、目的か利益かといった「OR」ではなく、目的も利益もという「AND」を追求している。ビジョナリーカンパニーでは、二兎を追って二兎を得ているということ。

    3.は、あくまでも基本理念にこだわることの重要性。時代や社会の環境が変化して、組織がそれに合わせて進化していっても、まるで遺伝子のように、その基本理念自体は変わらないということ。

    4.は、ことばの通りだが、いくら美しい基本理念を持っていても、実際の経営の場面で、それの精神が一貫して実現されていなければビジョナリーカンパニーとはなり得ないということ。

    この他にも、BHAG(Big Hairy Audacious Goals)を設定すること、すなわち、安定志向ではなく、社運を賭けた大胆な目標を掲げること。カルトのような文化をもち、基本理念に則った企業文化を形成すること。環境の変化に対応するために、ある程度の失敗は認め、数多くの試みから適者生存するものを作り出すこと。経営トップには生え抜きを据えること。以上のようなことが、例に挙げた18社に共通する傾向だったという。

    この中で一番困難なことが、一貫して理念を尊重しながら、環境の変化に合わせて事業を適応させていくことだと思う。そういった能力をもった組織を作るのに、多くのビジョナリーカンパニーが、トップの育成制度を設けているという指摘があった。それは、当然ながら経営を引き継ぐはるか以前から計画化されており、その中で、基本理念が継承され、次の世代、またその次の世代に受け継がれるように仕組化しているという点が、自社の弱点と照らし合わせて非常に興味深かった。

  • 企業人である以上、自分の会社をすばらしい会社にして、倒産の憂き目などに遭わないでほしいという想いは持っているはずである。市場の原則がここにあると知り、購入した。
    カリスマとか利益追求といったレベルではなく、確固たる企業理念、それを維持し続けながらも組織は常に激しく変化し続ける、到底達成できない目標を持ち、カルトのような文化を持っているのが原則であることが理解できた。
    上に行くに連れて必要になる考え方だと思うので、中間管理職としてこの考え方をしっかり踏襲して前進あるのみである。

  • これはやっぱり名著としか、言えないな。まずは読んでほしい。

    内容の素晴らしさは実際に読んでもらうとして、方法論とプレゼンテーションの素晴らしさについてだけコメントしたい。この本は、納得性のあるケースセレクション、インタビューや定量分析を組み合わせた調査設計の厳密性と言った点で、極めて高い学術的な基準をクリアーしていると同時に、本の全体の構成の分かりやすさ、そしてあまり学術的な書き方ではなく、生の経営者の言葉などを引用した生き生きとした文章になっている。きわめて、アメリカ的な実証科学と説得技術が高度に融合した本だと思う。

  • 後世にわたって語り継がれる企業であるビジョナリー・カンパニーと比較対象企業とを著者が膨大な資料をもとに綿密な調査をもとに調べた一冊。

    「時計をつくる」、「ANDの才能」、「基本理念を維持し、進歩を促す」「一貫性」という4つを膨大な資料に基づく調査から著者が定義していく過程は非常に発見が多く、興味深いものでした。
    核となる部分と変化することのバランスが大事なことや理念などの共有と内部での人材の育成など企業の運営や発展に非常に重要なことが多く書かれていました。

    ビジョナリー・カンパニーに共通していることとして卓越した企業文化、基本理念からぶれないこと、教育や内部統制に出し惜しみしないこと、ANDの才能とORの抑圧、進化を受け入れること、成功に安住しないことなどがあると本書を読んで感じました。

    約20年ほど前に出版された一冊ですが、どの時代でも共通する企業の本質を解説した一冊でもあり、多様化する価値や需要のなかでいかに企業として存続するための持続可能性について本書では触れられていると感じました。

    同業で比較しているので理解しやすく、またやはり年を経て読み継がれている名著であるだけに、複数回読むことに本質に近づいていくとも感じました。

  • 多くのデータと、客観的になるように最大限つとめた分析。説得力がありました。これらの企業の今後を調べたくなりました。

    個人としてもこれらの原則をすぐ始めたくなるような、力と情熱をもった本。

  • 言わずと知れた名著。
    読もう読もうと思って1年くらい経ってしまったので、年末年始に一気読みしてみた。
    本当に普遍的なことが書かれていて、今読んでも特段古臭さを感じないのがすごい。
    そして、前の会社が目指していたことがほんの少し分かった気がした。
    今の会社はどうなのかな、と思いを巡らせました。

