ヨルガオ殺人事件 下 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]
- 東京創元社 (2021年9月10日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (413ページ)
感想・レビュー・書評
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前作のカササギから間をおかずに読んだのは、カササギケースがきれいな形で調って終わったので、次作をどう展開するか気になったため。
で、読んだのだけど、カササギの逆の構成を辿ると予想できたのと、グリコキャラメル的展開はやっぱりうれしいですね。
どちらに重点を置くかにもよるけど、このヨルガオも前作同様、両方とも重要なため、読了感は大変充実度が高い。
あと、このシリーズ、あまりインターバルを置かずに集中して読むのが吉です。登場人物が必然として多くなるのには、光文社古典新訳文庫のように巨大しおりがあるといいけど。
出来栄えは前作同様すごく面白くおすすめです。動機や怪しいことするキャラが多く、犯人を絞り切らない中でちょっとしたサスペンス、その後に謎解きですっきりという流れは、王道だけど心地よかった。
ホーソーンの方も十分面白いけど、やっぱこっちの2作の方が自分的にはダントツかな。しばらくミステリはお腹一杯かも。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
英国の脚本家・作家のアンソニー・ホロヴィッツの推理小説。「カササギ殺人事件」と同じ世界観のシリーズ第2作!
前作「カササギ殺人事件」は、たっぷりの分量のアガサ・クリスティ風味の小説内小説が楽しめて、それを元に現在起こった殺人事件の謎を解くというもの。主人公は、その小説内小説の作家(アラン・コンウェイ)の担当編集者スーザン。
今作は、前作で編集者を辞めてしまっていたスーザンの元に、アラン・コンウェイの過去作にまつわる失踪事件の依頼が舞い込むところから始まる。
そして今作でも、まるッと1話分の小説内小説を読みながら、現在進行形の失踪事件と、過去の殺人事件の謎を推理する、という形を踏襲している。
小説内小説と現在進行形の事件と、2つを頭の中で行き来して推理できる面白い趣向の小説を、またまた楽しませてもらいました。
第3弾も描いてくれそうな気がするので、期待して待っていよう。アンドレアスの元に戻ったスーザンの気持ちが、またちょっと変化した時に、新しい事件が起こる…のかな?
そうそう、解説には、ホロヴィッツの別のシリーズ「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズの第3作も英国では発表されているようで、日本語訳、早く発売されないかなー。
そして、前作「カササギ殺人事件」のドラマ化が予定されているとのこと。現代のスーザンやアンドレアスやアラン・コンウェイ、そして小説内小説のアティカス・ピュントがどんなふうに実写化されるのか楽しみ。もちろん、脚本はアンソニー・ホロヴィッツ本人が手がけるらしい。
めっちゃ楽しみ〜! -
このミス海外編2022年版1位。カササギ事件シリーズ2作目。
長すぎて死にました。
前作は自分でも高評価を付けてるのですが内容は全く覚えてなくって、本作と同様に作中作のある入れ子構成になってるって後から知りました。
本作は本編の最初の段階で登場人物の多さについていけなくなったところで、作中作が始まってしまいすでに訳が分からん状態になりました。
気を取り直して作中作部分はそれが面白いかはよくわからないけど、なんとか読み進めれたのですが、それが終わった時点で本編のことはすっかり忘れてて、後半はかなりきつかったのです。
すごく凝った作りで良くできた作品だとは思いますが、自分の読解力ではすでに無理な領域でした。 -
作中作がより面白かった。
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上下2.8
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2023.07.27
読み通すのに疲れる人もいるかもしれない。それくらいミステリを丹念に書き込んでいると感じる。救いのない結末と主人公にとっての結末との対比がなんとも切ない。 -
なかなかどうして、楽しく面白く読めました。
前作同様作中作を駆使しながら現実を侵食し、その果ての真実はエグい。