愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061847392

感想・レビュー・書評

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  • 読了

  • ずいぶん前にさらっと読んだのだが内容を忘れたので、再読。上下巻で1000ページあるので結構時間がかかったが、面白い。ある種のピカレスクロマンのジャンルとも言えるが、当時の経済状況の予言的な内容を含んでいるので、発表当時もかなり話題になった作品。経済に関する記述はかなり専門的で、ちょっとぶっ飛んでるところもあるが、本当によく勉強されたんだなぁと呆れるばかり。1990年当時がモデルになっているのだが、僕はむしろ今の経済状況をなぞっているように感じられる。作中には「ザ・セブン」というアメリカのを中心とした大企業の集団が国民国家という枠を超えて、政治をコントロールし、果ては一国家の通貨や経済体制を破壊する強力な力を発揮するのだが、こういう流れは今の時代にもっとも顕著な動きがあるように思えてならない。国民国家という枠組みが生まれて実はその歴史は驚くほど浅い。国家ではなく企業という単位が政治に関与する流れはこれからも加速していく行く末を案じるも落として、暗澹たる気持ちになったのは確かだ。

  • ドライブ感というか疾走するかのごとく、たたみかける感じがある上巻が好きで購入。

  • コーギアスが好きならすき。

  • 2014.1.4
    90年以降の現実の世界情勢との符合がかなりあるね。ザ・セブンとかグローバル企業が国家よりも力があるとか、今そういう感じだもの。

  • 鈴原冬二はハンターであり、ファシストである。
    ゼロと共に政治結社「狩猟社」を立ち上げ、選ばれた人間たちを集め
    自力で生きれない弱者を排除した強者たちだけの狩猟社会を取り戻すために成り上がっていく。

  • 上下巻の感想をまとめると、上の方が面白かったなって思うけど、たぶん出だしの勢いがかっこいいからそう感じるんだろうな。一貫して主人公の語りで進む。終盤は野生が老いていくようなもどかしさがある。面白かった。

  • 難しいところもあるが、スピード感があってぞくっとする。
    ハンティングと政治を組み合わせるあたりが尋常ではない。
    先が読みたくなるような終わり方がもやっとさせつつも、ある意味なんとなく納得。

  • 下に

  • 暴力的で理不尽で無慈悲。普通の感覚ではなく、どこか壊れた主人公たちが壊れた日本のシステムを容赦なく破壊していくお話。
    読み進めて行くうちに、誰しもが心の奥底に持っている破壊衝動のようなものを強烈に揺さぶられ、一気に主人公たちに感情移入していく。
    割と分厚い本だが、一気に読めてしまう。本当に素晴らしい作品。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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