いま、地方で生きるということ

著者 :
  • ミシマ社
3.69
  • (38)
  • (81)
  • (61)
  • (11)
  • (5)
本棚登録 : 859
感想 : 96
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903908281

作品紹介・あらすじ

3・11の震災以降、日本中の誰もが、「住み慣れた地」を離れる可能性について向き合わざるをえなくなった。
東京出身の著者は、以前から「どこで生きてゆくのか」というテーマを抱えていた。
が、今回の震災を機に、地方で生きることの意味もまた変わった。
そうした思いをもとに、この5、6月に東北・九州を取材してまわった著者は、そこで何を訊き、何を感じたか・・・。
「どこで暮らし、どんなふうに生きてゆく?」
「都市」に対する二項対立ではない、「地方」とそこに生きる人をとらえる、本邦初の本。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本を読んで
    これからあたらしく住むまちでどんな誇れるヒト、モノ、コトにわたしは巡り会えるだろうか。

    きっと東京じゃない地方に住まうということは、その逆も然り、自分には持て得なかった新たなものさしを手に入れられるということなんだ

    そう思った
    3.11震災の時期に刊行された本とのことで津波で失った過去を受け入れてそれでもいまいる場所であきらめずに生きていくひとたちを取材された対談記事ですが、目頭が熱くなった。

    金沢の今の被災者の方々も、県外の自分から見て不幸であり可哀そうな人ではない。
    そこに住み、地震が来たのも運命であり抗いようがなかった脅威であり、現実。
    だけれど、何か助けてほしいことはある?
    という、半ば他人行儀な上から支援ではなく、

    それぞれの場所で今居るまちで、リスペクトできる存在や環境をたくさんつくってふれあいのなかで誰でも自分の足と意思で叶えたい未来を掴んでいける、
    そんな働きと住まい方を暮らす街で市民感覚で広げていくこと。
    そして被災地にも観光に脚を運ぶこと。
    そんな営みが遠くで頑張る誰かの勇気と原動力になるんだろうな。

    新天地、新しいものさしで誇れる人と環境に出逢っていきたい。

    お金で測ることのできない豊かさは、いかにその場所に誇りを持てるか
    身近な人を尊敬できているか
    これが都外の暮らしの豊かさだという著者の言葉を改めて胸に留めたい

    自立していなければ周りのことも真に励ますことはできない。

    このような言葉も共感。良かった。
    誰かに頼っていいし、ひとは一人では決して生きられないから辛い時は依存先に甘えたり荷物を分け合ってもいい。
    けれど最後は自分一人で決めて責任を取り人生を歩くしかない。
    どこにいても働けるスキル(指圧と紡ぎ)を磨き上げて、一人で地に足をつけるけど、二人なら200倍しあわせだよね、と共に美味しくごはんを食べながら生きていきたくなりました。

    今の機会に読めてよかった

  • タイトルから想像してたのとはちょっと違って、東日本大震災後に活動した人たちの話だった。
    印象的だったのは、幸せを追い求めることをやめたらいいのにといったことが書いてあって、どういうことなのかもうすこし詳しく聞きたいなと思った。

  • 自分の暮らしと生き方を考える素材に。自然学校系の人の話が多く出てくるのが意外だった。サラッと読めて大事にしたいキーワードを確認するのに良い。

  • 本当に地方で生きてみたいのか、正直よくわかっていないけれど、まぁとりあえずやってみよう!おもしろそうだなぁと思えてくる。

    優しく背中を押してくれる、そんな本。

  • いろいろな人の体験考え方がつまったもの。
    普通に生きていたら考えられない価値観。
    地域の人と仲がいいことでお金の感覚、人との関わり方が都会とここまで変わるんだなと思った。

    少し専門的言葉が多かったけど逆に調べたりしたからためになったかな笑




    心に残った言葉

    成長とは
    自分が安心していられる領域が広がることです。


    ボランティアという名目はおかしい
    人に可哀想とかいう権利ない

    幸せになりたいというアイデアを手放しさえすれば
    どこでも十分に生きていけるんじゃないか

    人間の自由度
    失敗してもかまわないからみずからの感性と体で即断でどんどん動いていくという行為
    ↑都心では許可がいることが多い
    生命としてのナチュラルさ

    誇り
    尊敬し合う感覚
    誰からも気持ちよく過ごせる感覚

    何もなくてつまらないじゃなくて
    同じようになることがつまらない

    本当の豊かさとは
    どれたまけその場所に誇りをもてているかということ、身近な人にどれだけ尊敬できているかということ

  • 九州編を拾い読み。

  • 地方での生き方、考え方がある。地方が、都会を真似る必要はなく、地方らしさを出すことが一番大事だとよくわかる一冊。田舎から都会を経験して、結局自分は…的な内容もあり、いろいろ考えさせられる。

  • たまに響くフレーズがあった。

  • 自分が何かをしたくてやるのではなくて求められたことをやることが仕事である、そういう意味で仕事は地方にまだまだある、みたいな感じに印象に残った。

  • 「地方で」とあるけれど。
    これは、「どこで生きて行くの?」問いかけだと思った。

    震災があって
    原子炉の根本的な課題が明らかになった

    どの原子炉が臨界を迎えても
    日本全国どでこでも影響を受ける可能性があるという事実

    安全な場所?
    そんなのないよ

    そこから話を始めようと。

    何処で生きて行こう
    それはある人にとっては生まれた場所
    ある人にとっては自然のある場所
    あるいは一番命にとってよい場所
    それとも縁があって好きになった場所

    どこでもいいんだ
    何処で生きて行こう

    そこに根を下ろすように
    生きて行くだけで

    働くという営みが自然とついてくる
    歩みに結果が後からついてくるみたいに

    逆になっていく
    「ここで」と決めた場所から 与えられるものが仕事

    それは「土地」と「自分」とを接点にして関わっていくということ

    どんな場所で生きていたい?
    どんなふうにしていきたい?

    それは あなたの手の中にあるということ

    ここででしか生きて行ってはいけないなんて
    誰も言ってない

    そう。もはや誰にもそれは言えなくなった

    だから、あなたの選んだ場所が
    なによりも大事

    あなたが「ここで」と決めた場所で
    どうか、生きて

全96件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1964年、東京生まれ。武蔵野美術大学卒。建築設計の分野を経て、つくること・書くこと・教えることなど、大きく3種類の仕事に携わる。デザインオフィス、リビングワールド代表。多摩美術大学、京都工芸繊維大学非常勤講師。働き方研究家としての著書に『自分の仕事をつくる』(晶文社/ちくま文庫)、『自分をいかして生きる』(ちくま文庫)、『自分の仕事を考える3日間 Ⅰ』『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』(以上、弘文堂)、『かか
わり方のまなび方』(筑摩書房)など。

「2011年 『いま、地方で生きるということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西村佳哲の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×