愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061847392

感想・レビュー・書評

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  • こういう、女性を空洞化させただただ動物として扱っているストーリーないしは文体は嫌悪感を感じる。
    テーマは面白いんだけどねえ、こういうの、中村文則あたりが書いてくれないかしら。

  • 終盤が駆け足だったのが残念。

  • 昔読んだときは、面白く感じたが 

    今読むと、無駄なマッチョイズムというか強者強制論というか 古臭い印象を受けた。

  • 個性豊かなキャラクター達が、巨大権力に戦いを挑む、という構図は一男子としてワクワクせずにはいられません。

    主人公当時のカリスマ性、ぞっとするほどの残忍性も非常に魅力的です。

  • だが、ふり上げた腕のすき間から見た日本という親父は、化粧の厚いオカマだったというわけだ。

  • ハンパじゃない

  • 農耕民族に支配されたこんな世の中じゃ
    誇り高く生きるなんてできやしない
    ジンギスカンの時代はよかった、シンプルで良かった
    強い奴には、神様の承認があるってな感じで
    とにかく強けりゃカリスマだった
    今はだめだ
    すべての人間は、平等に幸福を享受する権利があるなんて言って
    そんなのゆすり屋とたかり屋の理屈だ
    よってたかって持ってる奴からむしりとっていきやがる
    許せん
    だが俺は違う、俺は狩猟民として誇り高く生きるぜ
    なんて、言ったかどうか知らないが
    そんな感じで日本を逃げ出した鈴原トウジは
    カナダのホテルの粗末なディスコで相田剣介(ゼロ)に出会うのだった

    ファシズムというのは、様々な解釈のできる概念だけれども
    一般的には、だいたいそんな感じだろう
    要するに、弱者から槍玉にあげられた強者(自称・他称は問わない)の
    逆ルサンチマンとでも言うべきものである
    しかしだいたい、農耕民族も狩猟民族も
    自然というシステムを相手にしているという点では似たようなものだ
    トウジは狩猟を命のやりとりみたいに言ってるが
    農耕だって、用水路に流されて死ぬ人が毎年いるのである
    むりくり自分の立場を特権化して
    カリスマであるように見せかける、そのためには宣伝だ
    あと二枚舌、裏工作
    自分の手を汚さず邪魔者を消すためには私設警察と、毒薬である
    せこいやり方だ
    おりしも、世界は大恐慌時代に突入したところで
    これに乗じたふたりは、わりあいやすやすと自分たちの勢力を拡大していく

    この小説が発表されたのは84年から86年にかけてのことである
    ちょうど「プラザ合意」をはさんだ時期で
    その頃には、けっこうリアリティのある設定だったかもしれない
    その後、先進国は安い労働力を後進国に求めるようになり…
    結果として、恐慌は先延ばしされるのだが

  • 経済のグローバリズムの進行と、それに呼応する形で台頭するファシズム…
    ってなんか今の情勢みたいですね。
    物語と現実の違いは、経済がそこまで破綻してないのと、カリスマが登場してないことくらいですか。
    80年代にここまで書いてたんですか…すごいですね。

    さて、物語は佳境へ。
    下巻も楽しみです。

  • あーやばい。69読み返したくなったわ。裏返しみたいね。
    宣伝、カリスマ、右翼、左翼、大きな物語、システム、神経症、生きること自体の目的化、欲望、快楽、アイデンティティ、映画、芸術、思想…
    ぜーんぶ、幻想。結末を読むのがこわい。
    2014/09/23読了。

  • レビューは下巻にて

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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