    へー、なるほど。
    で終わるのではなく、ちゃんと自分ごととして捉えたいと思います。

  • 以下の四点をしっかり肝に銘じておきたい。
    ・時を告げる預言者になるな。時計をつくる設計者になれ
    ・「AND の才能」を重視しよう
    ・基本理念を維持し、進歩を促す
    ・一貫性を追求しよう

  • 「7つの習慣」が個人へ向けた本だとしたら、そのルールをそのまま企業へ移し替えた本だと感じた。

  • この本はシリーズで4冊でていますが、何時よんでも学びが多いです。

  • 経営者必読の本と言われる
    ビジョナリーカンパニー。

    2巻で指摘されている通り、
    スケールが大き過ぎて、
    まだまだ自分には実用的ではない。

    しかし、
    生活の中に生かすことのできる部分は沢山ある。
    平社員でも部長でも、
    どのレベルでもこの本の内容を生かすことはできると思うので、
    是非試してみたい。

  • 素晴らしい内容でした。もっと早く読めばよかった。
    経営に関係する人はもちろん、全てのビジネスマンにとっても有用な本です。

  • 会社とは何か、自らは何のために働くのか、どう働くのかを考えさせられる本。
    【引用】の文がすばらしい
    「失敗することがあっても、大きなことに取り組んで栄誉ある勝利を獲得するほうが、たいした苦労もない代わりにたいした喜びもない臆病者の群れに加わるより、はるかにいい。臆病者は、勝利も知らなければ、敗北も知らない灰色の生活を送っているのだから。」
    " ... his place shall never be with those cold and timid souls who knew neither victory nor defeat ... " Theodore Roosevelt

  • 【生き残る会社の特徴を暴く!!】
    長い時間生き残る会社、ビジョナリーカンパニー。どういった特徴を持った会社が、その名誉を与えられるのかを書いた本。ケーススタディを基にした研究を長々と書き記している為、若干面倒。だが、今でも通用するであろう、ビジョナリーカンパニーの特徴を学べたことは、とても面白かった。

    「基本理念を維持し、進歩を促す」では、
    業界をリードするユニクロやマクドナルドが実際に行なっていることに近いもの感じ、本書が提示するビジョナリーカンパニーの条件が、如何に現在にも生きているかが感じられる。

    経営者はもちろん、それを目指すものは一読すべきである。

  • 経営者だけでなく組織のリーダーであれば必ず知っておいた方がよいことが多い。また必要な時期に読み直そう。また、ビジョナリーカンパニーはなぜ成功したのかの理由を、超成功企業と成功企業を比較しながら説明しているため説得力がある。

    ■基本理念を文書にしている p.119
    ・基本理念=基本的価値観+目標
    ・基本的価値観とは、組織にとって不可欠で不変の主義。いくつかの一般的な指導原理からなり、文化や経営手法と混同してはならず、利益の追求や目先の事情のために曲げてはならない。
    ・目標とは、単なるカネもうけを超えた会社の根本的な存在理由地平線の上に永遠に輝き続ける道しるべとなる星であり、個々の目標や事業戦略と混同してはならない

    ■基本理念を維持し、進歩を促す p.146

    ■社運をかけた大胆な目標 p.155
    BANGは人々の意欲を引き出す。人々の心に訴え、心を動かす。具体的で、わくわくさせられ、焦点が絞られている。だれでもすぐに理解でき、くどくど説明する必要はない。

    ■カルトのような文化 p.203
    先見性とは、やさしさではなく、自由奔放を許すことでもなかった。事実はまったく逆であった。ビジョナリーカンパニーは自分たちの性格、存在意義、達成すべきことをはっきりさせているので、自社の厳しい基準に合わない社員や合わせようとしない社員が働ける余地は少なくなる傾向がある。

    ■大量のものを試して、上手くいったものを残す p.249
    システムができあがった主因は、経営の天才が戦略計画を立てたことにあるわけはない。変異と選択という進化の過程にこそある。繁殖し、変異し、強いものが生き残り、弱いものが死に絶えた結果なのである。

