- Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877285852
感想・レビュー・書評
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村上龍が40台半ばの頃に幻冬舎のために20日で書き下ろした作品。パラレルワールドの日本は、ジャパンアズナンバーワン的な著者の願望を反映した世界。完全無欠の日本軍とともに行動するCNN記者の視点で物語が進行する。戦闘シーンの描写、ウィルスに感染した人間が発症するシーンの描写は悪趣味なぐらいスプラッターだった。全体としては平成初期の日本のリフレクションって言えるんではないかと。
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面白かった!
シンプルな事だけど大事なことを教えてくれる。ハッとする。UG兵士かっっっこいいなぁ。毎日毎日うじうじいらいら悩んでる自分が馬鹿みたい。大事なことはもっと目の前にあるのに。
私は五分後の世界よりヒュウガウイルスの方が楽しめた。Ⅰを読んだ上でだから状況が何となく掴めてる上にⅡで端的に補足説明してくれてるからわかりやすいし、ドラマティックで読みやすかった。でもどちらもまたもう一度読みたい。コウリーとミツイの関係性を想像するのが楽しかった。最後コウリーがまさか。。でもそれって。。。なんて想像しちゃったりして。。
恐ろしいウイルスで人々が次々感染し死んでいく。
コロナ禍に読めたのもよかったかも。危機感なくぼんやり生きてたらだめなんだよね。
アンダーグラウンドの世界が想像するのは難しいけど地下にそんな、たくさんの、トンネルがあって人が住んでて……ってその世界観が面白すぎる。読むのに時間かかるけど、Ⅲもあったら絶対読みたいのになぁ。
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「他の場所やよその国へ旅をしてみたいと思うことはないのですか?」
「行ってみたいと思います。 でも、すべてのことを実現できるわけではありません、 一番に大切なことを実現して、他はその後です」
「一番に大切なこととは何ですか?」
「自分が一番大切に思う人間と共に、その日を生き延びることです」
「二番に大切なことは何ですか?」
「大切なことを、それを知らない人に伝えることです」
UG兵士はシンプルな原則で生きている。最優先事項を決め、すぐにできることから始め、厳密 に作業を行ない、終えると次の優先事項にとりかかる。 悲しい時にただ悲しい顔をしていても事態の改善はないことを彼らは子供の頃から骨身に染みて学んできたのだ。アメリカのテレビでのおなじみの光景、災害や事故や犯罪の現場でレポーターが被災者や被害者の家族に聞く、悲しいですか? 悲しいでしょう? 最優先事項がなく退屈な人々はそれを見て今自分が悲しくないことを確認して安心する。
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何度読んでも面白い!私の好きな作品の一つ。
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戦闘描写の勢いと、コウリーの思考がリンクした臨場感がすごい。
感染、発病のプロセスも映像を見ているかのように想像できた。
しっかりと裏付けをとった、化学的な事実をもとにしているのも好印象。
免疫系の知識が全くない人だと、読むのが大変だと思う。
圧倒的な予算をかけて映画化とかしてほしいなー。
このシリーズ好き。 -
1996年5月8日 第一刷 (これも文庫ではないんだけど、文庫も欲しい。) 再読
5分後の世界Ⅱですので、世界観を見失う前に連続で読まないと。
致死率が100%に近い未知のウィルス「ヒュウガウイルス」と生存への戦いを挑むUGの日本人兵士。
それはもう、美しいほどに屈強で聡明。
作品内のウィルスはフィクションであるが、生物学的な情報はかなりの取材とプロの監修があったと思われ、緊張感が続く。
20年以上前の小説なので、多少の学術的差異はあるだろうけれど、コロナ禍での医療逼迫を経験した現在でも充分楽しめる。
もう、続き書いてくれないのかな。 -
コロナに翻弄されてる今読むとさらに感慨深いな。圧倒的な危機感を持っているかが生死を分かつのはまた皮肉が効いてる。単純にアンダーグラウンド日本の続編が読めたのも嬉しい。なんかいろんな暗喩があるけど、エンターテイメントとして楽しんだ。
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新型コロナウィルスが流行している今、正に読むべき名著。この本がたった20日間で書かれたということに驚く。
さて、本作においてパンデミックをおこす「ヒュウガ・ウィルス」は、致死率99%を誇る凶悪なものである。しかしウィルスには善意も悪意もない。ウィルスは遺伝子の流動性を高め、ただ進化を媒介する役割を果たすだけなのだ。作中に登場する架空の向精神薬「向現」は、副作用のない完璧な薬物である。そしてこの薬物の精製にもウィルスの関係が示唆されている。つまりウィルスはある種、人類、はたまた生物全体への福音でもあるのだ。
現実問題と絡めると、ヒュウガ・ウィルスはその致死率等から考えて、コロナウィルスというよりもエボラに近い。だが、パンデミックというのはその原因に類似性が認められるのである。
その類似性の一つが、感染流行初期の情報統制である。ヒュウガ・ウィルスは政府の介入を受けない歓楽都市「ビッグ・バン」で発生した。政府の介入を受けないからというだけの理由ではないが、感染症の流行は隠蔽され、潜伏期間にある人々が世界中に広めてしまった。これは新型コロナウィルスにも大いに当てはまることであろう。
『五分後の世界』では、日本は戦争でしか世界と繋がっていない。それが感染流行を抑えられなかった一つの要因であると言えると私は思う。しかし現代は平和で世界と繋がっている。ならば今後の感染症対策には、平和の維持と情報の共有が必要を進めることが必要なのである。そのことをひしひしとか感じさせるのが本作だと思う。
てかUG兵マジかっけえ。
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前作を超える内容だと思った
免疫システムの比喩は文学的に完成度も高いし、ウィルス学への取材もしっかりしている -
続きである必要があるのか、
あえて説明くさくなる
外部の記者目線である必要があるのか、
と思いながら淡々と読んでいたものの、
最後にあ、やっぱり繋がっていたんだ、
と思った。
全力で生き延びている?