- Amazon.co.jp ・マンガ (364ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061859937
感想・レビュー・書評
-
水木しげる氏の作品『総員玉砕せよ!(1995)』の文庫版を読了。内容も水木しげる氏の”あとがき”も足立倫行氏の”解説”も良いですな。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一体なんのために、人ひとりの命が虫けらのように潰されていくのか…。辛い。虚しさ、悲しみ、怒り、読み終えたあと、そういった感情に包まれた。
辛いしきつい内容ですが、是非、ご一読いただきたい。 -
有名な本なので、読む前に粗筋を知ってしまっていた。
酔っ払って読んでしまい、人物の区別がつきにくかったので、素面の時にまた読む -
実態はこんなものだったのか。『特攻セズ』でもいい加減さにあきれたが、本書で水木氏が描いたニューブリテン島バイエン(ズンゲン)での様子を見ていると、やってることは稚拙で、兵隊は人間扱いされず、支隊長は己の美学に酔い、参謀は玉砕の形を繕おうとする。戦争って何?誰のため?いったい何のため?と思ったが、登場人物も作中でそう述べ、実際戦場でそう言われたようだ。漫画本編もだが、あとがきの2ページにも満たない水木氏の簡潔だが重い文章がずんと響く。水木先生、すみませんでした。本書はもっと早く読むべきでした。
-
悲惨。あっけらかんとした日常のすぐ横にある死。玉砕せよなんて今の価値観で言えばアホらし過ぎるけど、当時はそれが正で、怖い時代。
-
ユーモラスで飄々としたタッチで、淡々と悲惨な内容が続くので、戦争の非情さ、一人一人の人生が無いものとされていく様子が伝わってきます。
今の時代でも後ろ向きなニュースが多いものの、生きていればこそ…人はどうにでもできる、と改めて前向きな気持ちになれた。 -
この夏は「ゲゲゲの女房」に本当に夢中になった。
ドラマの中で水木しげるさんが、戦争の虚しさを伝えるために『総員玉砕せよ!』という漫画を描くと力強く宣言していて、そのシーンを見たとき、ぜひとも読んでみたいと思った。
タイトルからして今では考えられないような言葉だ(誰がするか!って思う)。
漫画の中で兵たちは「やれんよ」という言葉をよく使っていて、今でいうとたぶん「やってられんわ」という意味だと思うのだが、まさにあんな地獄のような状況で、そして人の命を消耗品としか考えていない上官たちの下で命をかけて戦うなんて僕には絶対に無理だ。
最後の数ページのあまりにグロテスクな描写には、戦争に対する水木さんの怒りがありったけこめられていると思う。
ビックリしたのは、ドラマの中でアシスタントの人(菅ちゃん)が言っていた通り、水木さんの点画へのこだわりが半端ではないことだ。
「これほんまに人が描いたんか!?」って思うくらい、非常に細かく丁寧に描かれている。
おそらく1コマ描くだけで相当な時間がかかっているだろう。
また、レタリングもものすごく上手でため息が出た。
終戦から65年が経ち、戦争を体験した人たちが少なくなってきたといわれている。
戦争を知らないからこそ、その悲惨さと愚かさ、そして平和の意味を考えることは大切だと思うし、日本をここまで豊かな国にしてくれた僕のおじいちゃん・おばあちゃんの世代の人たちに感謝しなければならないと改めて感じた。 -
クライマックスの「女郎の歌」を兵士みんなで歌う場面のコマ割り、水木作品全体のなかでもかなり珍しいものでは。
-
玉砕する話