他のレビューを読んで「救いがない」というコメントが常に引っかかりながらの読書だったけど、
すんなり引きこまれて読み進められました。
簡単にいえば「私」が過去に残した「悔悟」を、霊を呼び出してあらためる、というストーリーなのですが、
小さい子どもを持つ私としては、少年時代の友人の話は、読んでて涙が出そうになりました。
これはもう、ホントに救いがない…。
でも、青春時代の恋愛関連は「まあ、そうだよね」と思わせるオチ。
さすが浅田次郎さん、大変面白く読ませていただきました!
2013年11月30日
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停電の夜に (新潮文庫)
- ジュンパ・ラヒリ
- 新潮社 / 2003年2月28日発売
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久々に、短編らしい短編を読んだ。
「Oヘンリ短篇集」の、内容は忘れちゃったけど、骨太な作りの、あの作品を思い出させてくれた。
著者はあんなものすごい美人だから、よっぽど素敵な人生を送ってこられたのだろうと想像しながら読み進めたら、
繊細すぎる少女時代を経て、いろんなことに気づきすぎる多感な人になったのね。
日常の、なんとなくモヤモヤとした違和感を文章で表現する天才だな!
それはさておき、インド系移民の話がほとんどだったので、インド料理を食べたくなりました。
近所にはそんな気の利いた店もなく、食べに行くヒマもないので
とりあえずマサラチャイを作って飲みました。
2013年11月30日
「橋のない川」の中で度々登場した作品が、この「破戒」でした。
「橋のない川」はかなりの衝撃で、いつか「破戒」も読んでみたいと思いながらも、島崎藤村作品自体、読んだことがなかったので「難しそう」と敬遠していました。
が!
身構えていたよりもずっと読みやすく、そして引きこまれました。
恥ずかしながら日本の過去に確かにあった差別問題、知識もなく、身近に経験したこともなく(というのはとても望ましい状態なのですが)
「橋のない川」を読んだ私にも、衝撃的でした。
被差別階級の人が教師になっているということがバレたら…
という恐怖におののきながら生きる、というのがどんなに辛かっただろうと
想像するだに胸が痛みます。
そしてそんな方々が、ついこの間までたくさん、
そして今もそのような思いをしておられる方がいらっしゃるのだと
慄然とする思いです。
しかしながら、ラストはほのかに希望の光が見えて、さわやかな読後となりました。
数年後にまた再読したいです。
2013年11月30日
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食品の裏側―みんな大好きな食品添加物
- 安部司
- 東洋経済新報社 / 2005年11月10日発売
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食品添加物について、自分では気をつけていたつもりなのに
知識が全くないに等しいのだ、と気付かされました。
安くておいしければいい、食費は削ってナンボ、という考えを改めました。
最近はつい怠けて、だしの素を使ったりしていましたが、最近はいりこやかつお節でマメにだしをとるようになりました。
今日は「白だし」も自作してみた!
高くつくけど、本物の味を子どもたちにも覚えさせるのが親の責任だなぁ と思えるようになりました。この本に出会えてよかった!
2013年11月30日
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死神の精度 (文春文庫)
- 伊坂幸太郎
- 文藝春秋 / 2008年2月10日発売
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死神、ね。
いるかもしれないね。
伊坂作品をぶっ続けに読んでしまったので、ちょっと食傷気味だ。
でも、面白かったけどね。
2013年11月30日
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「食べない」健康法 (PHP文庫)
- 石原結實
- PHP研究所 / 2012年1月7日発売
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そうか! 確かに!
人間は何万年もの間、飢えに対応できるような体を作ってきた。
しかしながら、飽食に対応できる体にはなっていない…
という下りを読んで、いろんなことに合点がいった。
けどね、「粗食のすすめ」信者でもあるので、
朝食にりんごジュースと生姜紅茶だけ、っていうのは
やっぱり寂しいんですよね…。
1週間続けてみたけど、やっぱり飽きますね。
うちは夕食が早いので、朝はお腹ペコペコですもん。
たまに、夜遅くに食べ過ぎたとか、食欲がないときにジュースと紅茶の朝食はいいけれど、続きませんでした。
でも、食べ過ぎはイカンな、と肝に命じております。
2013年11月30日
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にっぽん怪盗伝 新装版 (角川文庫)
- 池波正太郎
- KADOKAWA / 2013年1月25日発売
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池波正太郎の、江戸時代の盗人を主人公とした短篇集。
盗人といっても、なんだか人情あふれてて、ほっこりしました。
2013年11月30日
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旅行者の朝食 (文春文庫)
- 米原万里
- 文藝春秋 / 2004年10月10日発売
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毎度、米原万里さんの作品は面白い!
