言葉の意味って、考えるほどに難しい。
利他ってなに?と聞かれると、利己の反対だとか、相手のために考えて行動することだとか、そんな辞書的な意味の答えばかりが頭に浮かんできた。
そのうちに聞かれたことではなくて、自分の利他にまつわるエピソードとかを、思い巡らせたりしながら、この本を手に取った。
「利他とは何か」というテーマに関して、5人の著者が全く別の視点から考察するこの本は、最終的に近いところで着地しているところが、おもしろいと感じた。
「利他」に関わらず、「共感」などポジティブな面にばかり向けられた言説が多い中、悪い面も取り上げているところが興味深い。
例えば、利他であれば、「寄付する」の行為は、寄付される側が、選ばれるように仕向ける努力をするという、間違った結果を生みかねないこともあると指摘している。
Yahoo!基金など、寄付することが身近になったいま、腰を据えて考えてみるテーマであるように思える。
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- 感想投稿日 : 2021年4月15日
- 読了日 : 2021年4月11日
- 本棚登録日 : 2021年4月11日
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