麦の海に沈む果実

著者 :
  • 講談社
3.91
  • (310)
  • (220)
  • (346)
  • (17)
  • (5)
本棚登録 : 1494
感想 : 262
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062101691

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白かった。
    あらすじの時点で絶対好きという確信があったけど期待を裏切らなかった。設定とか展開とかTRPGのシナリオみたいという印象。
    やっぱり寄宿舎ものと弱さのある登場人物が好みみたい。

    この先どう展開するのか一切読めなくて、急にぐんとストーリーが進む感じ。とくにラストは怒涛で丁寧に読み込みたいvs一字一字受け入れるのがしんどい、と葛藤した。

    基本は理瀬の目線で描かれていて地の文で心情描写があるけど、読者が理解できるのはほんの一部で、感情移入しきれない不安感に背中を押されてどんどん読み進めたくなる。

    壮大な世界観のファンタジーでありながら、人物描写が浅くないのがよかった。まだ10代の子供たちが、自分を守るために身につけた人との関わり方がすごくリアル。

    ここを出た子供たちはどのような人生を歩むんだろう。校長はただただすべてを自分の手の内に置きたかっただけなのだろうか。明かされていない謎が多い。そういえばこの学園の名前は?

    結末まで知った上でもう一度頭から読み返したい。

    追記:シリーズものになってることを後から知った。読破したい!

  • 4.0

  • りせ!
    良いわあ!

  • とにかく、今年中に読んでおきたかった1冊。
    「三月は深き紅の淵を」にもチラリと載っててとても気になってたし。

    北の果ての大湿原の中にひっそりとたたずむ
    全寮制の学園。
    二月の終わりにやってきた転入生は学園を破滅に導く。

    すごく非現実的な学園と
    優秀で美男美女揃いの生徒達。
    男でも女でもどちらも完璧な校長。

    ほんと、昔の少女漫画のようなありえない設定は大好き。
    でも、それだけじゃなくて
    なんていったらいいのか、そういう設定の中で
    次々に人が死んで、謎があって。
    そういう、ミステリーの部分がまた、たまらなく面白い。

    あたしはきっと、こういう小出しにされた謎解きが大好きなんだと思う。

    あー、この本、夢中で読んでしまった。
    これから「黄昏の百合の骨」読みます。

  • 全寮制の学校に転校してきた理瀬の物語。
    学校では不可解な事件が起こったり不気味な雰囲気が漂っており、ハラハラしながら読みました。
    特に事件を調べてる聖はやばい真実を見つけて殺されてしまうんじゃないかと…。
    プロローグで哀愁漂う感じがあり、ただ過去を思い出してノスタルジーになってるのかなと思ったらそういう結末かあ…と少し寂しくなりました。
    キャラそれぞれの想いや思惑の絡み合いが種明かしされていく最後の場面は、描写されている状況にドキドキしながら、一気に読んでしまいました。

  • 北国の中高一貫の全寮制の学園で次々と起こる不可解な事件。周りを湿原に囲まれ外界とは隔絶した陸の孤島、湿原の海に浮かぶ三角形の青い丘にある元修道院だった学園はフランスの海辺の修道院を思い起こさせる。
    この学園では「三月以外に入ってくるものがあれば、そいつがこの学校を破滅に導く」と言う伝説がある。主人公の理瀬は何故か「二月の最後の日」に転入してきた。何故理瀬だけが·····、深まる学園の謎、疑心暗鬼な少年少女、その理由が徐々に解かれていく。
    ミステリアスな学園での生活は「ハリーポッター」の「ホグワーツ」を思わせる。華やかで楽しげな宴、そして一変するダークな雰囲気、常にモヤモヤが付きまとったまま進むストーリー。
    理瀬をはじめ魅力的な登場人物と世界観にいつのまにかグイグイと引き込まれてしまった。
    予想もしない結末、理瀬はどうなってしまうのか?不思議でダークな学園ミステリー。
    ✩✩✩✩✩ 5.0

  • ここから「朝日のように…」のあの短編につながるのですね。
    世界観は好みでした。
    彼女はどこまでが演技だったのでしょうか?
    黎二の存在が強く心に残りました。

  • ミステリアスで誰も信用できない怪しいダークな世界。
    先に「麦の海に浮かぶ檻」を読んでしまってこの世界感にはまりました。
    続きも読みたい!

  • こんな学園生活はちょっと・・・
    と思う。けどもっと自分が思春期真っただ中の時に読んでたらまったく違う印象であったと思う。
    本の中だからこそある世界という感じで引き込まれました。
    読みながらも理瀬の行動がいまいち理解できずにいましたが、後半からの展開で納得、そして続く展開が衝撃過ぎて最後の方は早く先が知りたくて読み進めてました。
    そこまでする校長も怖いけど記憶を取り戻した理瀬はもっと怖そう。
    黎二報われない・・・。
    とりあえず、「三月は深き紅の淵を」は刊行されてるお話らしいので読んでみようと思います

  • 水野理瀬は、列車を降りた。ここは一面の湿原。これからこの湿原の中に立つ学園に転入するのだ。この二月の最期の日に。「ここに三月以外に入ってくる者があれば、そいつがこの学校を破滅に導くだろう。」と言われている中に理瀬は入っていく。何かが起こるのだろうか。

全262件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×