- 戦国日本と大航海時代 - 秀吉・家康・政宗の外交戦略 (中公新書 2481)
- 平川新
- 中央公論新社 / 2018年4月18日発売
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★★★★☆ 星4つ
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秀吉・家康・政宗の実績から戦国時代の大名がヨーロッパ勢力とどのような関係を築こうとしたのか。最終的に鎖国という状態に落ち着いたのはなぜかを考察している。
新鮮だったのは鎖国ができたのは戦国日本にはヨーロッパ勢力との外交関係を断つだけの戦力が存在していたという考え方だったな。もし、戦力が存在しなければヨーロッパ勢力に占領されていたのではないかという考えは今までには聞いたことがない考え方だった。
まあ、そこにはヨーロッパ勢力が日本を占領する意味を見出していたという前提が必要になるんだけどね。
家康と政宗の関係に関する内容も中々に面白かったよ。
2019年8月25日
- 古典外交の成熟と崩壊I (中公クラシックス)
- 高坂正堯
- 中央公論新社 / 2012年12月7日発売
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★★★★☆ 星4つ
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ウィーン会議におけるヨーロッパ諸国の外交を扱っている。
私があまりナポレオン戦争の時代に詳しくないためわからない部分もあったが、各国代表が国家間の勢力均衡を図るためにかなり苦労していることが分かる。
また「会議は踊る」という言葉に多くの意味が存在していたことには驚いた。
2019年1月20日
- 戦国大名の「外交」 (講談社選書メチエ)
- 丸島和洋
- 講談社 / 2013年8月9日発売
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いやぁ〜、抜群に面白い内容だった。ちょうど大河ドラマで「軍師 官兵衛」を放送している事も影響しているだろうが、戦国時代の外交に詳しく触れている本を読んだことが無かったからな。
これを読んだだけで、今までに読んできた歴史小説に出てきた起請文とかを詳細に理解できた。
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特に興味深かったのは「取次」という役目だと思う。大名毎に決められた家臣が外交を担当していて、担当大名との関係が自らの発言権にも繋がるとかには驚いたよ。
「本能寺の変」も光秀の取次に関連があるかもしれないとしれた事は新しく知った事だ。
「軍師 官兵衛」で官兵衛が織田との外交を全て引き受けているのも小寺家内の織田担当の取次だったのかもしれないな。最終的に小寺家から織田家の家臣になったのも小寺家が毛利側に着いてしまい発言権を失ったと言う事もあり得るのだろうか?
2018年12月22日
- 国際政治: 恐怖と希望 (中公新書 108)
- 高坂正尭
- 中央公論新社 / 1966年8月1日発売
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★★★★★ 星5つ
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50年前に発刊された本で、中に書かれた事例も戦前から戦後、冷戦期がほとんどだけど、国際関係がどのように変化してきたのかが分かりやすく解説されていた。この本を読むと国際関係が挫折と変革の繰り返しだということがよく分かる。人類は失敗を繰り返しているけど、いつかは安定した平和を保てる日が来るのだろう。
この本に書かれた軍備の均衡、経済の交流、国際機構の存在等が世界の平和にとっては重要であることが十分に理解できた。
2018年12月22日
- 満州事変から日中戦争へ: シリーズ 日本近現代史 5 (岩波新書 新赤版 1046 シリーズ日本近現代史 5)
- 加藤陽子
- 岩波書店 / 2007年6月20日発売
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★★★★☆ 星4つ
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最近は多くの本を読んだおかげで満州事変が「暴走する帝国陸軍」と「止められない日本政府」といった認識が誤りであることはぼんやりと理解していたが、この本で確実になった。
この本の内容は満州事変の発生以前から満州ひいては支那に対し、帝国陸軍、日本政府、世界の主要国家がどのような認識を持ち、行動してきたのかが書かれている。
ここで重要となる考えとしては主要国家が集合し、満州、支那等についての話し合いを実施する場合でも該当地域だけではなく、各国の国内状況や世界各国の植民地等の状況が各国の思惑を様々な方法に展開させるということだろう。
その結果、帝国陸軍、日本政府の双方は自分たちが望んでいる結果から大きく離れた結果となり、その改善するための行動が逆に改悪の方向へと進む悪循環が起きていたことがよく分かる。
しかし、帝国陸軍も戦争がしたくて満州事変を起こしたわけではなく、独自の理論で日本を守ろうとした結果の行動なのかもしれないが、政府から独立した行動する時点で既に日本のためではなくなっていると思うは私だけだろうか。
2018年12月22日
- オールコックの江戸: 初代英国公使が見た幕末日本 (中公新書 1710)
- 佐野真由子
- 中央公論新社 / 2003年8月1日発売
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★★★★★ 星5つ
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オールコックは以前に読んだ「大君の通貨」という書籍の中で開港地や為替レートの問題で幕府と激しくやりあった人物だったのだが、この本を読んだことで印象が大きく変わった。
