外国語学習の科学: 第二言語習得論とは何か (岩波新書 新赤版 1150)
- 岩波書店 (2008年9月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004311508
感想・レビュー・書評
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前半は母語と外国語の関係やなぜ子供が言葉を習得できるかなどの前置き、後半が具体的な勉強方法。
以下参考になった点。
・相関関係と因果関係は違う
・言語はルールでは割り切れない
・「インプット」+「アウトプットの必要性」
インプット:多量に必要、例文暗記
アウトプットの必要性:リハーサル
・①メッセージの理解(インプット)
②意識的な学習→自動化
・単語は文脈の中で覚える
推測→辞書
コロケーション(前後にどんな単語がくるか)や文法的情報も一緒に覚えられる
・発音、音声はまねることから
特にイントネーションやリズム
・動機づけを高める(文化に興味を持つなど) -
第二言語習得が専門の著者による、英語学習者を意識して書かれた第二言語習得論の入門書。また、最近の研究の成果が盛り込まれており、参考文献が明示されているだけでなく、「ここまでは分かっているが、この点についての研究はまだ進んでいない」ということも具体的に随所で述べられているので、言語習得論を勉強している大学生が読んでもとても役に立つと思う。
外国語学習についての様々な宣伝が盛んに本屋を賑わしているが、膨大な勉強法、学習法を前にあれこれ考えるよりも、まずは科学的・実証的に外国語学習についてどのようなことが分かっているかを知ることは、色々な宣伝を批判的に受け入れるためにもとても重要なことだと思う。その点で本書は、素人にも分かりやすく言語習得論が解説されており、学習者・教師双方にとって、非常に有益な本だと思う。
「インプットだけではなく、(必ずしも実際に話したりすることだけではなく)頭の中でリハーサルすることが重要」とか、「語呂合わせで単語を覚えることも『有意味学習』として有効」など、何となくそうだろうなーと思っていることも、科学的に説明されるとすっきりする感じがする。もちろん、臨界期仮説やBICS/CALP、動機づけの問題など、第二言語習得論のスタンダードな事柄も分かりやすく解説されている。
あとがきには『外国語学習に成功する人、しない人』の続編、と書かれているが、その本をまだ読んでないので、是非読んでみたいと思う。(11/03/07) -
再読本。
確か読むのは2度目だけど、自分の経験が増えたせいか数カ所新鮮に感じる部分もあった。再読してみるもんだな。 -
「第二言語習得論」の入門書。
読みやすく、巻末に用語検索、
代表的な参考文献が載っているので、
これから勉強するのにも便利。 -
英語学習の方法を自分なりに考えるうえで、とても参考になった1冊です。具体的な学習法の提示はありませんが、専門的な内容を一般読者にもわかるように丁寧に書いてくれています。英語学習を始めようと考えている方は一読されてみてはいかがでしょうか。
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なんらかの形で外国語を学んでいる方は一度目を通すべき。
必ず成功するとまでは言えないけれど、誤った(無意味な)学習は大幅に減らせるはず。 -
レポートのために読了。外国語学習の方法について書かれている。現在の(もちろんこの本が書かれた当時)外国語学習の理論の推移を書いてある。また、実験の結果など、豊富な事例や方法論が書かれている。
最後の著書のやったアプローチの中で最良のものが書かれている。今度ちゃんと読んでみようかと思う。 -
第二言語習得のこれまでの研究成果を紹介し、
それに基づいて、効果的な第二言語学習について考察した本。
SLAの概説書は日本語でも良いものがけっこう出ているけど、
一般向けに書かれたものとしては一番なくらいかも。
学部の入門レベルの教科書としてもかなり使えると思う。
もちろん一般向けの概説だから、
主要な流れにしか触れていないけれど、
とてもバランスよく書かれているような気がするので、
自分がSLAのどういう部分をよく知っていて、
どういう部分をよく知らないのか、再確認できたように思う。
星5つでは足りないくらいにオススメできる。