- ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方
- 上出遼平
- 徳間書店 / 2024年3月1日発売
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すごい本を読んだ。文芸は売れない。ビジネス本は売れる。ならば、文芸をビジネス本にしてしまえばいい。活字だからこそできるフェイクドキュメンタリーの到達点。複雑なコンテクストをえぐり倒しつつ、見事に編み上げているのがすごすぎる。
2024年3月29日
- 芸術起業論 (幻冬舎文庫)
- 村上隆
- 幻冬舎 / 2018年12月6日発売
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京都の展示会を観た帰りに買った『芸術起業論』(村上隆)が頭ぶん殴られる衝撃だった。クリエイティブで身を立てるヒントというか真髄が詰まった一冊。
一番印象的だったのは、芸術の世界の唯一のルールとして言語化されていたこの言葉。
「世界で唯一の自分を発見し、その核心を歴史と相対化させつつ、発表すること」
2024年2月28日
- 書くとはどういうことか
- 梶谷真司
- 飛鳥新社 / 2022年12月21日発売
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Whatの部分では書くとは考えること、考えるとは書くこと、というコンセプトが提示される。後半にかけてのHowの部分はグループワークをはじめとした他者を巻き込みながら考え、そして書く訓練方法が書いてある。
2024年2月7日
- 悪魔のいる天国(新潮文庫)
- 星新一
- 新潮社 / 1975年7月29日発売
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折に触れて星新一作品を欲することがある。あのサラサラとして文体、創造の種を並べて、組み上げる流麗な物語運び。彼の頭の中には一体何人の宇宙人が住み着いているのか。
2024年1月19日
人は生まれる時代と場所を選べない。運命に翻弄されたサハリンの人々(アイヌ)と祖国ポーランドを追われた民俗学者。歴史に飲み込まれることから抗い、命を賭して運命の舵を離さない人々の緊張感溢れる群像劇。
2024年1月16日
- 文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)
- 京極夏彦
- 講談社 / 2001年9月6日発売
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GO三浦さんから勧めてもらった京極夏彦『鉄鼠の檻』も読了した。物語・文体の奇特さと精密さ、一ページごとのページデザインにも神経が張り巡らされた、その本づくりは京極ならではなのだろう。久々に感じた「一人の作家の頭の中で、こんなに緻密な物語が構築できるのか」という感歎。10代の頃に村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を読んで以来、とまではいかないまでも、近しい、それでいてまったく異なる文学体験を味わえた。
2024年1月10日
- ものがわかるということ
- 養老孟司
- 祥伝社 / 2023年1月31日発売
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『ものがわかるということ』やたらと最近、養老先生が警鐘を鳴らす脳化社会が身に染みる。情報は記号化を推し進めて、リアリティを侵食していく。リアリティには自然や身体が含まれる。現代都市に住む人たちがなぜ発狂の寸前に追い込まれているのか、よくわかる。
2023年12月17日
- 父が息子に語る 壮大かつ圧倒的に面白い哲学の書
- スコット・ハーショヴィッツ
- ダイヤモンド社 / 2023年11月28日発売
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『父が息子に語る 壮大かつ圧倒的に面白い哲学の書』読んだ。哲学書にありがちな哲学者や理論に焦点を当てる構成ではなく、素朴な疑問、あるいは具体的なイシューを起点にじっくり語るので入っていける。しかも自分の幼い息子との対話形式でもあるので、教育書としても読める。そもそも読書の切り口が複層に織り込まれているのが良書の条件なのかもしれない。
2023年12月14日
『無(最高の状態)』 かなりツボだった。鈴木祐さんはほんと文章うまい。最近、一切の欲がなく「退屈」が難敵として立ちはだかってたから、内的な精神修養はトライしがちがありそう。しかも語りが、あくまでもサイエンスアプローチなので、検証と改善がしやすい。
2023年12月4日
- SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える 三笠書房 電子書籍
- ドナルド・サル
- 三笠書房 / 2017年8月25日発売
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ドナルド・サルの『SIMPLE RULES』サラッと読めて学びもしっかりあった。仕事の難題から、日々の習慣づくりまで“優れたルール”を作るための本。「単純」と「シンプル」が違う。そして、突き詰めると「複雑」よりも「シンプル」の方がたどり着くのが難しい。
2023年12月2日
- THINK BIGGER 「最高の発想」を生む方法:コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (NewsPicksパブリッシング)
- シーナ・アイエンガー
- ニューズピックス / 2023年11月20日発売
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大学生のときに『選択の科学』で衝撃を受けて以来、久々の新刊。いかに思考の発散を抑え、精度の高い選択肢を生み出し、実行につなげていくか。『イシューからはじめよ』にも近い問題意識でかつ、構成としてはふんだんなストーリーテリングでまとめられているので、読み物としても面白い。
2023年11月21日
- U理論[第二版]――過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術
- C・オットー・シャーマー
- 英治出版 / 2017年12月20日発売
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一週間かけて『U理論』を読んだ。正直、まだ消化し切れてない。学問ジャンルに囚われることなく、ほとんどゼロベースで理論を構築する無謀とも思われるダイナミズム。きっと読むたびに響く琴線は変わるのだろう。それくらい深層と多面を行き来するから、相当知的体力問われる。
2023年11月23日
- エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」
- 吉田満梨
