きょうのごはん

著者 :
  • 偕成社
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本棚登録 : 1071
感想 : 105
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784033320007

作品紹介・あらすじ

ゆうがたになると、どのいえからもいいにおいがしてくるよ。こっちのおうちのごはんはなにかな?あっちのおうちのごはんはなにかな?それぞれのいえのそれぞれのごはん。どもみーんなおいしそう!さあ、あなたもいっしょに、「いただきまーす」。

感想・レビュー・書評

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  • 児童館にて。

    住宅街の夕飯の様子。
    「皆で作ったカレー」や「お父さん特製オムライス」が当たり前に登場するのが良いですが、「買ったお総菜」も欲しかった!笑

  • 古き良き昭和にどこにでも見られていた風景がこんなにも美しいなんて。綺麗な彩で描かれた何の変哲もない夕ご飯、晩ごはん。食事だけでなく、みんなで食卓を囲む温かな家族、家族で食事を一緒に料理する風景、商店街の風景ごどれも懐かしくもあり、こんな風景はもう甦らないだろうと思う淋しさが込み上げてきた。

  • 活気づく夕方の商店街。
    八百屋に床屋に銭湯に肉と玉子の店、手作り豆腐店、喫茶プリン(なんちゅうネーミングセンス!笑)などのお店屋さん。
    会社を終えて帰宅する人たち、新聞配達員、草野球帰りの少年、
    学校帰りの少女など
    行き交う人々の笑顔もみな輝いています。

    そんな商店街に現れたのは一匹の猫。
    「さんま祭り」のノボリがはためく
    お魚屋さんに釘付けです。

    『ばんのおかずにするのかな』
    魚を買っているお母さんを見つけた猫は
    こっそりあとをつけ、
    さぁ、今日の「ごはんパトロール」の始まりです。


    人の本棚の中身や
    電車内で読書する人の本が気になるのと同じく、
    人が何を食べてるのかも
    なぜか無性に気になります(笑)

    仕事帰りの夕暮れどき。
    夜と昼の隙間に流れるお気に入りの空気。 
    静かであたたかい魔法の時間。

    どの家からもいい匂いがして、
    「今日何食べようかな~」
    「ここんちはカレーか~」
    「おお~、隣りは焼き肉か~」
    っとこっちにフラフラあっちにふらふら。

    それぞれの家のそれぞれのご飯って、
    どれもなんであんなに美味しそうで
    心くすぐるんだろう。


    そしてそれは猫も同じなんですね。
    『ああ、いいにおい。きょうのごはんは なーに?』と
    近所の家を「ごはんパトロール」していきます(笑)

    最初の家からは猫心をくすぐる
    魚の焼けるいい匂いが…。

    表紙にもなった
    こんがり焼けたさんまと
    ナスとネギの味噌汁とつやつやに輝く白いご飯。
    (台所ではお母さんがさんまの用意をしていて、居間ではおろし器で一生懸命に大根を摺る息子と赤ちゃんを抱いたお父さんがいます。折りたたまれた新聞の間からチラリと見えるのは、さんま大安売りのチラシ!)


    そして、さんまのいい匂いを吸い込み満足した猫は
    次々とごはんパトロールを続けます。

    ある家の晩御飯は
    家族みんなで作った
    じゃがいもと人参がゴロゴロしたカレーライス。
    (冷たいお茶を人数分コップに注ぐお母さん、銀のスプーンを食卓に配る男の子、ご飯をお皿によそう係の女の子、そして白いご飯にカレーをかける大役はやはり頼もしいお父さん!)

    次のおうちの晩御飯は
    ケチャップで顔が描かれた父さん特製オムライス。
    (シブいオールバックの髪型に胡散臭い口髭、赤と白のチェックシャツにジーンズ姿のMr.マリックを彷彿とさせるお父さんがいい味出してます。オムライスを食べて「美味しい!」とピースサインを送る息子と、「せやろ、せやろ」とドヤ顔で答えるお父さんの姿にニンマリ)

    次のおうちは、
    三人家族で共同作業した
    キツネ色に揚がった手作りコロッケ。
    (楽しそうに肉をこねる男の子。鰹節が乗った冷や奴とあったかい味噌汁も実に美味そうです)

    向かいのおうちは
    お寿司屋さんから出前した
    おじいちゃんのためのお祝い寿司。
    (玉子、トロ、イカ、いくら、エビ、ウニなど高級そうなお寿司がてんこ盛りです)

    ふ~っ!
    沢山の美味しそうなご飯を見て
    とうとう辛抱たまらなくなった猫は、
    パトロールを止めにして
    いつもの場所へ急ぎます。

    お腹の減った猫が辿り着いたのは
    屋台のおでん屋さんでした。

    『ぼくのごはんは なぁーに?』

    店主がお皿に出してくれたのは
    おでんの盛り合わせ。
    (魚の擂り身や練り物系かな?)

