峠うどん物語(上)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 120
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062169974

感想・レビュー・書評

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  • 温かいうどんのつゆをすすったような温かさが広がります。

  • 市営葬儀場近くにあるおうどん屋の話。
    いや、なんて雑な説明なんだ。
    人の死は悲しい。人の気持ちに添う優しい本。

  • 重松王道の中学生が主人公。今回のテーマは『死』。と言っても山の上の葬儀会館の向かいにあるお祖父ちゃんのうどん屋で、バイトする主人公。その環境から『死とその周りの残された人々の気持ち』を通して大人の気持ちを学んでいく。下巻も楽しみ。

  • 市営斎場前に建つうどん屋。
    そこを手伝う中学生の孫娘が、葬祭の前後に訪れる客や家族から、死と生を学んでいく。
    こういうの上手いな〜本当に。
    「おくる言葉」が特に秀逸。

    【図書館・初読・5/10読了】

  • タイトルどおりうどん屋の話かと思いきや
    向かいに立ってる葬祭場にまつわる悲喜こもごも。

    これは泣かされました。
    思わぬところでいきなり、ダーっと涙が出てしまう感じ。
    特にボーズくんの話。

    おじいちゃんもおばあちゃんもよっちゃんも素敵だし
    どのエピソードも温かく、ぐっとくるけどほっこりしてしまう。
    下巻もめちゃ楽しみです。

  • 重松さんて・・・うむ,こういうものを書く人なのか~町外れの峠にひっそり建つ長寿庵は市営斎場ができたため,峠うどんと名前を替えた。客は葬式に来たが,精進落としに残らない人達。中学生のよしこは父方の祖父母を手伝うために書き入れ時にアルバイトに出向く。小学校教師の父が,よく憶えていない中学校の同級生の通夜に行くことになって,アルバイトは禁止されたが,自分の同級生の大友君が暴走族のはとこの通夜に来て特別サービスを求めてきたから,行かざるを得ない。同級生と大騒ぎをしている父と,うまく泣けないという同級生,バスに合わせて帰る人が増えると父のテンションも下がっていき,たまらないと呟くのだった。父とは違ってきちんとしている先生の母も戯けてシェーのポーズをとったことを憶えている。市営住宅のある二丁目で苦しい生活を送っていた頃,よく遊んでくれたおじさんとの合い言葉だったのだ。その小父さんが入院していることを知って見舞いに行きたいが,寸借詐欺の加害者でもあったのだ。ついに死んで,二丁目の子ども会の同窓会が峠うどんで始まった。3年生の3学期だけ勤務した理科の先生の離任式で挨拶することになった淑子,寺の跡取りで,まだ二十代のボーズは小学校6年間世話になった藤村先生に引導香語を依頼され,父に事跡をまとめて貰ったが,母代わりであった先生の前で「先生,せんせい,センセー」と絶叫するばかりだった。私は離任する先生に,勤務していなかった4月から12月までの学校の様子を語った。霊柩車を運転するトクさんの無口だが静に運転する技術は抜群。テレビに出たトクさんを見た,離れていった奥さんは呆けていて,自分の夫だと今の夫に語る。宮付きの霊柩車が引退時期を迎えて,別れた奥さんや娘に会おうとしないトクさんは霊柩車に乗って逃げ出した。家族三人で行ったあじさい寺で,最後の仕事として元妻を火葬場に運ぶ仕事を選んだことを娘に告げるのだった。小学生の「メメント・モリ」という自由研究のため,うどん屋を休憩所に貸して欲しいと願いを叶えるために,淑子の中学3年の夏のアルバイトを父は応援してくれる。最初から最後まで怪しい宮本さんは8人家族の最年少で,呆けてしまったひいお祖母ちゃんの死期が近いが,泣けるかどうか不安だったのだ。淑子のお祖母ちゃんは,アルバムから葬式用の写真をみんなで見て,最後にみやちゃんに選ばせるのが良いとアドバイスするのだった~重松清って多分,初めて読んだと思うのだけど,家族がテーマだと考えていた。当たりだろうか

  • 上下巻ある重松清の最新長編作。すぐにのめりこんで3日間で読破。
    いつもながらの重松節に、泣かされましたです・・はい。

    お話は中学2年生の女の子が中心。
    祖父母が営む峠のうどん屋のお手伝いの中で、人間の絆や死について様々なことを学び取る。
    そしてお通夜の帰りに店に寄る人たちの心の中・・葬式をビジネスと考える人たちとの意見の相違。

    大人たちの行動を見ながら、自分の中でも消化しきれないものが残る・・。
    上下巻で全10話の物語が展開するが、10話のほとんどに泣けた(笑)
    ほんとこの歳になると涙もろくなるね・・。


    重松さん、今回も期待通りの感動作でした。いつもありがとうございます!!

  •  関わりのある人の死。勿論、悲しくて、切ない。そして前を向く。
     わかることはいいことだが、わからない方が大事なことだってある。
     涙なくしては語れない、義理と人情の物語。あの人との別れ。①そこまで親しくなかった友達。②子どもの頃いたシェーのおじさん。③やんちゃだった自分を理解してくれた先生。④霊柩車の運転手と元妻⑤ひいおばあちゃんの葬式。
     この作者の作品は泣ける。

  • タイトルに惹かれて…。うどん食べたくなりました。読みやすい。

  • うどん屋。中学生。葬儀場。死。家族。団地。
    祖父母の店を手伝う淑子。死者との微妙な距離、やるせない想いを抱えた人たちが寄って行き、なじみになることはないうどん屋での日々。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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