二周目の恋 (文春文庫 わ 17-50)

  • 文藝春秋 (2023年7月5日発売)
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「最悪よりは平凡」島本理生
顔は平凡だけど体がグラビアアイドルなみの魔美は、こんな名前をつける親に育てられたという心の傷と、しょっちゅう男性から誘いをかけられる体質。彼女にとっての幸せな恋愛は?
「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
大学生の可那は気になっている男の子に手作りチョコ前日に思いつきあげようとするけど、料理スキルなく、買い物から四苦八苦。オチ秀逸だった。
「フェイクファー」波木銅
主に着ぐるみ作る手芸サークルに入っていた男子の回想。仲間が一人死んだという連絡入る。
「カーマンライン」一穂ミチ
私が五歳の時、母は父と死に別れたアメリカから日本に戻ってきた。双子のケントをアメリカの、父の実家に残して。もちろん、その後は疎遠。大学生になり、ケントが母を訪ねてくる。
「道具屋筋の旅立ち」遠田潤子
優美は短大を出たばかりの、綺麗な細い女性。でも、母親は優美と父に異常にご飯を食べさせる人で、高校始めまで太っていた。そんな優美が付き合っている誠が大学で大食い大会やるという。
「無事に、行きなさい」桜木紫乃
シェフの男と、インテリアデザイナーのミワと新しくオープンしたビストロに来てくれた出来るアルバイト、大人の関係。
「海鳴り遠くに」窪美澄
夫を亡くして千葉の片田舎に持っていた別荘に引きこもった女性が、隣家に絵を描きに来た女性画家と親交深めながら結婚していたときの心の傷と向き合い、新しい恋を始めていく。
最悪より平凡!丁度、久しぶりに(流石に年をとった)飲み屋で知り合っただけのおじさんから奢られ、誘われるという体験をした直後だっただけに、あー、こういう目に合う女性って一定数いるんだろうなー、と共感深く読んだ。断れないとか、怒られないとか、オーラで分かるんだろうな、きっと。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書室
感想投稿日 : 2023年11月20日
読了日 : 2023年11月16日
本棚登録日 : 2023年11月16日

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