平成ストライク

  • (株)南雲堂 (2019年4月23日発売)
3.09
  • (2)
  • (7)
  • (28)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 130
感想 : 24
3

平成に纏わるアンソロジー。世代的にはピッタリ。
青崎有吾さん、、、JR西の福知山線脱線事故をモチーフにした青春ミステリ。日常の謎が非日常と遭遇した話。
井上夢人さん、、、ベテラン。バイトテロ始めとした炎上の話。えっ、ここで終わりという短編。
千澤のり子さん、、、あんまり知らない作家さん。2分の1成人式といういつの間にか定着した気味の悪いイベントと、ネグレクトの話。ミステリと平成というテーマのバランスがちょうど良い。
遊井かなめさん、、、まったく知らない作家さんだったが、本アンソロジーの編者でもある。短編は雰囲気オンリーの半グレの話だが、渋谷サブカル、渋谷系音楽が好きな方には懐かしさがある。
小森健太朗さん、、、書き下ろしではないらしいですが、古典ミステリ(館もの)の現代的解釈の異色作として、アンソロジーに入れたかったのかも。結末は噴飯ものだが、作者の中ではマシなほうかもしれない。
白井智之さん、、、天才作家。未読短編だったので嬉しい。すけべな新興宗教の教祖が、陰部を切り取られて死んでいるフーダニット。理解不能な動機と心理描写、怒涛の伏線回収とらしさは抜群。アンソロジーで出会ってしまった人で拒絶反応がなければ今後も是非。でもひっどい話です。
平成も正直関係ない、いつものインモラルワールド。
乾くるみさん、、、当たり外れの多い飛び道具的な作家。消費税増税に纏わるコミカルミステリ。すごい小粒。
貫井徳郎さん、、、超実力派。このアンソロジーでは少し浮いてませんか?スマイリーキクチさんのネットリンチが題材。流石の切れ味だけど、これミステリですか?
天袮涼さん、、、震災がテーマ。メフィスト賞作の共感覚の持ち主の主人公が登場する。印象めちゃくちゃ薄い。この人はあまり合わないかも。

けっこう読んでいる作家さんが多い中でしたが、白井智之さんの短編は良かったけど、それ以外はあんまりかなぁという印象。アンソロジーとはそういうものであるか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 推理小説
感想投稿日 : 2023年5月21日
読了日 : 2023年5月20日
本棚登録日 : 2023年5月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする