身体のいいなり

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022508195

感想・レビュー・書評

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  • いわゆる癌の経緯や手術、治療の話が語られているのだが、悲観するわけでも、悟るわけでもなく、ただその時その時、迷いながらも身体と生活に向き合ってきた著者のスタンスがよい。それにしても身体の言いなりになってからのこの身体の変化のすごいこと。意思と身体が折り合って生きるのはなかなか難しいけれど。

  • ただ、"こうゆうこと"というのを話してくれている。
    押し付けがましくなく、説教臭くない。
    それがとても、私のこころに沁みわたって、じんじんとふるえた。

    腕を組むのではなく、自分を抱きしめていた
    私もしょっちゅうやる。分かる。

  • 日経ウーマンにて「おすすめの本」となっていたので図書館にて借りました

    子供の頃から調子が悪く朝起きたらどっと疲れている・・・
    うお~!! 私みたいだ~

    乳がんになってから4度の手術をし、何故だか発病前より元気になってしまったという
    ヨガが良かったというか体質に合ってたんですかね

    結婚してるのに、相方が病気なのに経済的な援助もしない旦那さんって^_^; いるんだ~
    でも離婚はしてないのかな?? 別居してるっぽいけど
    同居人が病気で働けず・・・な状態だったら放っておけない気がしますけど、何故結婚したんですかね??
    まあ夫婦のことは夫婦にしか解りませんので個人の自由ですのでとやかく言う気はありませんが

    保険にも入らず収入が不安定な場合少なくとも300万は貯金がないとヤバイらしい(ガンを始め医療費って結構高額)
    私も保険に入らず(入ってるのは国民年金と国民健康保険だけ)収入が不安定どころか只今失業中
    他人事じゃないわ~
    まあ、私は結婚もしてないし子供もいないので例えガンでもそのまま何もせず放置したいくらいですけど(コスパ考えたら治療は遠慮申し上げたい感じ)
    経済的に逼迫しているからか毎回手術や入院にかかった金額を明記してくれてるのは「きっとこれからもお一人様」な私には嬉しいけど、本の売り上げが直接生活&治療に必要なのに図書館で借りて済ましてしまってごめんなさいって気になりますね

    最近はガンは不治の病ではなくなったというけど初期で発見してしまうとなんだか大変そう^_^;
    ガン家系でもないし、この前の特定検診で懲りたのでもう検診は受けないでいいかなって思いました

  • すごく変わった本。
    まあ「世界屠畜紀行」(持っている)の人だしなぁ。

    表面的には乳がんの闘病記なんだが、
    アトピーや腰痛から解放されて、現時点では絶好調。

    化粧も出来るし、コンプレックスのひどかったO脚も直る。
    安眠できるし、体力もついた。
    ヨガの効果も大きいみたい

    前半ではフリーランスの収入の不安定さ
    配偶者との関係、体調の悪さ
    「癌という致死性の病名を、この膠着状態を断ち切るものとして歓迎したのだった」(47)なんて文章もある。

    高額療養費制度の事を聞き、気持ちが軽くなる
    セカンドオピニオンは保険が利かない
    金額は時間制なのに一般論を長々と聞かされる

    乳房再建では医師と衝突
    保険適用、シリコンは実費

    出来たときには高さが違う
    ※マッサージするうちに落ち着く
    「もとの胸よりおおきくなったんだからいいだろう」と言われマジギレ。

    巨乳のYさん
    漫画編集者のTさん
    それぞれのがん。

    私事だが、胆のう炎で開腹手術をしてからほぼ半年がたった。
    傷跡プールデビューはしたのだが、いまだに
    手術痕はちょっと正視しづらいものがある。
    男性でもこれだ。

    19 腰痛もち=カメラマン、足湯がいい
    48 MRI、きつい、うるさい←そのとおり。私もやった。耳栓なし
    52 「魁クロマティ高校」が安眠に利く

    66 巨乳の人は「しこり」が見つけにくいので、発見が遅れる?
    93 女が集まるお稽古事の雰囲気
    133 乳首までゼンテキする例も
    146 乳房再建、巨乳の知人は「やりなさい」貧乳派は「うらやましい」

    157 乳首再建、皮膚を折り畳んでつくり、刺青で色。そけいぶの皮膚を移植する方法もある
    179 東京事変の「落日」

    目次
    1 持病の歴史
    ・腰は痛いものなのだ―腰痛
    ・痒の苦しみ―アトピー性皮膚炎 ほか)

    2 そして、癌ができた
    ・貧すれば病みつき、病みつけば貧する
    ・とにかく慣れろ、慣れるしかない入院手術生活 ほか)

    3 ようこそ副作用
    ・不快が一杯!痒くて痛くて暑くてうるさい
    ・絶不調、ほどけるように眠りたい ほか)

    4 乳腺全摘出、そして乳房再建
    ・ホルモン療法ギブアップ宣言
    ・煮えろ!!ゼンテキ決定前夜祭 ほか)

