愛蔵版 冷静と情熱のあいだ (文芸シリーズ)

  • KADOKAWA
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感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048732932

感想・レビュー・書評

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  • 2013.8 ☻

  • 本の厚さにたじろぐけれど、急速に進まない恋愛小説だからそれでいいのかも。ハッピーエンドに傾くような終わり方。私としては二人が会わないで終わってもよかったかな。

  • 最も好きな恋愛小説。

  • 江國さんは、『rosso』で、葵の順正に対する想いが冷静から情熱に変化する過程を描いた。
    それに対し、辻さんは『blu』で、順正が葵への冷静な想いと情熱的な想いのあいだを行き来する姿を描いている。

    両者の違いが、作者の違いか男女の違いか。
    心の機微がとても繊細に表れてくる。

  • 最後の感情のグラデーション実況は秀逸。

    熱が引いていく感覚が残酷なまでに伝わった。
    でも最後に「冷静と情熱のあいだ」くらいの熱に戻ることができてよかったね。

    時間は残酷という表現について考える機会になった。この表現を使う人は、「変化」をコンプレックス(負け意識的な意味で)ととるんだな。あまりに悠然と流れ、全く他に動じない「時間」への、人間が放つ負け惜しみなんだなと考えさせられた。
    「変化」を深刻に考えすぎない、野太い人間になろうと思った。

    *****************************
    2012.7.26
    実際にフィレンツェに行ってきた。もちろんこの重い本と共に。

    芽実の「排他的な街」という表現がすごくしっくりきた。

    中世から500年近く姿を変えることのない石造りの町並み。というか姿を変えないようにしている街並み。
    人の生活に合わせるのではなく、人が生活を合わせている街ですね。
    悠然としたたたずまいの風景には、どこか寂しさを感じました。でもそれがカッコイイ!!

    ドゥオモのクーポラも登った。


    この本の聖地巡礼をしたわけだが、フィレンツェは観光地で賑わっているから、この作品のような重たい雰囲気を味わいなら場所を選ぶと良いです。

  • もう何度読んだか分からない。
    読むたびに好きになって、読むたびに切なくなる。

    冒頭がすき

    阿形順正は、私のすべてだった。
    あの瞳も、あの声も、ふいに孤独の影がさすあの笑顔も。
    もしもどこかで順正が死んだら、私にはきっとそれがわかると思う。どんなに遠く離れていても。
    二度と会うことはなくても。

    ――人の居場所なんて誰かの胸の中にしかないのよ。
    クリスタルグラスにいれたアマレットが無性に飲みたくなった。

  • 昔の恋人を忘れられない女性が、別の男性と海外で生活を共にするお話です。文章がとても美しく、絵國香織さんの入門書だと思います!!
    愛されているのに孤独な主人公が印象的です。

  • 友達が貸してくれて再読。半分くらいストーリーを忘れていた。映画もたぶん、チラッと観たことがあると思わしくたまに情景が浮かんでくる。たしか順正を竹野内豊がやっていた。
    舞台がイタリアというのがいいな。なんたってご飯がおいしい。
    以前読んだ時はほとんど気にも留めなかった「外国人」の意味を少し考えた。イタリアに15年住みながらイタリア語を話そうとしなかった(話さなくても暮らせたんだね)アオイの母。アメリカ人会は嫌いでもその生活スタイルは変えず、イタリア人のパーティは苦手なMarv。そして順正もアオイも帰国子女で日本では自己の居場所がかなり不安定である。私は日本生まれ育ちだけど、国が居場所であると言う感覚はよくわからない。東京に出てくる地方の人が「地元」を拠り所にするようなものなのだろうか。同じような感覚はうちの息子は持っているようだ。
    アメリカの小説を読むようになって、おばあちゃん達のパワーを知った。再読した今回も、順正の祖父やおば、アオイの周りのおばあちゃん達に尊敬の念をもつ。もうあちらの年齢のほうが近いのだけれど全然なってない自分、がんばれ。
    待ち合わせの場所に開館前から来る順正、閉館ぎりぎりに訪れるアオイ。くすくす。

  • 切なくて 苦しくて
    でも暖かくて 幸せ
    恋愛モノは滅多に読まないけど
    スラスラ読める感じ フィレンツェに行きた

  • 長かったが、続きが気になり、読んでしまいました。あおいはさらっとしていて、じゅんせいはすごく執着しているように感じた。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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