(株)貧困大国アメリカ (岩波新書)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314301

感想・レビュー・書評

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  • もうさ、ネタ切れ感満載。アノニマスとかを”普通の”ソースとして引用するのはさすがにちと拙くないですかね?全体的に情報源の精査に弱すぎて信頼して読めない。

  • 巨大企業が財力にものを言わせて富を集中させ、農業、商業、果ては公共サービスや政治まで思うままに牛耳っているというルポ。効率性重視のあまり、有機生産と言われている食品まで、遺伝子組み換えがされていたり、自然の摂理に反するような環境で飼育されているという告発はショッキングだった。
    しかし、ストーリーが荒っぽく、また、細部に誤りが多いことが気になった。著者もあらゆることに精通するだけの余裕はないのだろうが、「垂直統合ブーム」として描かれている内容は垂直統合のことではない(むしろ水平統合ではないか)し、「独占禁止法の撤廃」(85ページ」など行われていない。重箱の隅をつつくようだが、こういう細部がきちんとしていないと、ルポの迫力が失われる気がする。また、本書後半では、大資本とマスコミがアメリカ政治を民主党と共和党の二大政党の選択という構図に持ち込み、その他の意見を無視・封殺しようとしていると主張しているが、本書も、富める「1パーセント」とその他の「99パーセント」とアメリカ国民を2つに分けてその間に対立があるという二分法の構図で描いている。本書を読むほどに、現実はこういう二項対立の単純な図式で理解できるのだろうかという疑問を持った。

  • 現在のアメリカの話です。

    アメリカ社会では格差社会がものすごいスピードで進んで、
    1%の金持ちと99%の貧乏の構図が進行中です。

    あらゆるものが巨大企業に統合されて、国民は選ぶ権利が無くなりつつあります。

    この巨大企業が政治、経済、メディア、そして司法までに影響を与え
    知らず知らずに 99%の国民の生活を脅かしつつ有るのです。

    感想

    政治と金の関係が分かりやすく書かれていて
    日本の近未来を予言する内容に恐怖を感じました。

    情報統制されたメディアが報じようとしない現在のアメリカの姿が
    垣間見え、もう少し堤未果さんの作品を読んでみようと思っています。

  • 貧困アメリカシリーズの第三弾から読み始めてしまった。
    けど、これだけを読んでも衝撃はかなり大きい。なぜ、こんなことになってるんだ、アメリカ。
    というか、なぜこれを目指してるんだ日本。

    遺伝子操作されたGM種子やらオーガニック食品の罠やら、すでに直面してるたくさんの問題をなぜにもっと真剣に考えないんだ。どうかんがえても身体によくない食品を平気で流通させる、1%の人々は自分の子どもたちや孫たちの未来をどう考えているんだろうか。

  • 「特定の要求を出さないという戦略を持っていたオキュパイ運動は、一つ一つがバラバラだった。」

    地球上で大躍進している多国籍企業、特に食品分野の企業について書かれている本。

    アメリカでは、1%の富裕層がその他99%から搾取をしている。大企業との契約養鶏業者は借金浸けにされ、契約農業従事者はまさに農奴に成り下がった。恐るべしモンサント社。

    自治体が破産した地域では、公共サービスの切り売りが行われた。その中で出現した完全民間経営自治体サンディ・スプリングス。

    格差は埋まらない。持つ者はさらに持つようになる。
    ならば、自分が持つ側に回るしかない。

  • 1%の富裕層や巨大企業の利益になるように作られた政策の数々。政治もマスメディアも大企業に操作されているのに、99%の国民はそれを知らされず、生活に苦しんでいる。アメリカの現状を知り、日本の現状についても知りたくなった。

  • 弱者が切り捨てられていくのは、胸が締めつけられる。
    圧倒的な富や権力の前に、99%の側の者たちは跪くしかないのか。心が挫ける。

    「1%」より、それを支えるシステムを攻撃せよ

  • 1986年以降、アメリカの鶏加工工場では、加工前の鶏の死亡及び病気に関する審査を義務ずけられてない。
    成長促進剤が注射された鶏は内臓や骨の成長が追いつかず、大半は足の骨が折れたり、肺疾患になってしまう。効率とビジネスの成功という観点わ見れば、これはすごい発明ですよ。42頁

  • 面白いんやけどね、アメリカの影の部分が知れて。さすがに4冊も続けて読むと、ほんまにこんな国なんやろかと訝しんでしまう自分もいる。インタビューが多いせいもある。もっと自分が勉強せなあかんことだけはよーく分かった。

  • 「一番こわいものは
     テロリストでもない大不況でもない
     いつのまにか私たちがいろいろいなことに
     疑問を持つのをやめ、
     気付いた時には声すら自由に出せない社会
    が作られてしまうことです」
    本書の中の一節です。

    ここに収斂されています。
    だから
    次の人に この一冊(三部作)を
    薦めていきたい

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著者プロフィール

堤 未果(つつみ・みか)/国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒業。ニューヨーク市立大学院国際関係論学科修士号。国連、米国野村證券を経て現職。米国の政治、経済、医療、福祉、教育、エネルギー、農政など、徹底した現場取材と公文書分析による調査報道を続ける。

「2021年 『格差の自動化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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