  • 乳がんで手術4回、淡々と記していく。悲壮感なし、とういうか身体性が感じられず、病気の不調さで始めたヨガによって、こころと身体のつながりを獲得していく記録のような、でもあくまでも冷静な眼。好感を持ちました。

  • ウチザワさんの身体交遊録。
    今までロクに付き合ってこなかった「自分の身体」と、病気をきっかけに向き合うこととなる5年の記録。
    とてもとてもとてもおもしろいです。

    私は1979年生まれでウチザワさんとは一回り離れていますが、「身体性」の希薄感、実感のなさはすごく共感できます。
    同年代や若い子が、精神状態や気分ばかり重視するのに、身体にはさほど気を払っていないのが不思議です。
    まあ身体のことを心配しないのが「若さ」なのかもしれませんが。
    しかし年配の方々が自分の病気を心配しながらも、ほとんどうれしそうに語る様子を見るに、身体はあまり考えないのが昨今の風潮なのでしょう。

    しかし「身体」はリアルです。
    ちょっと風邪を引けば、自己啓発本は読めないし、やりたくない仕事をしてお金を稼ぐことすらできません。
    この本はウチザワさんのルポですが、ぼんやりと気分で生きていた人間が、病気を通して「失われたリアリティ」=「身体」を取り戻す物語ではないでしょうか。

  • 1967年生まれのライター。
    日本各地、海外諸国へ出かけてのイラストルポに定評がある。

    じつは子供の頃から虚弱だった著者。
    乳ガン手術を経て、何故か今はかってなく健康で快調!
    アトピー性皮膚炎、胃酸過多、腰痛、謎の微熱、冷え性、むくみ、無排卵性月経など…
    乳ガンそのものは重いステージではなかったそうですが、病院通いは何かと大変。
    部分切除の後に全体切除、そして乳房再建のあれこれ。
    赤裸々な経験談を面白おかしく。
    健康の秘訣は必見?!

    ライターで収入が不規則な貧乏暮らしで、おしゃれもしなかった若い頃。
    さらに皮膚炎のために化粧も出来なくなってしまったそう。
    ところがヨガへ通うようになって、しだいにオシャレも出来るコンディションに。
    今頃になってごく人並みのオシャレも楽しんでいるとか。

    幾つかの点では共感できます。
    ここまですごい経験はしていないけど…
    面白かったです。

  • ちょっと面白い。

  • 乳癌を患った、とはいえ元は病気知らずのパワフルな人なんだろうとばかり思っていたので、幼稚園から虚弱体質、などと聞くと、私と変わらない人だったんだ、とまずは驚きでした。不調を抱えていても自分のしたいことを貫いてきた姿勢には、不調のせいにしてダラダラと過ごしてきた私としては「ははぁ」とひれ伏したいほど、頭が下がる思いです。
    大病にかかっても手遅れになるまでほっておいたらいいや、などと無責任な思いでいましたが、実際に病を得たときにかかるであろう費用についてや、復帰後元の通り仕事ができるのだろうかとか、どれだけいろんな人の迷惑になり、世話にならないといけないのだろうかなど、ひしひしと考えさせられました。
    不調の多い身体からは極力目をそらしてきましたが、身体のいいなりになる心地よさを知りたくなりました。

  • イラストレーター/ルポライターである筆者が、乳癌になり、乳房摘出・再建術を受ける前後の顛末。

    闘病記と言えば闘病記なのだが、筆者はそう呼ばれることを望んでいない。「頑張って病気に立ち向かった」という類の話でもないし、感動的な話であるわけでもない。
    病を克服しようという熱い情熱もないが、さりとて何もしないというほど開き直ってもいない。
    現実的で、いささかやさぐれた、黒いものも蠢いている本書は、多分、好き嫌いの分かれる本であり、特に実際に闘病中の人の中には、読んでいてつらい人もあるかもしれない。
    しかし、このある意味あけすけな語り口には、どこか笑いを誘うところがある。決して文科省推薦の笑いではないけれど。
    この人は多分、観察する人なのだ。入院費用に青ざめ、ヨガの後の体調の良さに驚き、なくなってしまった乳房に意気消沈する。そんな自分をどこか突き放した目で見ているもう一人の自分。それがあるからこそ、この本には一種独特の魅力があるのだと思う。

    何かが起こったときに、身体や精神がどんな反応をするのか、実は結構予測がつかないのだと思う。大病はしていないけれど、私も日々、身体に翻弄されている。そこが一番大きな共感だったかも。

    *この人の『世界屠畜紀行』、途中まで読んで積ん読になっていた・・・。

    *島田雅彦の『徒然王子』の挿絵はこの人だったのか。連載時に読んでいたけど、知らんかった。

    *同い年だからか、やはりフリーランスであるからかどうか、「んー、わかるなー」と思うところも多く。何となく、記憶に残りそうな本である。

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著者プロフィール

ルポライター・イラストレーター

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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