ずうのめ人形

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 515
感想 : 99
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041043554

感想・レビュー・書評

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  • ポイントを外さない上手さがあるというか、
    読み手の期待を裏切らないところが魅力だと思う。

    都市伝説、不幸の手紙的拡散の恐怖、
    リングという読み手が必ず読んでいるであろう作品の
    をうまく本歌取りする手法。

    ホラーとしての怖さというより、
    小説としての伏線回収やストーリー展開をとったというか、
    怖がらせることに特化していないところはあるので
    そこは評価が分かれるところかも。

  • 当り。キリカも読みたいです。

  • 最後まで、怖面白かった。呪いの怖さはもちろんのこと、前作同様、人の心の闇も恐ろしいね。けど、関係のない人がいっぱい亡くなるのは、なんとも・・・です。

  • 前作「ぼぎわんが、くる」と同じく「やってくるモノ」に、チェーンレター的な「不幸の伝染」を加えた、作者二作目の作品。

    オカルト雑誌編集部、そのライターなど、オカルトの達人らを登場させ(それにも仕掛けがあるのがニクイ)、彼らに語らせて都市伝説について考察してみたり、有名ホラー作品のガイド的部分も盛り込んでみたり、ちょっと三津田信三っぽい手触りもあり。
    が、その中では「リング」という他者作品をかなり濃いめに利用していてちょっと邪道感も感じます。
    口裂け女ほどには貞子は浸透していない気がするので、「貞子!貞子!」と揶揄われることのひどさも、「リング」を知らない人には入り込めない点かも。

    とはいえ、ラストで今までの思い込みをひっくり返されるような展開は面白かったし、比嘉姉妹の設定もシリーズならではの楽しみがあったし、人間の屑も屑要素が高くて良かったです。
    決着は派手。それゆえか、作品全体が映画の脚本っぽいなとも思いました。

  • 此の手の話は終わりをどうするかが非常に難しいと思うのだけど、個人的にはスッキリできて良かった。
    物語かなり後半でえ!?となって読み終わってすぐにまた最初から読んでしまった。
    色んな伏線が張られていて、気付いたもの読み飛ばしてたものが後半になってぐわっとまとまったのが面白かった。

  • 後半久々一気読みした。どうして?って思うところもあるけどそうだったか!で色々やられた。

  • ぼぎわんほど怖くはなかったけどサクサク読めて面白かった。

  • 都市伝説と呪いをテーマとした長編ホラー。呪いに追い詰められていく絶望感が半端ない。リングを強力にリスペクトですね。
    現在と、作中作となっている呪いの原稿が交互に進む形式ですが、タイムリミットがある中で原稿の作者を突き止めようとする展開が非常にスリリング。謎解き要素としても、騙された感が非常に強く
    て面白かった。
    二作目になってキャラクターにも愛着がわいてきたので、ぜひ続編が読みたいところ。

  • ・ミステリの上にホラーが乗っかっている

    デビュー作を未読なのでこの作家さんの作風を知らない状態で読んだ。
    ミステリ作家が書いたホラーミステリ。
    印象を一言で言えばこれか。

    作中では真実、怪奇現象と呼ばれるものが登場するのだが、作品自体はミステリの形式性が全体を作りあげている(それもかなり濃い)。

    ミステリで推理の糸口としてなりやすいもののひとつに、犯人が用いる凶器の問題がある。
    そもそも何が凶器なのか。なぜその凶器なのか。いかに凶器が使われたのか。
    凶器をめぐる着眼点はいくつもある。
    今作では凶器=「怪奇現象」とすればあまりにも形式的なミステリとしての本作の姿がはっきりするように思える。
    「現象」にその原理、つまり「なぜ」の答えは得られない。原理事態はブラックボックスだ。しかし、人は拳銃の仕組みも毒の組成を知らずとも、人間を殺すことはできる。
    今作の犯人たる彼女も、「なぜ」を理解せずとも利用方法は理解できたため、「現象」を凶器に、人を殺すことができる。

    そうして、終盤、ちょっとした叙述トリック(「ネタバレの内容を含む」だからいいよね)の先に、探偵役ともいうべき存在が「犯人」と対峙する。
    犯人の独白や探偵の告発が終盤のクライマックスにあるわけだ。そしてミステリのクライマックスとホラーとしてのクライマックスは重なり、犯人の死=現象のとりあえずの終焉となる。
    (本当に狙い過ぎ)
    叙述トリックの出すタイミングや、現象の副次的な産物を提示する手際もなんというか、非常に慣れ親しんだ感覚を覚えてしまう。

    『リング』が、本作のテーマにも関わり、本作の登場人物を動かす思考の元としても中心的な役割を果たしている。
    個人的に、『リング』はミステリとしての面白さも詰まっている作品であると思っているので、『リング』を扱う本作の構造がこうしてミステリの形式を強く踏襲している(ように思える)のも、スムーズな話なのかも知れない。

    しかし構造がぴったりとはまり過ぎていて、じれったさや逆に引っかかりを感じてしまった。
    このじれったさを共有してくれる人はいるのかな。

  • 2016/08/28読了

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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