トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043755028

感想・レビュー・書評

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  • シティーというロンドン金融街が栄えた時代。
    一つにディールを背景に様々なストーリーが展開されていく。
    今のシティーはおそらく、この本の時代とは違う。
    様々な話題が飛び交うヨーロッパ。それもまた飛び込んでみたいと思う。

    自分自身が海外で働くモチベーションを高めてくれる一冊。
    世界を相手にしてやってみたい。

  • 素晴らしい。
    言うことなし。
    「アジアの隼」で★5つだった。
    本作はできれば★8つ差し上げたい。

    相変わらず濃く、お金臭く、底知れずリアルで、そして適度なロマンスと家族愛のスパイスも忘れない。国際金融小説のマイルストーン的名作。
    複数パーティの利害がぶつかったときのハンドリング等、シローンじゃなくても応用可能なヒント(?)がたくさん。「My word is my bond」も渋い。こんなビジネスマンでありたい。

    新作は是非BRICS、VISTA、天然資源市場あたりをネタにしていただきたい。


    1億円を優に超える年収には、人知れず漏らすため息や家族の涙の値段も入っている。(P213)

    間もなく時速1060キロに達し、音速の壁をあっさりと突き破った。(中略)時速2000キロに近づいていく。「人間が音の2倍の速さで地上2万メートルの高さを飛ぶ。こいつは神をも畏れぬ所業だな。」(P224. コンコルドすごすぎ)

    アラブ・ボイコット(アラブ側がイスラエル製品やイスラエルと取引している企業をボイコットすること)(P369、すごすぎ)

    半人前の人間は相手の話も聞かずに声高に自分の主張を繰り返すが、優れた交渉者は、まず相手の言い分をじっくり聞くものだ。(P402)

  • 日系金融機関に勤めているひとなら感じたことのあるだろう感情がうずうず土からもちあがるように押し寄せる。そして、外資系金融機関に勤めているひとが感じているのだろう感情がふつふつと血のように流れている。

    シ・ローンの世界。これは知らない言葉や物事があふれているけれど、簡潔にふれられていてなおかつ伝わってくる躍動感。

    小説の中では、今西、龍花、どちらにも感情移入してしまう。ひとが考えていたり、悩んでいることはわりと10年くらい変わっていないのかもしれない。

  • 金融ビジネスの上流ではこんな面白い駆け引きが繰り広げられてるんだなー末端で債券とか売ってるだけでは分からないね。憧れとかはないけど。

  • シンジケート・ローン、面白い!そのダイナミズムと苦労と黒さを手に取るように感じた!世界中を飛び回るスケールも大好きだ。

    粘り強さ、交渉力、緻密さ、英語力…自分に足りない要素が随所に出てくる。やりたいならば今から日々頑張るしかない。

    今いる場所でやれるだけのことをやりたいとモチベが上がる本である。

    だが一方で、なぜそこまでする?というムダな結末が好きではない。自分が作者なら違う結末にしたけど。龍花は龍花で気持ち分かるし。その分☆1つ減らします。

  • 何年かぶりに再読。

    とてもデビュー作とは思えない、傑出した出来栄え。
    緊迫感ある国際金融のビジネスシーンや、登場人物が織りなす人間模様といった描写は、感動的ですらあります。

    日系金融機関に勤めたことのある人間なら誰もが抱くであろう感情の描写には、深く感情移入してしまいます。特に、龍花の生きざまには、惹かれてしまいました。

    金融機関勤務者や希望者にはお勧めです。

  • この手の本はすぐ時代遅れになってしまって後から読むと厳しいのは事実。でもまあ、徹底したリアリティと怒涛の展開でまずまず面白かった。

  • ハノイ、ベトナムなどを舞台とした作品です。

  • 金融に疎いので勉強のために読み始めた人生初の経済小説。

    はまった。。笑

    国際金融のダイナミズム、スピードを感じることができる1冊。
    と、同時に邦銀のいけてなさをひしひしと感ぜずにはいられない1冊。

  • 外銀と邦銀のコントラストが面白い。金融小説の代表作。

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著者プロフィール

黒木 亮:1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社を経て2000年、大型シンジケートローンを巡る攻防を描いた『トップ・レフト』でデビュー。著書に『巨大投資銀行』『エネルギー』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『冬の喝采』『貸し込み』『カラ売り屋』など。英国在住。

「2021年 『カラ売り屋vs仮想通貨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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