麦の海に沈む果実

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062101691

感想・レビュー・書評

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  • 「ここに三月以外に入ってくる者があれば、そいつがこの学校を破滅に導くだろう」――湿原の真中に建つ全寮制の学園に、二月の終わりの日に転入してきた水野理瀬。彼女を迎えたのは、様々なしきたりや、奇妙な風習が存在する不思議な学校だった。彼女と学校生活を共にする仲間、「ファミリー」もそれぞれに謎を抱えていた。功は、閉ざされたコンサート会場の中から失踪し、麗子は、湿原に囲まれて外に逃げ出せないはずの学園から消えうせていた。残りのメンバーは、麗子はすでに死んでいるのではないか、と校長につめよる。それに対し、校長が提案したのは、麗子の霊を呼び出す交霊会の実施だった。その場で理瀬に奇怪な現象が襲う。「三月の学園」での奇妙な学園生活を送る理瀬の隠された秘密とは。

  • 謎の記憶から始まる学園生活。
    冒頭の出だしから既に興味が惹かれる話の展開。
    ファンタジーかと思ったら重厚なミステリー作品。
    調べるとこの本は理瀬シリーズというミステリーの1つなんですね。
    読み進めてると最初はハリーポッターの世界観のような、影を帯びた不思議で上品な学校の印象が大きい。
    この学校を舞台に主人公・理瀬の記憶を巡る物語が始まります。
    殺人事件の謎とその複雑な人間絡みを本当に1つ1つ丁寧にほどいている。

    本の印象は丁寧でありながら、不思議な世界観を醸し出す文章。
    人物も個性派でまったく飽きず楽しかった。
    そしてこの作品は学生時代に読みたかったです。
    学生生活の素敵な夢が詰まっている。
    私も影があってもこの自由な学校に通いたいと思ってしまう。
    この学校は自分の尊厳と思想を否定せず見守ってくれる。

  • 世界観がすごくいい。
    閉鎖的で歪んだ学園で起きる謎の事件。

    最後がびっくりだったなぁ、理瀬はともかくヨハンもあぁだったとは。

  • 2001年11月15日読了。

  • 屋久島などを舞台とした作品です。

  •  何か起きるんじゃないかと、最後まで、ドキドキしました。その何が起こるか分からない事ですごく不安だったし、怖かったです。

  • 大好きすぎてどうしようもない小説。
    恩田さんの書かれるレトロでロマンチックな雰囲気が特に出ている作品だと思う。『ライオンハート』もまさに言えるけども。

    理瀬になったつもりで、黎二とヨハンの間で揺れましたとも。
    黎二が詩を読むとこ、理瀬とダンスするとこ、理瀬とヨハンのこれからが特に大好きな部分です。

    何度でも読み返せて、飽きません。
    定期的に読みたくなる、素敵な作品です。

  • h19.1/14
    3:45

  • 恩田陸にはまった記念すべき一冊。
    窓辺や、ワルツのシーン、最後の場面など本来精神的にとても強い理瀬が、感傷的になるシーンの描写が美しすぎて泣きそうになる。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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