今日は誰にも愛されたかった(1200円+税、ナナロク社)

  • ナナロク社
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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784904292914

感想・レビュー・書評

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  • 詩人と歌人が、その詩と短歌を詠んだ背景を語り合ってくれるのが有難い。

  • 詩と短歌の連詩。連詩って読んだことなかったから面白かった。
    感想戦も面白い。いろんな思いがあったり、実は何も込めていなかったり、知らないところで繋がったり、離れたり、連想したり少し離れたり、3人が意図して紡いだ詩の後ろ側ってこうなってるんだ…!

  • 私の好きな御三方はこうやって歌を詠んでいるのか…と感動しました、ありがとう…………

  • ことばとは皆のものであり私のものでもある。私のものであり皆のものでもある。そんな「言葉」×「個人」の無限さが感じられた。
    対話形式で自分の想像と作者の意図との違いも、すんなり感じとれる雰囲気が好き。

  • 谷川と、ここ数年で気になり始めた歌人2人の連詩を元にした作品

    考えすぎる、深読みしようとし過ぎるきらいがあるのだけれど、いい意味でぼーっと読み進めることができた

    言葉を操る人たちの試行錯誤(と時に何も考えていないこと)が、連詩後の対談に表れていて興味深かった

  • 詩人・谷川俊太郎さんによる詩と
    歌人・岡野大嗣さん、木下龍也さんの短歌による連詩

    岡野大嗣さんの短歌から始まり
    谷川俊太郎さんの詩
    木下龍也さんの短歌
    谷川俊太郎さんの詩
    岡野大嗣さんとくりかえされる

    ベランダに見える範囲の春になら心をゆるしても大丈夫

    という春の日の光景から始まる短歌が
    最初は恐る恐るつながっていったのが
    段々と飛躍し、広がっていくのが面白かった。
    ベテラン谷川さんの詩が間に入ることで
    「これもありなんだ?」「あれもいいんだ?」と
    なっていくのが目からうろこ

    そして感想戦
    これがあるのが一番素晴らしい

    正直、詩も短歌もほとんど読んだことがなく、詠んだことも勿論ないので
    味わい方が分からなくって、初読はさらさらと読み流してしまった

    感想戦を読むことで、この詩の、この短歌のこのフレーズにはこういう思いがあったんだなとか、この言葉を拾って、次の歌に繋がっていったんだなとか分かり
    やっと色々と理解が出来た

    初心者向けの一冊だなぁと思う
    全ての詩や短歌に感想戦が付いていたらいいのに~~

    ちなみにタイトルが秀逸

    今日は誰にも愛されたかった

    岡野さんの短歌の一部だが、絶妙な引っかかり方をして印象に残る

  • 詩人ひとりと
    ふたりの歌人による連詩が紹介されています。
    18編の詩と18首の短歌からなる連詩は、
    約4カ月をかけてLineを使って紡がれたそうです。
    また本書では作者3名による対談という形式で、
    それぞれの作品に関する思いが語られています。
    言葉を操ることを生業とする方々の、
    思考や技法を垣間見ることができました。
    タイトルの〝誰にも愛されなかった〟ではなく、
    〝誰にも愛されたかった〟も良いですネ。


    べそかきアルルカンの詩的日常
    http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
    べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
    http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
    べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
    http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2

  • 鼎談の解説が良かった。連詩という形式もはじめて知った。

  • 詩人・谷川俊太郎と歌人・岡野大嗣、木下龍也の3名による詩と短歌の「連詩」が収録されている。連詩というジャンル自体ほとんど味わったことがなく、まして詩と短歌という異なるジャンルで織りなされる連詩をどう読めばいいのか――最初は気負って読み始めたものの、あまり頭でっかちにならずに触れるのが正解な気がした。

    谷川→木下→谷川→岡野……という36作の詩と短歌の応酬によってつくられた連詩は、どこか不思議で楽しい詩情のやりとりだ。度々登場する謎の人物「市川」に代表されるように、随所に遊び心が散りばめられていて、この3人だからこそ生まれた作品なのだなと思う。

    創作中の振り返りである「感想戦」は、また読み応えがあっておもしろい。岡野による第一詩の生みの苦労や、大御所である谷川からどんな詩が繰り出されるのだろうという歌人たちのドキドキ、若手を翻弄する老獪な悪戯心の種明かし、なぜこの言葉を選んだかの解説とそこへのツッコミ、タイトルがつけられるまでのやりとり……と、連詩が生まれていく過程の実況中継には、ここでしか知り得ない貴重な知見が散りばめられている。進行者が連詩のお作法について尋ね、谷川が大岡信の言葉を咀嚼しながら詩作への考え方を開陳するといったやりとりも、とても勉強になった。

    連詩のなかで特にいいなと思ったものを引く。

    「まぶしさに視線を折られぼくたちは夕日の右のビルを見つめた」(木下)

    「四季が死期にきこえて音が昔にみえて今日は誰にも愛されたかった」(岡野)

    「火で終わるのも水で終わるのも災害の一語ではくくれない 戻らない人々を祝福するために俗に背いて詩骨をしなやかに保つ」(谷川)


    特に結詩の「詩骨をしなやかに保つ」という感性は大切にしたいなと思う。「詩骨」という強く意味深い造語でまとめてしまう谷川の技量には、真剣で向かってくる若者を木刀で鮮やかにいなす老師範との乱取りを見ているような気持ちになった。

  • 初めて連詩というものに触れた
    何なら、歌人の人の本を開いたのが初めてかも
    谷川俊太郎さんはあまりにも知名度があるし、教科書などに載っているような詩は触れた事があるけど
    言葉遊びというか、ニュアンスを汲み取るというか、読み手が自由に受け取ってもいいし、作者達のイメージを聞いてから情景を思い浮かぶのでもいいし、という読み方が面白かった

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。詩人。1952年、21歳のときに詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など幅広く活躍。主な著書に、『谷川俊太郎詩集』『みみをすます』『ことばあそびうた』「あかちゃんから絵本」シリーズ、訳書に『スイミー』等がある。

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