    『これこれ! ぼくのだいこうぶつ、いただきます。ん~おいしい!』 


    猫さん、美味しいごはんにありつけて良かったね。

    ごはんパトロールは
    お腹を究極に減らして
    毎日美味しく晩御飯をいただくための工夫でもあるのかな(笑)


    それにしてもこの絵本、
    見開きどアップでワイルドに描かれた出来上がりの晩御飯が
    どれも暴力的なくらいの破壊力を有していて、
    一度見れば今晩のおかず候補に名乗りを上げること請け合い!


    なお、登場人物のほとんどが
    冒頭の商店街のページの人混みに紛れ込んでいるので、
    読み終わったあとに登場人物たちがどの店で何を買っていたのかを探す楽しみもあります(笑)

    みんなの食卓を覗いてみたい人、
    商店街好きな人、
    美味しそうなご飯の出てくる作品に弱い人、
    ホームドラマが好きな人、
    そして動物好き、猫好きな人なら
    自信持ってオススメしまーす♪

  • クレヨンとパステルだけで描かれているとは、とても信じられないリアルな絵。
    それも、本当に美味しそうに描いてある。
    お隣からお隣へと、ご飯のリレーをしていく。
    案内人は、はちみつ色の猫。

    ただそれだけかと思いきや、なかなか奥が深い。
    それぞれの家の食卓風景が、なんだかとても懐かしいのだ。
    話す声さえ聞こえてきそうなほどの温かさ。
    ここがスタートだよ、みんな一緒に生きていくんだよ。
    だから一日の始まりは家族で食卓を囲むんだよと教わった、あの風景。
    ともに食べることの喜びが、なんでもないように描かれている。
    珍しい料理、高級な料理が並ぶわけではないのに、何だかほんわかしてくるのだ。

    お隣の家に行くと決まって「きょうの ごはんは なーに?」と聞いてくる。
    そこで挿絵をあらためてよく見て、○○だ!と当てていく楽しさ。
    秋刀魚→カレーライス→オムライス→コロッケ(これが特においしそう!)
    みんなでお寿司を囲んでいるのは、敬老の日のお祝いかな。
    ああ、あと何回、家族で食卓を囲めることだろう。

    季節のものをいただく喜び、みんなで手作りのものをいただく喜び。
    それに感謝することを、さてどこに置き忘れて来たのか。
    表紙の秋刀魚の絵からして、まさに今の季節に読みたい。
    約5分。年少さんからOKかも。絵も遠目がきくし、おすすめ。

    • だいさん
      >ともに食べることの喜び

      いつもと変わらない日常が、本当は幸せなのかも知れませんね。
      >ともに食べることの喜び

      いつもと変わらない日常が、本当は幸せなのかも知れませんね。
      2015/09/09
  • 表紙の秋刀魚の塩焼きの絵の美味しさにまず惹きつけられちゃいます!
    猫ちゃんがリポーターのように、家々の「きょうのごはん」を覗いていきます。あらあら、どのお家も美味しそう! 作る人も食べる人も幸せそう! ラストは猫ちゃんもごはんにありついて、めでたしめでたし。

  • パステル画でとても巧妙に描かれている
    すごく美味しいそうだ
    料理の絵は やはり食べたくなるようでなくちゃ

  • 2017.12.6
    おいしそう。匂いがしてきそう。ちゃんと誰かのために作った家のごはんがいちばんおいしそうだ。子どもにもおうちのごはんの幸福感が伝わるんじゃないかな。それがちゃんと根っこになるはず。

  • きょうのごはんは何かなぁとねこちゃんがごはんパトロール。

    おいしそうなごはんがページいっぱいに現れて、

    本からい~い匂いがしてきそうです。

    思わず笑顔になれます。

  • このご飯何かなー?と聞くと 〇〇!と答えてくれました。
    表紙を広げても魚がくっつかないのが気になったようです。

  • おいしそうな匂いがしてくる絵本。
    あ~お腹が減るっ!

    「ぼくのごはんにゃ~に?」

    ねこが町のみんなの夕ご飯をパトロール。

    あたたかい夕ご飯って幸せの象徴だと思う。

    • だいさん
      >象徴だと思う。

      同感
      >象徴だと思う。

      同感
      2015/12/13
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著者プロフィール

絵/ 加藤休ミ
クレヨンとクレパスで迫力あり、ユーモアあふれる人物画、
リアルでおいしそうな食べ物を描く画家。「きょうのごはん」
(偕成社)「りきしのほし」(イーストプレス)「おさかないちば」
(講談社)など

「2017年 『いのちのたべもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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