この本でのオールコックは駐日総領事になる前は中国で長く領事を努めていたベテランで中国での実績を認められての初代駐日総領事に任命されたこと。また、短期的な利益よりも長期的な利益を考慮し、英国と日本の良好な関係を構築することが両国にとっても良い結果になるという信念を持って行動していることがよく分かる内容だった。
また、日本国内を旅行し、日本の文化や風俗をつぶさに観察し、西洋人の視点から記録を残し、かなり良い印象を残していることは以外な事実だった。
さらには遣欧使節団の派遣に合わせて日本の万博への参加を促し、国際社会への第一歩を踏み出させてたという点で日本にとっては大きな一歩になったと思う。
最後に本書の中心的な内容ではないが通商条約できめられた神奈川の開港を横浜に交易に有利な都市を新たに構築することで既成事実とする手法は一般的な通説とは異なる老獪な幕府は印象に残っている。
2018年12月22日
- 幕末外交と開国 (講談社学術文庫)
- 加藤祐三
- 講談社 / 2012年9月11日発売
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★★★★★ 星5つ
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幕末日本が一般に知られているよりも海外情勢を把握し、幕藩体制を維持しつつ乗り越えることができるのか、何かしらの変革が必要になるのかを判断できていたことが本書でも触れられている。
本書では日本側だけではなく、アメリカつまりはペリー側から見た開国についてが書かれているのが新鮮で高圧的な態度で日本を開国させたというイメージだけど、本書を読む限りは他のヨーロッパ諸国に先駆けて日本との外交関係を結び、有利な立場を取るということに加え、大統領に宣戦布告の権限がないことから戦争を開始することはできなかったとう事は意外な事実だった。
また、幕府とペリー艦隊の関係もギスギスしたものではなく、お互いの妥協点を見つけ、すり合わせを行うという交渉を行っていることが印象的だった。
2018年12月22日
- 現代の国際政治 (講談社学術文庫)
- 高坂正堯
- 講談社 / 1989年12月5日発売
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★★★★☆ 星4つ
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米ソの冷戦時代の国際関係についてが解説されている。
この本に書かれている内容を考慮すると冷戦という国際関係は相互の不審感により、延々と長きに渡り続いたのだと思うようになった。二分化された世界の中で様々な危機を迎えつつも徐々に関係を改善し、冷戦解消へといたったこともよく理解できた。
ここから分かることは国際政治においては即決即断よりも粘り強く交渉することが相互利益のためになるということではないだろうか。
2018年12月22日
- 世界史の中から考える (新潮選書)
- 高坂正堯
- 新潮社 / 1996年11月26日発売
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★★★★★ 星5つ
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短めのコラムを集めたような内容だったことには驚いたが非常に読みやすかった。
各章のテーマは世界史、日本史を中止としているだけで内容はバラバラだけど、一つ一つが様々な事を考えさせる内容となっており、大変に勉強になった。
また、日本の初期政党政治がどのように生まれ、崩壊していったのかは現代日本でも十分に参考になるのではないだろうか。政党争いを繰り返したことで政治に無関心な人は増えたと思うが、一方で政治に過度の期待を持たずに冷静な態度で参加できるようになったかな?
2018年12月22日
- 大日本帝国の興亡〔新版〕1:暁のZ作戦 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- ジョン・トーランド
- 早川書房 / 2015年6月4日発売
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★★★★★ 星5つ
[感想]
大変に面白い内容だった。
この時代に関する内容は難しくなりがちなんだが、この本は大変に読みやすかった。
特に日米交渉のようすは他の本でも読んだ通り、開戦を回避する方向に心の中ではまとまっているのに実行することが出来ないジレンマがよく書かれており、当時の政府首脳の苦しも様子がよく書かれている。
この本を読むと政府が軍部を統制出来ていないということが、致命的な問題であることがよく分かる。また、国民が新聞などに煽られて自らの思考を停止してしまったことも政府に少なからず影響を与えているように思う。
現代では戦争に至るようなことはないよ思うが、戦争以外でもマスコミの報道内容をそのまま信用してしまうことはよくあるように思うが、そのようなことがないように国民が十分に気をつける必要があるね。
2018年12月22日
- 大日本帝国の興亡〔新版〕2 :昇る太陽 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- ジョン・トーランド
- 早川書房 / 2015年6月4日発売
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★★★★★ 星5つ
[感想]
日本は日米外交において追い詰められていたゆえに実現不可能と思われた真珠湾攻撃を詳細に構築し、訓練を繰り返し成功することができた。逆にアメリカを侮っている状態で実施されたミッドウェー海戦はこの戦争の流れを大きく変える結果となったという感じだね。
それよりも印象に残っているのは奇襲攻撃に拘る余りにギリギリまで宣戦布告を行わなかったことで日本が不名誉を受けてしまったということ、日本陸軍の捕虜の扱いの酷さも強く感じたな。日露戦争では捕虜を丁重に扱っていたのにどうしてこうなったのだろうか。
一部の作戦参謀が大本営からの嘘の命令で捕虜を虐殺しようとしたりと、全く擁護できないことばかりだ、天皇陛下の軍隊と自称していたが、行動が全くあっていないと感じたね。
2018年12月22日