夢十夜 他二篇 (岩波文庫 緑 11-9)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003101193

感想・レビュー・書評

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  • 美しい日本語使いを味わいたくて読み始めた。

  • 追記
    表題作「夢十夜」について学部で読書会を行なって随分理解が深まったので追加。

    夢十夜はそれぞれを漱石が見た夢と考えてもいいが、よく読んでみると技工の優れた点や、後の作品の片鱗、漱石らしい主張などなど様々なものが盛り込まれている。


    第一夜は、死や土の匂いなど負の要素が確かにあるのにそれを全く意識させない美の連続、流麗な文章の巧みさは漱石ならでは。特に白い肌の色から白百合への色の流れの美しさと輪廻の象徴は脱帽。

    他にも七夜八夜が表す英国文化に迎合する日本批判は十夜の庄太郎に見える「それから」の代助の片鱗などなど。たった数ページの文章でも読めば読むほど深みが知れて底が見えない作品でした。







    漱石先生可愛い

    表題作の夢十夜はずいぶんと暗示的で理解するのが難しいです。
    ですが、一緒に収録されている文鳥と永日小品はとても面白い。

    漱石先生がロンドンで道に迷ったり、道に迷ったり道に迷ったり。
    先生の他愛も無い日常を垣間見るのは明治の世の人と今の人とが同じ「日本人」であることを感じられとても面白いです。

  • 美しい日本語…!

  • 心が冷えて硬くなったり魂と呼ばれているものの一部分が谷底へ音もなく落ちていったり、本を読んでいてこんな感覚を味わえるのかと常識を覆された
    「おもしろい」とか「雰囲気がいい」といった言葉がぺらぺらになるほど神聖な高みに或る

  • 切なかったり、ちょっと不思議な、夏目先生の短編集です。

  • 夏目漱石の中で一番好き。とくに第一夜

  •  『文鳥』は、夏目漱石の中でもとりわけ好きな物語。表題作より好きなので、文鳥の感想だけ。

     これを書いた人は随分と陰鬱で窮屈な思いをしていたのではないかな、と思う(漱石の生涯について聞いたことがあり、先入観が生まれてしまうのかもしれないけれど)。軽々しい話しっぷりやユーモアさえ挟むストーリー、そして千代千代と鳴く可愛らしい文鳥。読んでいて楽しくなる要素はたくさんちりばめられているのに、悲しみがこっそりと、しかもずっと顔を覗かせている。
     文鳥を脅かしてしまった自分の大きな手を厭だと思うシーン。書斎にいるときの、文鳥を眺める所とは対照的な寂しさ。そして文鳥の死。
     最近うさぎを飼いたいなァと思うことが多いのだけど、これを読んでちゃんと飼える自信が無くなった。小説の主人公は、文鳥の世話を怠り結果的に死なせてしまったと言うより、意図的に殺したように思えるのだ。一方的な同朋意識と、それが間違いだったことによる失望・・・そう見えてしまう自分は狂っているのだろうか?
     

  • 夢十夜、好きです。
    特に一夜目が好きです。
    あの、突拍子もない話なのに、何時の間にか飲み込まれていく感じが好きです。

  • 100年はもう経っていたのだと、この時初めて気がついた。

  • 第一夜、これは美しい。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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