  •  読み応えのある本だった。つまり、読むのに時間がかかった。それでも、手に取り、ページをめくる価値は十分にある。経営に対する考え方が変わった。
     実在するいくつもの企業を分析し、そこから時代を超えて生き残る企業の条件を導き出している。P&G、ウォルマート、3Mなどが登場する。「カリスマ的な指導者は必要ない」「無謀としか思えない戦略が有効な時がある」「基本理念を堅持すれば、あとは柔軟に変化させてよい」など、ぶっ飛んだことが書いてあるので最初は驚くが、読み進めていくうちに納得出来る。重要そうな所が多過ぎて、大量に線を引いてしまった。

  • マネジメントの本ではあるが、個人としてどのように考え、行動すると良いかを学ぶことができた。
    印象に残ったのは、”とにかく仕組み・仕掛けを作る”ということと、進化を止めてはならないということ。

    学習、努力、業務上の工夫や取組みを一過性のもとせず、自分だけのものとせず、組織として継続させられるような仕掛けを作ること、そのようにして進化し続けないとまずいことになるという不安を駆り立てること。できるようで本当に難しいことと感じる。

    日々の仕事や生活に役立てていきたい。

  • 結構長く時間をかけて読みました。

    いわゆる経営の教科書として有名なこの本、安易に「いい会社」を目指すには、になっていないのがポイント。
    「ビジョナリー」な会社がほかとどう違うのか、それはどういうビジョンだったのか。
    基本的にはこのメッセージがひたすら書いてあります。

    個人的に気になったのが、
    「時を作る」こと。
    一人のカリスマがすべてをできるようにするのではなく、それをどうやって「仕組化」するか。
    これって会社経営だけでなく、それぞれの人の立場の中で必要なことなんですよね。

  • ビジョンを持った会社、ビジョナリーカンパニー(急成長を成し遂げる会社)とは、独自の歴史を持ち、独自の社風を持つ。 その会社は特には、カリスマは必要なく盤石としたルールが存在する。 この本では、日本の企業としてソニーを上げているが、現在ではこれがサムソンに変わっていることだろう。 今の日本では、ユニクロだとか、ソフトバンクだろう。

  • 【リード】
    時の試練を乗り越えてきた真に卓越した企業の特徴

    【内容】
    ○ ビジョナリーカンパニーの選び方
    - 有力企業のCEOへのアンケート結果から、50年以上存続している企業
    ○ ビジョナリーカンパニーの特徴の抽出方法
    - 同時期に設立した同業種の企業との比較
    ○ 時を告げるのではなく、時計をつくる
    - CEOの代が変わっても、継続していける組織にする
    ○ 基本理念(カルトのような文化)
    - 基本理念を徹底させ、それを絶対のものとする
    - 逆に基本理念以外は積極的に変更して進歩を促す
    = 社運を賭けた大胆な目標(BHAG)
    = 大量のものを試して、うまくいったものを残す
    ○ 生え抜きの経営陣
    - 基本理念の維持のため、経営陣は生え抜きが適している
    ○ 決して満足しない

    【コメント】
    研修で一緒になったT君のオススメ。
    基本理念を社内で共有することの大切さを客観的に知ることができる。
    この本を読んで、朝会が楽しみになった。
    朝会みたいな無駄なものは無くせとのたまっている輩にはぜひこの本を読んでもらいたい。
    基本的にターゲットにしている読者は管理職以上のようだが、自分のような平社員が読んでもためになる。
    自分を、自分と言う社員が構成する組織と考えることで、この本の考え方を適用できるところがあるからだ。
    また、この本を読んでいて気になったのは、アップルコンピュータのことだ。
    はたして故スティーブ・ジョブズは、時計をつくることができたのだろうか。
    今後の動向に注目したい。

  • ビジネス書の世界で「不朽の名著」とされる本書。10年以上たっても本屋では平積みだし、電車の中で大事そうに読んでいるビジネスマンも多い。そんなところに興味をもって読み始めた。

    ビジョナリーカンパニーとは「濃い会社」なんだろうな、と思う。自社のアイデンティティに強いこだわりを持っていて、それを何十年も語り継いでいく。こだわりは強いが時々の変化に対しては間違えない。米国企業が多く実感に乏しいのだが、日本代表のソニーにしてみても(最近は普通の官僚的な会社になったとのボヤキを聞くようになったが)、入社するには(できるとしたら)ちょっと勇気のいる会社だ。

