- Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062150736
作品紹介・あらすじ
漫画週刊誌「モーニング」で連載された伊坂作品最長1200枚。
感想・レビュー・書評
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R3(2021)4.1-5.1
伊坂作品最長1200枚(当時)の大作。
それを年度始めの超忙しい時に読もうとして大失敗。ひと月もかかった。
なかなか進まない物語だったが、「これは[魔王』の続きだったのか!」と気付かされた辺りから一気に物語が動く。
誰もが抗えない「社会」という名のシステムの中で生きている。ときには個人の尊厳さえ失われてしまうこともある。そして、そのシステムの歯車として生きていく。
今、自分が就いている役職を離れても別の誰かがそれを埋め、業務を継続する。結果、組織というシステムは存続する。だからといって淡々と業務をこなすだけで終わりたくない。小さなことでいいから、一つでもいいから、何かをよりよく変え、自分がその役職を務めていた足跡を残したい。
なんてことを思った。
あとがきを見たら、「『ゴールデンスランバー』と同時に書いていた」とのこと。表裏一体のような物語だね、これは。
「伏線が全部回収されてスッキリ」という。「いつもの伊坂作品」とは異なる物語に賛否両論かもしれない。自分は、これはこれで読み応えがあって面白かった。
ただ一つ。
妻の佳代子はなぜあんなに強いのか?(いろんな意味で)物語前半の振る舞いはなぜなのか?
そこは謎のまま終わった。
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ザ・伊坂幸太郎といえる作品のひとつだと思いました。読みやすい、テンポいい、人の掛け合いがクスッと所々笑えるといった感じ。読んでいて先々の展開が気になるような内容になっていて惹き込まれます。非現実的な話しがベースではありながら、随所に国家、政治、歴史、社会、仕事、人と人との繋がり、などなど、考えさせられる要素があってとても読みごたえのある作品だなと感じました。伊坂幸太郎作品どれも基本好きなので、ひいき目かもしれませんが!
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初めて読んだ伊坂さんの作品。
あまりの面白さにミステリーへの概念が変わった。
長編小説にも関わらず
テンポの良い会話と
先が読めない展開に
終始ワクワクしっぱなしでした。
登場人物一人一人に
生き方があって
強烈な個性があって
その言葉にメッセージ性があって
異世界だけど、でも絶対にないとは言えない世界観。
ここからどっぷり伊坂さんの世界にはまってしまいました。 -
「実家に忘れてきました。何を?勇気を」
この書き出しだけで、伊坂ファンの私には堪らない。
魔王の50年後を舞台にした物語。
あるキーワードを検索した人物に起きる不可解な事件。
この謎が読み進めていくうちに明らかになり、もしかしたら私たちの未来もこうなるんじゃないかと思わせる風刺的要素も含まれています。
相も変わらず登場人物は皆魅力的。
会話はシュールで、個性的。
伊坂ワールドを健在させつつ、また新たな一面を発見できた気分です。
魔王に出てきた詩織さんも主人公・渡辺の奥さんも、
伊坂さんの描く女性は本当に素敵。憧れます。
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伊坂作品の好きな所は作品に込められたメッセージ性があるところ。そこに気がつけば面白いって。