小国の兵士ミラ(♂)は、大国である隣国の王子アレクシス(♂)に気に入られ、付き纏われるようになる。アレクの言動に戸惑いながらも、助けられた事もあり、好意を抱き始めるミラ。そんなある日、王子は告げる──「トナタスの孫・ミラは既に死んでいる」と。
たぶん、そんなお話。
第13回目えんため大賞特別賞受賞作なのだそうです。
ラブコメやホモは好きじゃないので、普段なら手に取らなかったと思うのですが、学生時代から15年以上付き合いのある友人が「友達が出したの! 面白いから読んでみてくれ!」と押し付けてきたので、奴が言うのなら良いのだろうと読んでみました。
不穏な雰囲気で始まった冒頭。うきうきと読み始めてみたのですが……その後は結構平和です。
帯にでかでかと「変態ストーカー」と表現されているアレク王子に期待してみたのですが……残念ながら(?)変態と言うよりは、愛が募り過ぎた余りに頭の螺子が4~5本抜け落ちて、おつむと理性が緩みまくってるだけの印象でした。
いわゆる、「残念な美形」的な……? いや、顔だけじゃなくて、立ち居振る舞いや剣の腕等も素晴らしいだけに、なおさら残念な……。
物語としては複雑な伏線も無ければ、目を見張るような急展開も無く…色々な意味で安心して読める作品でした。
文も丁寧な描写の印象的な、読み易い文章で、さらさらと読めてしまいました。
カゼルラに向かったアレクやミラ、レームのその後を読んでみたいなぁ、と純粋に思いました。
次回作も期待したいです。(続編だったら、今作とセットで買っちゃいそうだ…)
個人的にはモニカ王妃とロスターパパが大好きです(笑)