今回は「食」にまつわるエッセイをまとめた一冊で、米原さんのたくましい食欲が、華麗で愉快な文章に乗せられて綴られています。
本の中で出てきた、トルコ蜜飴とやらを、私も一度食べてみたい、と喉がなりました。
返す返すも、米原さんの新作が読めないのが本当に残念!
2013年11月30日
宮本輝の作品って、なんだかキザっぽいというか、そんなイメージがあったので敬遠していたのだけど、
この度初めて拝読しました。
結果。やっぱりキザっぽいですね。
別れた男女が思いがけず再会して、書簡をやりとりする、という仕立てなのですが、文章の端々にキザくさい表現が頻出してる気がして…。
これはもう好みの問題ですね。
ストーリーの仕立てや組み立ては、なかなかよく出来ていて、次が気になってグイグイ読み進められましたが、
登場人物の男にも女にも好感が持てない、というのが難でした。
というわけで好みの問題で★3つ。
2013年11月30日
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夏草冬濤 (上) (新潮文庫)
- 井上靖
- 新潮社 / 1989年6月9日発売
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「しろばんば」の続編。
子どもの頃に読んだときは、続編があるとは知らなんだ!
中学生になった洪作の生活を描いています。
「しろばんば」と同じく、大事件が起こったり手に汗握らせたりすることなく、淡々と日常を描いているのに、次が読みたくてたまらなくさせる! 名作だー!
キラキラと眩しい先輩たち、仲はいいけど脱皮しきれない子どもっぽさが鼻につく同級生、美しいけれど性格の悪い親戚の女の子…
そんなものたちに翻弄されながら、少しずつ成長していく洪作。
あぁ、おぬい婆さんにもこの成長を見せてあげたい!
「子どもを産むなら女の子!」と思ってたけど、この洪作の青くさい、成長っぷりを見てると「男の子もいいかもなー」なーんて思ってしまった。
2013年11月15日
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しろばんば (新潮文庫)
- 井上靖
- 新潮社 / 1965年4月1日発売
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中学生くらいに読んで、なんだか印象に残っていて…
30代も後半になり、無性に読みたくなっての再読です。
子どもの頃は、おぬい婆さんが寝床にいる洪作にお菓子をあげる「おめざ」なる習慣や、妊娠すると酸っぱいものが食べたくなるのだ、という新知識の印象だけが鮮やかに残っていて、後半のストーリーはうろ覚えだったのだけど、この年になって読み返すと、親戚の面倒くさいアレコレや、親や親戚がガミガミうるさく言うことの方に共感しちゃって、楽しめました。
特に大きな事件が怒ったり、ハラハラドキドキさせるわけではなく、淡々とした日常と心の変化を描いているのに、次を読みたくてたまらなくさせる、こういうのが名作っていうんだなー と感心してしまいました。
おぬい婆さんの年になったらぜひまた再読したいです。
2013年11月4日
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ゴールデンスランバー
- 伊坂幸太郎
- 新潮社 / 2007年11月30日発売
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ここ数年読んだ本の中で、ナンバーワンのヒットかも!!
テンポのよいストーリー展開、迫り来る正体不明の敵…
本を読んでいないときにこれほどまでに続きが読みたいと渇望するのは久しぶりでした。
現実にも、起こりかねない話だなぁ、と思わされたり。
とにかく、面白かった!
2013年7月30日
読み始めに「テンション低い女が主人公の、淡々としたつまらない小説か?」と思ってしまってごめんなさい、あっという間にグイグイ引きこまれて、止まらない面白さでした。
美術に関する知識がなかったので、スマホ片手に画像検索しながらの読書でした。
機会があって、読後にパリのオルセー美術館でアンリ・ルソーの作品を見ることができました。その感激たるや!!
「友達を見つけた気分」ってやつを味わえました。
著者の作品は初めて読んだので、他の本も読んでみたいと思います。
2013年10月9日