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- / ISBN・EAN: 4988013706941
感想・レビュー・書評
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あまり期待せず見たが、心境に共感できるものばかりだった。引っ越しばかりで居場所がないことや愛想笑いで切り抜けて本心を言えなかったことなど。最後の恋愛がすれ違ってしまった終わり方は一見切ないけど、縁がなかったということ。出会うために別れがあると作中でも言っている通り、新しい素敵な出会いがあったらいいなと感じた。
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ピエールに邪気が足りない
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100万円の貯金を区切りに、
逃げるように転々と暮らしている前科持ちの鈴子。
遠い沿岸部へ行き海の家で働いても、
森の近くの桃畑で住み込みで働いても、
次第にどこか生きづらさを感じてしまう。
次に訪れた、東京から少し離れた小さな街で
同い年の中島くんと出逢って恋をする。
中島くんの態度は、鈴子が前科持ちと知っても
変わらなかったし、これまでの周囲の人達とは
ちょっと違っていた。鈴子が中島くんの家の
ベランダに植えてあるネギを見て初めて笑った時は
次、百万円が貯まったとしても、鈴子はこの街で
ずっと生きていくのかなと期待してしまっていた。
でも、鈴子も中島くんも自分の気持ちを抑えて
変に優しくしすぎてしまった。離れ離れになった。
個人的に最後は、中島くんの誤解が解けて
二人が元に戻ってくれたらと願っていたけど
まだ二人とも21歳だし、これから先のことを思うと
今ここで、トントン拍子に解決して元に戻るのは
映画としてはあまり納得できない。
だから、すごく切ないけれど、最終的には
この終わり方で良かったのかもしれないと思った。
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蒼井優と森山未來のセリフの掛け合い演技が素晴らしい。
現実によくありそうな巻き込まれ系の不幸、都会、海、山、どこに場所を変えても歯車がうまく噛み合っていかない感じが、上手に表現されていたと思う。
演技派ばかりだったので、弟役の演技だけが、ちょっと残念だった。 -
タナダユキさんのお父さんと伊藤さんを観て、タナダユキさんといえば百万円と苦虫女昔なんども見たなと思い出して登録。
蒼井優が好きで見つけた一作。
当時は鈴子の生き様がすごい好きで、そう生きたいと、ものすごく憧れてた。
今は違う場所に立っているけれど、若かりし頃のわたしにとってはとても支えとなる一作だったし、今もきっと誰かにとってのそれなのだろうと思い出す。
シャバダバシャバダバ〜
友だちと登山をしてたら、友だちが突然歌い出したのがなんか、嬉しかった。
ありがとう、鈴子。
そしてこれからも誰かを照らしてね、鈴子。 -
ちょっとした旅に出たくなって、でもあの彼にイライラして、雰囲気が好きな映画
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見ようと見ようと放っておいたら、いつのまにか10年経ってました。
蒼井優演じる主人公が、いろんな場所をさまよい住み、そこで出会う人間との様々を描いたロードムービーです。
各地で、なんともいえない濃さの関わりが生まれるのが絶妙でした。通りすがりの他人よりかは濃いけれど、決して親密にならない。だけどきっと、彼らは主人公が去ったあとも、ふと彼女のことを思い出すんじゃないだろうか、というような距離感。
脇を固める俳優陣が見事です。特に桃の村。
笹野高史さんと佐々木すみ江さんは、何をやらせても、どんな方言を話させても、まるで長年そうしてきたかのように見えて、すごいなーと唸りました。まったく映画には写っていないのに、彼らにはきっとこれまでの人生があるんだろうなと匂わせるあたりが、本当にお見事です。
実は、これまで森山未來の良さがあんまりわからなかったのですが、今回はじめて、あの甘酸っぱい恋の始まりに悶絶させられました。初めての告白、初めての手繋ぎ、からのあの展開はまったく予測していなかったので、見事にだまされました。
最後の最後も、もしかしてまとまるのか?と思いきや、視覚トリックを使っていて。蒼井優の最後のセリフと、その直前の透明感のある濁った顔が素晴らしかったです。透明感があるのに純真ではなさそうで、冷たそうなのにどこか人情味がある蒼井優の佇まいがぴったりでした。
どんな映画、と簡単に説明できない感じとか、最後どうなるの、の解釈が人によって違いそうな雰囲気がすごく好きでした。 -
人生。