不連続殺人事件 (角川文庫 さ 2-3)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 173
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100196

感想・レビュー・書評

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  • 最近知り合った友達に、舞台のような狭い空間の中で繰り広げられる群像劇が好きって話したら薦めてくれた本。シニカルで空気がこもっててとっても好みやった。(その子と)さして話してない中でのこのチョイスは素敵すぎる!!!

  •  読もう読もうと思って中々手をつけていなかった一冊。やっぱり、有名なものを抑えておかないと真の(?)ミステリマニアにはなれないかな、と。
     いや、有名なだけある。すごい。綺麗。
     綺麗っていうか、緻密、っていうか。ちょっとね、論理的には見えない部分もあったりなかったりしたが、それでも凄い。凄い伏線。それをいかしきってるの、すごいなぁ。つーかむしろ、こんな犯罪を作り上げた犯人にバンザイ。
     以下反転。
     ただな、高柳はこれを犯人当てるつもりで読んではなかったが、引っかかった部分ではあったんだよ。土居画伯が内海さんを台車に乗っけた部分とか、あやかさんと派手にケンカした部分とか。
     前者は「この人こんなに親切な人か?」っていう疑問で、後者は「何で今回だけこんな派手なケンカしてるんだ?」っていう疑問。後者の方はまさにその点を探偵役である巨勢博士は突いてきてたね。

    04.02.28

  • 大好き坂口安吾!犯人とかトリックはすごくわかりやすいんだけど安吾独特のリズム感ある文章で一気にすらっと読めます。一文章一文章を声に出して読むと特にその文体がますます好きになる。

  • 古き良き素晴らしい本格ミステリでした。
    最後は文学的だなあとしみじみ。

  • 古本屋で購入して実際に読んだ、実写化のワンシーンが表紙になっている文庫がないのが残念(どこの出版社だっけ)

    序盤から、わんさか出てくる登場人物の多さに驚き。
    関係を把握しながら読み進めるのに一苦労です。
    しかし謎解きは「なーるほどー」の一言。
    タイトルもなんだか気に入ってます。

  •  面白かったー!
     うおー推理小説だー、と思いながらわくわく読んでいた。

     第一話での登場人物が多すぎてどうしようこれついて行けるのかなと不安になったんだけど、次々起こる事件についてはそれぞれ明快な文章で入りやすく書かれていたので、読みやすかった。
     ちょっと混乱したら第一話に戻って人間関係見直せばよかったので、これはこれで良かったような気がする。
     序盤はゆるゆる読んでたけど、後半は一気にガッと読み切りました。推理編すごく引き込まれた。

     終わり方も好き。

  • 「人は死ぬ。不連続に」
    確かに連続で死ぬこたあない。
    一斉に死んだら連続って言わないしね。

  • 坂口安吾は以前「白痴」を読んだのですが、それとはまた違う雰囲気で最初は戸惑いました。正直序盤は登場人物の多さ複雑な関係に既にへとへとだったんですが、根気づよく最後まで読んで良かったと思わされました。最後のくだりで目が覚めた。

  • タイトルが秀逸。
    連続殺人事件は数あらねど「不連続」ってなんだろうと
    好奇心が疼いてしまう。

    わたしはABC殺人事件のようなものを想像してたのだけれど、
    実際はかなり違うもの。

    にしても、トリックに関してはいまひとつ。
    金田一少年の事件簿の中にこのトリックを彷彿とさせるような
    事件があったなあと思いだしたり。

    とにもかくにも坂口安吾の文体は非常にすき。

  • 以前から最初の数ページをトライはしていたのですが、今回の出張の移動時間を利用して何とか読み切りました。

    個人的に好きになれるかどうかは別ですが、古典本格推理小説というのはこんな作品の事を指すのだろうという作品。
    思わず「なるほど」と思えます。
    それにしても、初版が昭和49年とは・・・。ふ、古い。生まれてない…。

    冒頭に書いたように、最初の方だけ片手間に読んだのがマズかったと反省。
    とにかく最初の数ページは意図的としか思えない登場人物の紹介紹介紹介・・・。
    いきなり消化不良で、しかも次にこの本のページを開くまでにブランクがあったもんだから、復習のために読み直したからまた大変。
    ちょっとこの辺の導入方法が不満。もうちょっと自然と物語に入り込める方が読者には・・・というか僕には合っている。

    何だかオカシナ人物ばかりが集まり、当たり前のように殺人が起こっていく。
    起こっていくのだが、登場人物誰もが殺人事件をあまり重く見ていないように読めてしまうところも、何だかシックリこない。
    そして登場する警察もまた意味もなく妙な異名を持っている。
    とにかく読んでいてあまりに物語が芝居がかり過ぎていて、そのクドさに慣れないといけません。
    おそらくこれは推理小説のお手本的な本だとは思うのですが、今の一般読者向けかというとさて?!

    本書の裏面に「すべての推理作家が絶賛する・・・」と書いてあったのですが、そのキャッチコピーが理解できるような、できないような・・・。

    まあ、気になる方は読んでみて下さい!


    ◆KEY WORD>>不連続殺人事件(著:坂口安吾)
    時は終戦後のある夏。山奥の豪邸にて詩人、作家、女優など誰もが負けず劣らずの奇人が集められた。
    誰もが互いに関係を持つ男女に次々起こる殺人事件。
    一見無差別と見える事件に隠された意図とは?

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著者プロフィール

(さかぐち・あんご)1906~1955
新潟県生まれ。東洋大学印度倫理学科卒。1931年、同人誌「言葉」に発表した「風博士」が牧野信一に絶賛され注目を集める。太平洋戦争中は執筆量が減るが、1946年に戦後の世相をシニカルに分析した評論「堕落論」と創作「白痴」を発表、“無頼派作家”として一躍時代の寵児となる。純文学だけでなく『不連続殺人事件』や『明治開化安吾捕物帖』などのミステリーも執筆。信長を近代合理主義者とする嚆矢となった『信長』、伝奇小説としても秀逸な「桜の森の満開の下」、「夜長姫と耳男」など時代・歴史小説の名作も少なくない。

「2022年 『小説集 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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