豆腐小僧双六道中ふりだし

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (676ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062122146

感想・レビュー・書評

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  • 説明や脱線が多くて話が進まない~廃業した豆腐屋に間物屋の娘を連れ込んだ近所の若旦那が感得したため豆腐小僧は湧いた。若旦那は豆腐小僧を思い出した途端に逃げ,娘も家が揺れ鳴屋を思い出して逃げ出した。鬼の姿をした鳴屋に妖怪はすぐ消えるのにお前は姿を残しているのかと聞かれて馬鹿小僧にはわからない。戸板が外れた門口から外に出て,ふらふら歩き,もやっとした雲が浮かんでいる下まで来ると,粒状のスダマは直ぐに消え,袈裟懸けに斬られた侍が小僧の気配を察知して「夜明けは近い」と喋り出し,忙しい死に神と出会う。死に神が消えてしまった墓地から川沿いに歩くと,鬼火が出現し,雷獣を斬ろうとした侍の襟元にいる狸七百二番が付いて来いと云うので,潰れた道場に来て,小さなダルマが現れ,禅問答を始めるが,怪しい商人に憑いている芝居者タヌキにより,小僧は狸化されてしまう。ダルマに説教され,妖怪総大将である父・見越し入道が狸により追い落とされたことをしった小僧は狸顔を元に戻そうと外に出たいが戸は開けられず,ダルマ先生が連れてきた猫とミケ姐さんと出会う。侍と商人の悪巧みを嫌った道場付きの下男・権太が主筋を売って逃げ出す際に,小僧は荷車に乗り込み,田舎へと身を移す。納戸婆から村外れの三太郎狸なら狸の業を打ち消せるだろうと聞くが,居場所は知れず,袖引き小僧を紹介される。ダルマ先生が姿を現し,奉行所の手が道場に入り,権太も危機一髪であると報される。村外れの三太郎狸には覇気がなく,そこら中に罠が仕掛けられて本体は瀕死で,しかも狸の悪戯書きなど消せない。そうこうすると罠を壊して狸を介抱するものが現れ,九太郎狐が白狐・赤狐,伯蔵主に会うことができ,野狐党が室田を懲らしめるため頭分の弥助,管狐遣いの与兵衛と飯縄遣いの玄角,荼吉尼天を戴くあさぎが密談を行っている。管狐に竹筒に吸い込まれた豆腐小僧の顔の悪戯描きは消えていた。用がなくなった小僧二人とダルマ先生は権太の許に帰ると一網打尽を逃れた浪人が猫の首に付けた金箱の鍵を取り戻そうと追ってきていたのだ。権太は天狗の弟子になることを目標としていて,青年団は啓蒙のために儒学者・室田了軒の家に引っ張っていくが,村人は罠を壊して材料別に並べたのは三太郎狸ではないかと大騒ぎをしているし,村のあちこちで化け物の目撃談が出てくる。佐幕の儒学者の住む家に,地元破落戸の野狐党が脅しを掛け,討幕派の浪人達が刀を提げてやってきて,百鬼夜行の様を見せる中,誰もが知る他愛のない豆腐小僧が出現して妖怪の紹介を始めると,見ず知らずの者が無益な闘いに終止符が打たれる~というような訳で,2011年に刊行された「おやすみ」に繋がるわけだが,横道に入ると戻ってくるまでに時間が掛かるので,読む方も疲れる。大団円の結末が映画には向いていて,余計な話を省いちゃえば,筋道がよく見えてくるという訳だろう

  • 豆腐小僧の持ってる紅葉豆腐っておいしそう

  • 再読

  • 文庫再読記念。
    装丁がキュート!

  • 電車で読んでると思わず吹き出して困るくらい面白かった!ラストも満足。だけどちょっと長くて途中でダレた。

  • 馬鹿な豆腐小僧が可愛い。

  • 冷静なのに優しい、妖怪存在入門書。

  • 豆腐小僧を見てると関さんを思い出す。ちょっとうじうじしてるキャラが似てるかもしれません。

  • 妖怪は沢山いるけれど、この本の主役は
    大きな頭に笠をかぶり、紅葉豆腐を手に持ったかわいい「豆腐小僧」。
    わたしはこの本を読んで、初めて豆腐小僧の存在を知りました。
    本の表紙にいるのが豆腐小僧。 …なんか「妖怪」なのに怖くない!

    お話の流れは、この豆腐小僧が他の妖怪と出会い、その中で
    「自分とは何なのか?」「妖怪と幽霊の違いは?」「概念って?」
    などを少しずつ学んでいく感じ… かな?

    -----------------------------------------

    百鬼夜行シリーズの続きを借りに行った時、この本を発見したので借りてみました。
    目的の本ではなかったけれど、おもしろかった。
    ここのレビューを見ていると、カバーの中が豆腐仕様? なのでしょうか。
    図書館本だとカバーをめくる事ができないのが歯痒い。

    作品内での「~でございます」 「~ですな」などの
    軽く、ひょいひょいっとした語り口が特徴的!
    こういう口調で描かれる本をあまり読んだ事がなかったので、新鮮でした。
    この口調のおかげが、結構な厚さがあるのに、
    不思議とすらすら~っと読めてしまいました。
    この作品で、妖怪とか幽霊は一緒のものじゃなくて実は全然違うものだった!
    とか…。 読んでいて、豆腐小僧以上に新しい事をたくさん知りました。

    「その十一」の、最後の終わり方が個人的に大好きです。
    決める所はびしっと決めるなんて、流石江戸ッ子です!

  • 京極先生が妖怪を大まじめに正面から語りました!面白かったです。色々矛盾なくない?と思いましたが妖怪は人によりあり人によりなきもの。考えた者勝ち!ラストで豆腐小僧が化けて(笑)しっかり締めて、流石でした!

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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