    米国企業というとドライな人事慣行、資本の論理優先でM&Aを多用、というイメージがあるが、ビジョナリーと尊敬すべき企業には釜の飯型で内部育成重視のベタな企業が並ぶ。なればこそ、今自分のいる会社に愛社心をもち、芯の強い会社になるよう努力することが王道なんだと気づく。

    読み進めながらビジョナリーカンパニー自体の魅力だけでなく、膨大なフィールドワークで採取された「ビジョナリーな」経営者たちの言葉に惹きこまれていく。二巻以降は図書館にするけど、読み進めていきたい。

  • ビジョナリー・カンパリーとは、ビジョンを持っている企業、未来志向、先見的な企業であり、業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与え続けてきた企業。

    ビジョナリー・カンパニーは組織であり、商品のライフサイクルを超え、優れた指導者が活躍できる期間を超えて、ずっと繁栄し続ける。

    ・基本理念と高い要求にぴったりと合う者にとってだけ、素晴らしい職場。うまく適応して活躍するか、病原菌が何かのように追い払われるのどちらか。存在意義、達成すべきことをはっきりさせているので、厳しい基準に合わせようとしなかったり、合せられない者には、居場所はない。

    ・企業として早い時期に成功することと、ビジョナリー・カンパニーとして成功することは、逆相関。起業し、ビジョナリー・カンパニーを築きたいが、「素晴らしいアイデア」がないため、一歩を踏み出せないのは、素晴らしいアイデアの神話という重荷を肩から下ろすこと。素晴らしいアイデアを見つけてから会社を始めることにこだわらない。

    ・世間の注目を集めるカリスマ的スタイルは不必要。製品について素晴らしいビジョンを考えたり、カリスマ的指導者になろうと考える時間を減らし、組織についてのビジョンを考え、ビジョナリー・カンパニーとしての性格を築こうと考える時間を増やす。

    ・安心感は、ビジョナリー・カンパニーにとっての目標ではない。ビジョナリー・カンパニーは不安感をつくり出し(自己満足に陥らないようにし)、それによって外部の世界に強いられる前に変化し、改善するよう促す強力な仕組みがある。

    ・ビジョナリー・カンパニーになるには、昔ながらの厳しい自制、猛烈な仕事、将来のための絶えざる努力がイヤというほど必要。

    ・権限を委譲し、結果に責任を持たせる。従業員にその仕事をする能力が明らかにない場合は、その従業員にできる仕事を見つけるか、その場で解雇する。

    ・時計なしに時を告げる人がいた。時を告げるだけでなく、自分がこの世を去った後も、永遠に時を告げる時計を作ったら、もっと驚くべきこと。カリスマ的指導者は、時を告げる。いくつもの商品ライフサイクルを通じて繁栄し続ける会社を築くのは、「時計をつくる」こと。

    ・会社を究極の作品と見る。製品ラインや市場戦略について考える時間を減らし、組織の設計について考える時間を増やす。時を告げるために使う時間を減らし、時計を作る為に使う時間を増やす。

    ・ビジョナリー・カンパニーは自分たちの性格、存在意義、達成すべきことをはっきりさせているので、自社の厳しい基準に合わない社員や合わせようとしない社員が働ける余地は少なくなる傾向がある。企業の考え方を心から信じて、献身的になれるのであれば、本当に気持ちよく働けるし成果も上がる。しかし、そうでないのなら、いずれ辞めていくことになる。病原菌か何かのように追い払われる。白か黒がはっきりしており、カルトのよう。

    ・従業員に権限を与えて、分散型の組織をつくりたいと考えている企業は、理念をしっかりさせ、従業員を教化し、病原菌を追い払い、残った従業員にエリート組織の一員として大きな責任を負っているという感覚を持たせる。適切な役者を舞台に立たせ、正しい考え方を教え込み、その上で、状況に応じたアドリブを使う自由を与える。基本理念を中心に、カルトのような同質性を求めることによって、企業は従業員に実験、変化、適用を促すことができ、そして何よりも、行動を促すことができる。

    ・ノードストロームでは、基本的な価値と基準を守ってさえいれば、仕事を進めるために何をやってもいい。

    ・失敗は当社にとって最も大切な製品

    ・多数の実験を行い、機会をうまくとらえ、うまくいったものを残し、うまくいかなかったものを手直しするか捨てる

    ・採用するアイデアは本質的に新しいものでなければならない。社会のニーズに合致し、まともな問題を解決するもの。いくら革新的でも、製品にならないもの、いつか誰かが用途を探し出すはずのものには、3Mは興味を持たない。ポストイットの開発には偶然の積み重ねという部分があったとしても、その開発を可能にした3M の環境は、偶然の産物ではない。

