愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061847392

感想・レビュー・書評

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  • 良い悪いではなく、生態系の観点からの事実だけを述べた作品。

  • 今の時代にこういうのを読むと、
    いい感じでダブるからおもしろい。挑戦的な言葉でストレートに語るから、いまいち煮え切らなかったり、停滞してたり、不満があると、それら挑戦的な言葉に共感し、そして熱狂へ変えてくれる。
    適者生存をそのまま当てはめると、こんな風になるのかと思った。適者生存理論では、より強い者が生き残るのではなく、より賢い者が生き残るのでもなく、より変化できる者が生き残るのだ。弱いものは淘汰される。淘汰されるべき者に余分な救済を与えてしまったがために、不足分が生じ、
    システムの上部以外の者が苦しむ。システムの上部は下部と完璧にリンクしてるようでしてなく、下から上には行けない。そして、人間の作ったそのシステムから逃れることはできない。システムから離れるとたちまち生きては行けなくなるし、新しいシステムを必要とする。下はいつまでたっても、何も変わらないが、上はどんどん大きくなる。絶望的な格差、富、利権、はびこる老害、無能に対してどのようにして、シンプルなダーウィニズム(ダーウィニズムを中心に据えているわけではないだろうが…)が風穴を開けるのか下巻に期待したい。刺激的な語句が随所に散りばめられて、欲望と快楽で血の気が多くなりそうで、今夜も寝れそうにない。ここに、欲望は内から出るものでなく、外から与えられるものだとぼくは身をもって知る。

  • 『圧倒的』

    一言で表すなら、そういう話し。


    民主主義に嫌悪を覚える方、
    現代にはびこる平等主義や弱者救済にうんざりしてる方は
    文句なく熱中できると思います。

    こんな凄い作品があるのに、
    なんで世の中は変わらないんだろう…。


    後半失速するのと、
    終わり方が個人的にイマイチなので★4つ。

    だが、歴史に残る読むべき作品。

  • そこそこの感性と意識の高さを要求するかもしれない。つるっとは読めません。しかし素晴らしい作品。

  • 上下巻。読破四度目。生粋のハンター鈴原冬二が政治結社-狩猟社を立ち上げ若きカリスマとして米ソの影と戦う。彼は弱体化しきった日本の救済者か破壊者か。冬二とその元に集う各分野のエリート達が水滸伝の梁山泊を想起させる。村上龍ではベスト。最高。

  • 韓国の李大統領は10日、日本が中止を要請したにもかかわらず竹島への訪問を強行した。
    そんな日に私はこの本を読んでいた。
    あんまり関係無いんだけどね。

    そのニュースもあいまって
    とても興味深く読むことができた。
    (実際には「愛と幻想のファシズム」よりも「半島を出よ」に近い状態ですが。)

    この小説が書かれたのは日本が弱り始めた1990年
    それでもまだ、小説に登場するファシストの敵は世界だった。

    良くも悪くも村上龍の作品は描写が刺激的だと言われる。
    今作は描写に刺激的な部分が少ない分、
    思想がとても刺激的だ。

    言い換えれば、
    日本人の奥底に眠っている思想を刺激する作品だ。

    なんつうか、贅沢な作品だと思う。

  • 福満しげゆきファンなら必読書。
    スト制圧編が長くてだるい。

  • カリスマ鈴原冬二を党首とする政治結社「狩猟社」。私設軍隊「クロマニョン」と豊富な資金力をバックに、日本をあるべき姿「弱者・精神的奴隷不要の狩猟社会」へ戻すため立ち上がる。20年以上前の小説ですが、今でも当てはまる事象は多々あり、作者の想像力に脱帽。

  • 登場人物たちの思考・行動に気持ちの悪さを感じて上巻で挫折中。

    いつかきちんと読みたい。

  • 村上龍 おもしろいぜい。

    書かれた時代が時代なので、?な部分もありましたが、
    今現在の日本に当てはまる現象か!

    登場人物がかっこいい。
    ミッシェルを聞きながら読めます。はまります。
    特に終わり方がいいです。
    ゼロフォーエバーです。

    ファッショとささやかれた某新会を思い出しますが、
    国歌斉唱時に起立強制ができない方に教師でいられる方が個人的にとても怖いっす。もし鈴原冬二だったら発狂させられてるよw

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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