外国語学習の科学: 第二言語習得論とは何か (岩波新書 新赤版 1150)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004311508

感想・レビュー・書評

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  • 【推薦者】
    体育学部 体育学科教員 市川 純 

    【学生へのメッセージ】
    第二言語習得論の入門書レベルの知識もない人間が、自らの狭い経験則を妄信して、日本の英語教育を批判したり、あるべき(?)英語教育を押し付けている現状がある。我々が外国語を習得するためには、英米人とは置かれている環境が違うだけでなく、学習者の年齢や個々の動機や目的の違いなど、考慮しなければならない問題が多い。本書が紹介する様々な仮説や事例は興味深い。英語だけが話されている環境に身を置けば自動的に身に付くという勘違いを脱し、自らの目的に合った学習法というものをここから考え出すべき。

    ▼配架・貸出状況
    https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00546600

  • 英語学習の効率的なやり方のヒントがあるかと思い読んでみた。内容は第二言語習得の学術的な内容が多かったので、一般的な英語学習者にはあまり参考にはならなかった。

  • 図書館。また子どもたちの外国語学習や自分の外国語教育に行き詰まりを感じたときに立ち返りたい。

  • 読みやすかった。でも引用する研究の数が多すぎて結局何言いたいのかはよくわからなかった。
    多分ようはインプット多めで、でもアウトプットも今の学校の量よりは増やすようにってことだと思う。

  • SLA入門の入り口として読んだが、非常に分かりやすかった。

  • 近年、英語学習は「アウトプットが大事」「とにかく話せ」と言われることが多く、大学入試改革なんかもその動きがきっかけになっていて、そんな状況にどこかモヤっとしていました(もちろん大切ではあるのだけれど)。けれど自分の知識不足、語彙力不足のせいで言語化できずにいました。

    そんなモヤっとを明快に言語化してくださったのがこの本です。大切なのは「インプットの理解とアウトプットの必要性」。いわゆる受験勉強で培ってきた多読や多聴も無駄ではないはずなのです…。

    そして著者の方の丁寧な語り口、物腰の柔らかさが個人的に好印象でした。とてもわかりやすく、読みやすかったです。

  • 外国語としてどうやって学べば効果的か、という事を論文と検証結果を交えて考察。
    つまり、多聴多読と少しのアウトプット。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1章 母語を基礎に外国語は習得される/第2章 なぜ子どもはことばが習得できるのかー「臨界期仮説」を考える/第3章 どんな学習者が外国語学習に成功するかー個人差と動機づけの問題/第4章 外国語学習のメカニズムー言語はルールでは割り切れない/第5章 外国語を身につけるためにー第二言語習得論の成果をどう生かすか/第6章 効果的な外国語学習法

  • 第二言語習得論について一通り網羅されており大変勉強になった。クラシェンのインプット仮説は聞いたことがあったが、インプット仮説が全て正しいというわけではなく、それだけでは説明できない点があること、自動化モデル説の存在など、第二言語習得論における位置づけや潮流も概観することができて良かった。

    日本の英語教育には圧倒的にインプットが不足しているというのは薄々感じていたが、第二言語学習のために最も良いとされているコミュニカティブアプローチの真反対をいく文法訳読方式に問題があるという主張には深く頷かされた。

    もともとは子どもの英語教育について関心があり本書を手に取ったが、幼児期の学習は無意識の学習であり、第二言語習得ともまた違っているように思う。子どもの言語習得について他の本も読んでみたい。むしろ、自分の英語学習法を振り返り、今行っているLearning Englishのリスニング、ディクテーション、英語ニュースのリスニングは理に適っていると再認識できたのは副産物であった。

  • 子供は第二外国語を特別の学習なしに身につけることができるのに大人にはそれが難しいのはなぜか。言語系統が近い言語と遠い言語における学習過程の違いは何かなど第二言語習得に関する科学的なアプローチを紹介し、そこから効果的な学習方法の提案などに展開していく。
    言語の習得に関してはまだわかっていないことも多く、決定的な学習方法というものも存在はしないが、本書ではインプットを重視することが学校教育でよく行われる文法訳読方式よりも効果的であろうと締めくくっている。
    これさえやればペラペラに!という類ではないが、外国語を学習する上でどのように進めていくのが良いかを考える一つの指針となるのではないかと思う。

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