すべてがFになる (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061819016

感想・レビュー・書評

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  • プログラミングどころか算数すらあやしい自分にとってはとてつもなく難解な解説だったが、未知の分野を知るのはおもしろかった。
    トリックとしては理論的には可能だが実現は不可能という感想。

    賢いキャラを描くのには作者の知性も必要になってくるが、森さんはとても賢い方なんだと分かる。
    登場人物も賢い人ばかりで、凡人には理解できない側面も多く少し気に障るところもあったが許容範囲だった。
    というより登場人物の人間性は全員どこかしらひっかかった。
    それも計算のうちかもしれないが、やっぱりムカつくので星4つ。

  • アニメでやっていたので、原作を読んでみた。今ひとつかな。

  • 再読。S&Mシリーズの最終巻を読んだら最初に戻りたくなった。この本で初めて萌絵ちゃんと犀川先生が真賀田四季に出会ったと思うとなんだか感慨深い。真賀田四季がとっても魅力的!天才プログラマ。プログラムを書くように簡単に人を動かす。今度は四季シリーズを再読したくなる。「7は孤独な数ですね…。孤独を知っている者は泣きません」「四角いプラスチックの黄色いブロック…、それは、立派なおもちゃの兵隊になることを夢見た小さな孤独だった」

  •  ドラマは観ていなくて、アニメからこの作品を知りました。
    原作も面白かった!すべてがFになるという、メッセージの意味やコンピュータの説明はほぼほぼ理解不能でしたが、登場人物たちが個性的で魅力的だったし、ラストも良い意味で裏切られた感じで、あんなに薄気味悪い光景が出てくる作品なのに、読後感が爽やか。不思議な魅力のある作品ですね。
    読ませる作者だな、と思いました。
    森博嗣さんの作品をすべて読んでみたくなりました。

  • 美味そうに煙草を吹かし不純物の混ざらない珈琲を好む主人公、犀川創平

    孤高の天才、真賀田四季

    光速の演算能力を持つお嬢様、西園萌絵


    非常識なトリックを産み出す森博嗣



    私はギャンブルと酒を飲む時以外、煙草を吸いませんでしたが、森博嗣の【笑わない数学者】を読み煙草の量が増え、同時に嫌いだった缶コーヒーが不味く感じるようになりました。


    作中で語られる液体と固体の話が好きです、私は自分の固体を保てる人間程優れていると思います。
    しかし残念ながら固体と固体が衝突しあい角が取れ様々な経験に撹拌され液体人間に成っていくのだろうなと思います。

    少しだけ多重人格に憧れます。




    さぁ、煙草でも吸いにいこう...

  • ドラマ化を機に。森さんは3冊目?かな?
    やけにコンピュータ用語の説明が丁寧やなと思たらおよそ20年前の作品。身近になったもんですなー。デジタルネイティブっていう言葉をふと思い出して調べてみる。我々世代はデジタルイミグランドとゆうのか。
    Fの意味が難しすぎる…分かるか!

  • 孤島の研究所で起こる密室殺人。
    早見あかりさんが真賀田博士役で『すべてがFになる』ドラマ化ということでひさしぶりに読み返した。S&Mシリーズはテンポよくスラスラ読める。部屋から強引な脱出、そこからの逃走は何度読んでも見事。真賀田博士の圧倒的なカリスマ性をどう表現するのかな。とても楽しみ。
    しかし、手足を切断した理由もそうだけど、密室のなかでひとが増えたのは部屋のなかで出産したからだ!とかものすごく理系っぽい考え方で笑える。単純に引き算をこなしてる感じ。感情論とかが邪魔しないで、シンプルに物事を考えられたらもっと賢くなるのだろうか。
    S&Mシリーズを読み返そう。理系のひとのように冷静に物事を見よう。

  • 何年振りになるのだろうか、久しぶりに3度目か4度目の再読。
    登録時に読了日を指定しないになっていたので、再登録。

    内容も結末もわかっているのに、気持ちいいくらいの面白さ。
    何度読んでも痛快に面白い!!
    読後の心地良い高揚感がたまらない。

    再読という視点でみると、
    2013年現在の森博嗣作品と比較すると、
    デビュー当時の氏の作品のなんと饒舌なことか!!
    懇切丁寧に心理描写や状況描写がされていて、
    こんなときもあったんだ?! と。
    最近は洗練されすぎて、いろんなものを削ぎ落とし過ぎた
    文章になっているから本当に驚いた。

    真賀田四季に関する15年前に事件をクローズアップするためにも、
    四季シリーズを再読してみたくなるけれど、順番に読もうか。

  • 事件の実際は、犯人以外のそれを追う人間にとって、解決への道筋は細い線である.方法が巧妙であるほど事件の手がかりをたどる線は細くなる.犯人の動機に由来するその細い線を解きほぐすのは、一見無駄に見えるささいな人間的な思考なのだろう.

  • 天才的なる理系小説。犀川と萌絵の天才コンビが、孤島の奇才マガタ女史の密室トリックに挑む。密室から出てきた死体は手足が切断されたマガタ女史自身。誰が何のためにどうやって殺したのか。寒気がするほどのリアルな描写と、人間の真理描写が、森さんならではの俯瞰かつ完璧なロジックで語られる。すべてが布石。「すべてがFになる」の意味とは?ページを捲る度にゾクゾクする展開力。

    個人的には、ビルのクレーンを運び出す方法と、死体を運び出す方法をリンクさせるのが良かった。

    作中名言 「自然を見て美しいなと思うこと自体が、不自然なんだよね。汚れた生活をしている証拠だ。窓のないところで、自然を遮断して生きていけるというのは、それだけ、自分の中に美しいものがあるということだろう?つまらない仕事や汚れた生活をしているから、自然、自然ってご褒美みたいなものが欲しくなるのさ」

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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