- ダイヤモンド社 / 2023年8月30日発売
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『エフェクチュエーション』最近読んだビジネス書で圧倒的に良かった。起業家はもちろんフリーランスにとっても強力な武器になる実践的な思考法だと思う。目的ではなく手段に、予測ではなくコントロールに力点を置いた戦略的な立ち振る舞いが読みやすい文章で学べる。
2023年11月3日
- 1兆ドルコーチ――シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
- エリック・シュミット
- ダイヤモンド社 / 2019年11月13日発売
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ビジネス書というよりは伝記寄り。しかも、氏が生前メンターとして導いたシリコンバレー中心の巨大企業の経営者たちが故人を偲び、その思想・言動を回顧し、一冊の書物にまとめた本。トップエグゼクティブたちも人である。彼らは時に常人では感じえぬ境地での孤独を抱え込んでいる。彼らを支えるのもまた人だ。普遍性の高いビルの愛に満ちたコーチングの技法というか生き方が散りばめられている。
2023年11月1日
- 理念経営2.0 ―― 会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ
- 佐宗邦威
- ダイヤモンド社 / 2023年5月16日発売
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先日取材させてもらったBIOTOPE佐宗邦威さんの新刊『理念経営2.0』を読んだ。ちょうど大きめのプロジェクトで上場企業の社長に伴走して経営思想を言語化して文書にまとめる仕事に取り組んでいるので、最新の知見含め、ヒントが満載だった。知恵を体系化する背景にある血と汗の結晶を味わうように読み進めた。
2023年11月1日
- イーロン・マスク 下 (文春e-book)
- ウォルター・アイザックソン
- 文藝春秋 / 2023年9月13日発売
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イーロン・マスクの自伝をようやく読み終えた。超ざっくり分けると上巻は生い立ちから半生、そしてスペースXとテスラ。下巻はツイッターの買収に焦点。ジキルとハイドとも、ジョブズの現実歪曲フィールドとも違う、マスクの悪魔モードの描写に息を呑む。
2023年10月10日
- かすり傷も痛かった (幻冬舎単行本)
- 箕輪厚介
- 幻冬舎 / 2023年9月15日発売
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『かすり傷も痛かった』これこそChatGPTが書けない本の最たる例だと思う。箕輪さんと同時代に自分も躁的に走り抜いたので、あの頃の空気感が懐かしい。時間差で構成が二重に絡み合う。情報速度の遅い本の特性を逆手に取った、本だからこその表現が美しい。
2023年9月24日
『怪獣人間の手懐け方』面白かったです!この本は読者がそれぞれ仮想敵を頭に思い浮かべながら読むといい。怪獣人間の核エネルギーは毒にも薬にもなる。箕輪さんなりのベストプラクティスがまとめられていて頷ける部分多かった。ところどころクスッと笑ってしまった。
2023年9月17日
- 資本主義の中心で、資本主義を変える (NewsPicksパブリッシング)
- 清水大吾
- ニューズピックス / 2023年9月4日発売
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『資本主義の中心で、資本主義を変える』ある問題意識を抱えているとき、外側からではなくど真ん中で、プレイヤーとしてアプローチしていく。その闘争記であり、回顧録。政策保有株式の構造的問題の根深さを知らなかったので、日本が改革しなければいけない問題も知れた。
2023年9月10日
- 物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術 (幻冬舎単行本)
- けんすう(古川健介)
- 幻冬舎 / 2023年9月6日発売
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けんすうさんの『物語思考』おもしろかった。わりと早い段階で人生ってRPGに似てるな、と思っていたので、この本がどんな構成になるか注目してた。キャラを設定→動かす、環境を作って転がす、の流れは納得。いい意味で精神論ではなくHOW集なのも意図がうかがえる。
2023年9月8日
- 降伏論 「できない自分」を受け入れる
- 高森勇旗
- 日経BP / 2023年6月1日発売
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『降伏論』評判通りの良書だった。プロ野球で1本しかヒット打てなかった著者。運命を他責でなく、自分自身で手綱を握って切り拓く方法論が超具体的に記述されている。いわば“思考は現実化する”の実践編。結局、一番レバの効く投資は自己の意識と習慣に他ならない。
2023年9月7日
- 欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア
- ルーク・バージス
- 早川書房 / 2023年2月21日発売
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『欲望の見つけ方』めちゃ面白かった。人は人が欲しがるものを欲しがる。人は絶えず影響の連鎖のうちにある。内発的な動機などあるのだろうか。競争はさらなる模倣を生む。行動経済学の深層のような、進化論とも地続きなような、それくらい骨太な理論だと思う。
2023年8月28日
- さみしい夜にはペンを持て (一般書)
- 古賀史健
- ポプラ社 / 2023年7月18日発売
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古賀さん新刊『さみしい夜にはペンを持て』をようやく読めた。上質なテキストの絵本、といった読後感。生きる上でのもやもやを言葉にすること、思考に形を与えること、それを自分を含む人と共有すること。生きることが冒険なら、言葉にして、文章を書くことはその針路になる。
2023年8月24日
- LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる
- ケイト・マーフィ
- 日経BP / 2021年8月5日発売
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『LISTEN』期待通りの良書だった。ほとんどの人間は聴いてもらいたがっている。心理学的社会学的にここまで多角的に掘り下げ、理論と実践の面から参考になる本はなかなかないのでは。個人的には“認知的複雑性”に関する記述部分がかなり刺さった。強化していきたい。
2023年8月17日