からくさ図書館来客簿 ~冥官・小野篁と優しい道なしたち~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048917049

感想・レビュー・書評

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  • 小野篁と斎院が、冥府の役人としてこの世に再び現れる。
    京都の北白川に小さな図書館を作り、そこで成仏できない者を見つけて冥府に送る役割をしている。
    短編連作で、実際に悩みがある現代に生きている人間と、その人に取り憑いた道なしを成仏させることで、人間の悩みも解決に導いていく。
    ファンタジー小説です。

  • メディアワークス文庫。やっぱり、他の本の巻末広告を見て
    「面白そう」
    と、思ってリクエストしてみた。

    著者もまったく知らんし、内容もほぼ知らんまま読み始めたんやけど・・・。
    第二話の半ばくらいまでは、なんともいえない手触りの本やった(笑

    面白くないわけでもないし、むしろ面白いんやけど、なんやろう、距離感がつかめないというか・・・?
    結構な設定を放り込んできてるわりには説明がほとんどないし・・・
    と、思っていたら、第二話含め、その後の第四話まで読んだらいろんなことがわかった。

    で、面白かった・・・! つづき・・・!!!

    調べたら、続きは5冊くらい出てるようやのに、図書館に蔵書はない・・・。涙
    大変肩身が狭いけど、リクエストしよう・・・。
    だって、時子や篁の出会いや、二度目の出会いまでのいきさつがやっと見えてきてんで!?
    面白くなるのはこれからでしょうよ!!

    この「転生」モノって、年齢とかスッとばしてキャラが動いてくれるのが、いいね(笑)。
    実際の年の差を考えると、時子は子どもやし篁はおっさんなわけやろ(笑)。

    (それをいうたらミもフタもない)


    チョイチョイ名前が出てくる安倍晴明が上司っていう設定もいいな!
    今後登場することがあるんかな。

    執事キャラ(?)な篁をSキャラで妄想したらそりゃあもう色々なネタがあるんやろうけど、残念ながら私はS的なキャラも執事もさほど惹かれないのでそこはスルーで。
    むしろ篁がヘタレ攻めのほうが好み(でた)。あと、時子にメロメロすぎるところとか。

    第二話の冒頭で上目遣いでのお願いをわざわざ時子にさせる、みたいな展開になったときは、ここに恋愛感情を想像してなかったのでふつうにびっくりしたよ!


    今時の料理人のような小森くんが、施餓鬼会について知ってるのも
    「スゲッ」
    って思ったけど、彼の実家でこの行事をやっているというのもすごい。こういうのが
    「さすが、京都」
    と、サラッと流してしまうから、京都のイメージがこう、だんだんすごいものになってくるんだよね・・・。(;^ω^)

    (2016.06.11)

  • 図書館というよりはネットカフェのような私設図書館が舞台のお話。
    平安時代・霊、というワードだけ聞けば高名な陰陽師が頭に浮かぶけれど、これは小野篁が主人公で、怨霊退治ではなく天道に行けるはずなのに心残りによって現世をさまよっている道なしを連れていくのが仕事。

    小野篁といえば、昼は朝廷に仕え夜は六道珍皇寺の井戸を通って冥界の官吏として働いていた、という逸話があることくらいしか知らなかったけれど、「野狂」とあだ名されていたとか、嵯峨帝の不興を買って隠岐に流されたことがある、など思っていた人物とは違う話が書かれていて面白かったです。
    時子様の過去も、今までまったく考えもしなかった苦悩があって、皇女として生まれながら、あんなにも理不尽な余生を送らせられたという、あまり描かれない生活などを知ることができて興味深かったです。

    ただ、タイトルに図書館とあるものの、縄張りとして図書館という建物を使っているだけで、本がメインの話ではないですね。

  • ここ、ブクログさんの献本企画でいただきました。
    手元に届いてからずいぶん時間経過してしまってすいません。
    もう少しひとつひとつの話に読み応えのある長さが欲しかったかも。
    「図書館」の文字に惹かれて応募したのですが、想像してた雰囲気とはちょっと違ってました。
    面白ければ次巻も・・・と思ってたのですが、好みではなかったです。

  • いながらにして異国にいくことができる
    いながらにして異世界にいくことができる
    いながらにして異時代にいくことができる
    人間の想像力って 素敵ですね
    小野篁さんが1000年後の今
    図書館の館長として、
    もしいたら
    その発想が面白いですね

  • からくさ図書館来客簿シリーズ、第1集です。

    からくさ図書館を訪れる人々が抱えている、あの世とこの世にまたがる問題を、
    図書館長(=地獄の閻魔の庁の役人・冥官)小野篁と、図書館員(=冥官見習い)時子様が解決へ導く小説です。

    私はもともと歴史に疎く、妖怪・ホラー小説の類もあまり読まないのですが、今回は、小野篁と時子様の人柄に惹かれて読んでみました。
    小野篁が異性に対するちょっとクセのある発言をすれば、すかさず時子様が腰にケリを入れるという・・・

    読みやすくて面白い、ちょっと歴史の知識も増えて、じんわり温かい物語です。
    私の周りにも優しい道なしがいるのかなあ。
    会ってみたい気もするようなしないような…。

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/782718

  • 献本企画で当選しました。
    タイトルに図書館とあったので期待しましたが、図書館が舞台という感じではなかったです。
    主人公たちが現代人ではなく、時代考証もされているとは思いますが、文章に関しては、私には少し読み進め辛かった部分が多々ありました。

  • 冥官となって地獄でも働いていたとされる小野篁。
    彼は現代でも迷える道なしを探し、天道に連れていくために創った拠点「からくさ図書館」で、見習い冥官の時子と共に仕事をしている。

    図書館というタイトルに惹かれて買ったが、図書館は仕事場というオプションで、メインは道なしとそれに憑かれた人たちのお話。

    小野篁という歴史上の人物に興味を持って調べたら、なんと竹駒神社を作ったお方じゃないの!!
    その事が知れただけでも良かったと思った。

  • 不思議な図書館、こんな風な雰囲気の場所にあこがれてしまいます。
    それぞれの話はちょっとほろにがかったりするのもあるけど読み終わったあと、前向きであたたかい気持ちになれます。

  • (15-90) 初読み作家さん。
    ブラウスの上から十二単という不思議できれいな表紙に惹かれ手に取った。
    私立図書館の館長が小野篁!なんて私好みのお話。好感が持てたのは、邪悪な霊を調伏するんじゃなく、本当は善行があったから天道に行けるのにうっかり迷った魂を救う話だということ。だからどの話も読後感が良かった。
    篁と姫の過去のいきさつも、ところどころに挟まれていてバランスが取れていた。満足です。

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著者プロフィール

第17回電撃小説大2010年に『典医の女房』で、短編ながら第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉を受賞。受賞作を大幅加筆した『霧こそ闇の』でデビュー。既刊は『からくさ図書館来客簿』シリーズ他。

「2022年 『あなたと式神、お育てします。第二集 ~京都西陣かんざし六花~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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