    ・進化による進歩を促す5つの教訓

    1. 試してみよう。なるべく早く
    2. 誤りは必ずあることを認める。
    3. 小さな一歩を踏み出す:何か革新的なことをやりたいのであれば、実験する許可を求めるのが最善の方法。
    4. 社員に必要なだけの自由を与えよう
    5. 重要なのは仕組みである。着実に時を刻む時計を作る(優秀な技術者として認められたいのなら、自分の技術を社内全体に広める)

    ・P&G は最高の人材、製品、マーケティング組織を持っているので、P&G の最高のもの同士を戦わせる。市場に十分な競争がないのであれば、内部で競争する仕組みを作る。
    ・ボーイングは、管理職に、競争相手の立場に立って、ボーイングを壊滅させる戦略を立案する。競争相手が利用できるボーイングの弱点はどこにあり、どのような強みを利用し、どの市場なら簡単に進出できるか?こうして作られた戦略に基づき、とるべき戦略を考えていく。

    1. 全体像を描く:ビジョナリー・カンパニーは基本理念を維持し、進歩を促すために、制度、戦略、戦術、仕組み、文化規範、象徴的な動き、CEO の発言全てを何度も繰り返す。

    2. 小さな事にこだわる:従業員は会社と事業の、小さな細部に取り組んでいる。ウォルマートが一番下のレベルの従業員にも部門の財務報告書を渡しているのは、「会社のパートナーであり、当社は皆さんが自分の部門を自分自身の小さな事業だと考えて経営するよう願っている」というシグナルを送っている。従業員は職場環境にあるシグナルなら、全てを認知し、自分がどのように行動すべきかを考える材料にする。従業員は小さな事を見逃さない。ささいな点に言行不一致があると、それを見逃さない。

    3. 下手な鉄砲ではなく、集中放火を浴びせる:ビジョナリー・カンパニーはいくつもの仕組みや過程を互いに強化しあい、全体として強力な連続パンチなるように仕組みや過程をもつ。

    4. 流行に逆らっても、自分自身の流れに従う:「これは良い方法なのか」ではなく、「この方法は当社に合っているのか、当社の基本理念と理想に合っているのか」。

    5. 矛盾をなくす

    6. 一般的な原則を維持しながら、新しい方法を編み出す:ビジョナリー・カンパニーになるためには、基本理念が必要。また、進歩への意欲、基本理念を常に維持し、進歩を促すように、全ての要素に一貫性がある。
    ・一貫性を達成する作業は終わりのない過程。矛盾が出てきたら、早くなくす。矛盾はガン細胞と考える。組織の全体に広がらないうちに、早く切除する。

    <引用>

    ・起業家のようなやる気と創意工夫がない者は、理念を受けつけない者と変わらないほど、失敗する確率が高い。

    ・顧客の要求に従っていけば、基本理念から離れてしまう場合、顧客の要求を無視する。顧客に密着するのは正しいが、それによって基本理念を犠牲にしてはならない。

  • 言わずとしれた名著。

    だらだらとした説明は書かない。

    自分にとっての「バイブル」です。素晴らしい。

  • 誰も大人にならない世界の作り方 - 読んだものまとめブログ http://t.co/0szFTkN via @sadadad54

  • かの経営本名作ビジョナリーカンパニーを読み終わった。

    “時を告げる預言者になるな。時計をつくる設計者になれ。”

    数多グッドカンパニーとビジョナリーカンパニーを分ける差異はどこにあるのか。本書が突き止めた唯一の真理はつまるところここにある。

    どんなときも時間を正確に把握している天才がいたとする。その人に時間を聞けば正確な答えが返ってくる。
    けれど経営という視点から見れば、時を告げる一人の”天才”よりも、みんなが使える時計という”仕組み”の方が圧倒的に価値がある。
    何十年も業界のトップをひた走り続けている企業は、要するにこの仕組みが素晴らしく充実しているがゆえに、ナンバーワンなのである。

