- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062565158
感想・レビュー・書評
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航空史上最大最悪の事故である日航機123便墜落事故。あの事故で亡くなった方々のご遺体を収容し、検視し、遺族の方々に引き渡す。その壮絶な内容の手記。
これだけの事を完遂するには、人間は職としてではなく、使命感を持って取り組まなければとてもじゃないけど耐え切れないだろう。その心意気と、責任感は賞賛してもしきれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あまりにもリアル。読むのがつらかった。
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日本航空123便について初めて知ったのは小学5年生の夏でした。ニュースでコックピットのボイスレコードが公開され、大々的に報道された時でした。当時の私はこの事件がここまで壮絶なものだとは思っていませんでしたが、ずっと心にひっかかるものがあり、そして10年後の今、たまたま「墜落遺体」を書店でみつけ手にとりました。
読み終わって、自分の価値観が大きく変わりました。いままで「人のため」という言葉なんて、所詮綺麗事で自己実現の一手段にすぎない、とおもっていましたが、ここに記されている警察官、医師、歯科医、看護師、日航職員の「遺族のもとに一日でも早く肉親を帰してあげたい」という気持ちは本物でした。他人のために尽くすということはどういうことなのか教わりました。
さらに印象に残ったのは、ある乗客が墜落前に家族に当てた遺書です。「いい人生だったと感謝している」。突然目の前に死が訪れたとき、恐怖に押し潰されずに、家族にこんなにまで愛のこもった文を書き綴ることが、自分にできるだろうか?突然の死を目の前に、「いい人生だった。」と胸を張って言える生き方を私はしているだろうか?様々なことを考えさせられました。
人間のもつ大きな愛情を確信させてくれた私にとって忘れられない一冊です。この本に出会えて本当によかった。 -
当時、わたしは小学校一年生だった。詳細は全然知らなかったけど、何となく記憶に残っていた。
こんなに壮絶な事故だったとはというショック。そんな中で必死に遺体の検屍や修復に携わり、遺族を支えた方々の存在と苦悩に心を打たれました。そして改めて人のいのちについて考えさせられました。 -
日航機墜落事故の遺体の身元確認を担当した男性のノンフィクション。
壮絶な現場であることはわかったけど、いまいち訴えてくるものがなかったのが残念。 -
考えさせられものだった
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日航ジャンボ機墜落事件の遺体引き渡しを主導した警察官が語った事故の記録。
活字を読むことすら嫌になるような凄惨な状況。あまりの現場に苦痛にゆがむ、警察、医者、遺族、そして日航職員。彼らの誰もが、あまりにあっけない人間の死に翻弄され、成す術なく振り回される姿が痛々しい。しかし、だからこそ懸命にその悲劇と向き合おうとする人々の勇気に胸が打たれる。個人的には、赤十字の職員たちが健気に頑張るシーンに最も感銘を受けた。
とにかく人間の生と死をこれほど強烈に感じた本はなかった。また、あまり信頼していなかった警察や医者に対して、改めて敬意を払うようになった。 -
御巣鷹山事故の記録
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泣いた。号泣。タオルでぬぐいながら読んでいた。
私が、19歳の暑い夏。
板前見習いをしていた俺。
寿司屋の流し場から仕込みが終わったネタをカウンターへ
もっていた時に流れたNHKラジオのニュース速報。
札幌も暑い夏の日だった。
そして、2011/3/11。
どうしても重なるんですよね。捜索場面が。
そして今年の御巣鷹では、やはり、共同で祈りが捧げられた。
現場のことを理解したければ、一度読んでください。