    だけど僕は思った。
    時計のような目に見える物を作るのと、組織など目に見えない仕組みを作るのとでは勝手が違う。

    僕は小さいころこんなことを考えていた。
    小学生が遠足などで一列に並んでいるとき、先生が生徒に「帽子をかぶりなさい」という指示を伝えたいとする。

    先生は、
    「『帽子をかぶりなさい。』後ろに伝えて。」
    と先頭の生徒に言うだろう。

    すると先頭の生徒は、
    「帽子をかぶりなさい。」
    と2番目の生徒に伝える。

    すると2番目の生徒は、
    帽子をかぶるのだ。

    僕の言いたいことが分かるだろうか。先生が「『帽子をかぶりなさい。』後ろに伝えて。」と言った場合、生徒が額面通りにその言葉を受け取ったとするなら、「帽子をかぶれ」という命令は生徒2人までしか伝わらないのだ。

    そこで先生が、
    「「「帽子をかぶりなさい。」と後ろに伝えて。」と後ろに伝えて。」
    と言ったとする。

    すると先頭の生徒は、
    「「帽子をかぶりなさい。」と後ろに伝えて。」
    と2番目の生徒に伝える。

    すると2番目の生徒は、
    「帽子をかぶりなさい。」
    と3番目の生徒に伝える。

    すると3番目の生徒は、
    帽子をかぶる。
    ここで終わり。

    つまり生徒が額面通りに言葉を受け取った場合、先生は「帽子をかぶりなさい」というメイン情報の後ろに「後ろに伝えて」という情報伝播のためのメタ情報を生徒の人数分つけ加えなくてはならないわけだ。

    もちろん先生が全生徒に聞こえるようにでかい声で命令すれば済む話だ。だけど僕が言いたいのは、膨大な量のメタ情報を不随するにしても、でかい声で命令するにしても、それを実行すること自体が実際の組織マネジメントの現場では難しいのだろうということだ。

    このあいだリクルート社員が大量に辞職したニュースで、リクルートもかつてのようなベンチャー精神が失われつつあるという記事を見たことがある。
    リクルートでさえもあの規模になるとあそこまでの決断をしなければ新鮮な組織風土を保てないのだろう。
    少し気を緩めれば腐敗の影が忍び寄るのが人間の性なんだ。

    それでは、社員全員が同じ方向を向くにはどうすればいいのだろうか。
    経営者がメタ情報を大量に付随して命令するだとか、とんでもなくでかい声で命令するしかないのだろうと僕は思っている。
    より末端の社員にまで浸透するようなメッセージをリーダーが発することができるか。
    つまり、経営者にカリスマ性は必要だということ。
    (本書は経営者にカリスマ性は必ずしも必要ない、むしろ足枷になる場合が多いと主張する。)

    本書では、理念の明文化などがキーワードにあげられているけど、僕は、あくまでも僕は、規則のように書かれている言葉よりも、人間の発する言葉の方が心を動かされる。
    大企業にはもちろん優秀な人材が集まるので、自発的に企業理念など意識して行動ができる人が多数いる。だけど、肝心の優秀な人材を競合に奪われてしまっては、明文化された理念などあっても絶対にうまくいかないと思う。
    事実ピックアップされている企業は、新規参入の難しい業界が多い。そういった業界では優秀な社員を囲い込みやすい。

    逆に新規参入の容易なインターネット業界においては必ず経営者のカリスマ性が重要になってくると思う。

  • ・長い年月に渡って繁栄を続けるのはどのような会社なのか?
    ・「理念を持ってそれを貫く」「柔軟かつ変化に対応する組織を作る」「創業者だけでなく未来の経営陣や従業員の全てが熱狂的になる」「現状に一切の満足と妥協をしない」などの特徴があげられる。
    ・本書で取り上げられているが2000年代以降に凋落してした企業(ソニーなど)は、それまでと直近10年間の違いを考えるのも面白い。

    内容の素晴らしさは実際に読んでもらうとして、方法論とプレゼンテーションの素晴らしさだけをコメントしたい。
    この本は、納得性のあるケースセレクション、インタビューや定量分析を組み合わせた調査設計の厳密性と言った点で、極めて高い学術的な基準をクリアーしていると同時に、本の全体の構成の分かりやすさ、そしてあまり学術的な書き方ではなく、生の経営者の言葉などを引用した生き生きとした文章になっている。きわめて、アメリカ的な実証科学と説得技術が高度に融合した本だと思う。名著です。

  • 再読。名著すぎる。経営者を目指す者も、そうでないものも、必読。

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