- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062565158
感想・レビュー・書評
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生きることの大切さというと非凡で稚拙な表現だが、生の尊さや人間の愛おしさといったものを感じた1冊。
自分が生まれるよりも10年以上も前の事故であり、毎夏のドキュメンタリー番組で見たことがあるくらいの認識だった。しかしテレビだけでは決して知ることのできなかった予想だに出来ない程の凄惨な事故の裏側を知ることができて良かったと思う。
勿論、現場の狂うほどの蒸し暑さ、様々な感情の渦巻き、生々しいリアルな表現など目を背けたくなる描写もたくさんあったが、それ以上に人間の素晴らしさが随所に散りばめられていた。飯塚さんをはじめとする警察・医療従事者・地域のボランティアの方々。誰ひとり弱音を吐くことなく、被害者に対して人間らしさを尊重しようとする姿がとても印象的だった。恥部を隠したり、身なりを整えたり、時には被害者の気持ちに寄り添って涙したり、、テレビでも是非、無関係な人々のために何日間も尽力して下さった人々にフォーカスを当ててほしい。
そして、そんなテレビ番組でも何度も見てきた、サラリーマン男性が愛する家族へ遺書を走り書きする場面。自分の命があと数分間で終わると認識しながら、愛する人に向けてあのように冷静で筋道の通った文章を描く。私だったら遺書を書くことを思いついたとしても、支離滅裂で自己中心的な幼稚園児のような文章になってしまうと思う。
テレビ番組や本で取り上げられなくても、520人それぞれに、明日からも続いていくと信じて疑いもしなかった幸せな当たり前の日々が確かにあったのだと、忘れられないし、忘れてはいけないと思う。
最後になりましたが亡くなられた方々のご冥福を心より申し上げます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつまでたっても忘れられない事故。忘れちゃいけないんだけども。また思い出すことが出来た。
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なんといって良いかわからない。
一気に読み進めることはできなかった。 -
「人命の尊さを知り、人間の意味を問う」
所蔵情報
https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=076154 -
お1985年8月12日、群馬県・御巣鷹山に日航機123便が墜落。なんの覚悟も準備もできないまま、一瞬にして520人の生命が奪われた。本書は、当時、遺体の身元確認の責任者として、最前線で捜査にあたった著者が、全遺体の身元が確認されるまでの127日間を、渾身の力で書きつくした、悲しみ、怒り、そして汗と涙にあふれた記録である。
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日航機墜落の時に遺体検死と身元確認の責任者だった人の手記。遺体のお腹や大腿部からほかの人の顎や顔が出てきたり、ソフトボールぐらいの肉の塊を広げたら上半身の皮だったりと、遺体の状態はまさに壮絶。
何百の遺体を短期間で検死していく医療従事者の様子や遺族のエピソードが事実として記されており読みやすい。 -
東日本大震災のドキュメント『遺体』と同時期に購入。しかし、本書を読み始めるには数冊分のインターバルが必要だった。地震・津波被災とは次元の違う航空機墜落事故の悲惨さを感じた。遺体の中に別の遺体が重なり合うように発見される、その衝撃の大きさ。幼い子の遺体にまつわる話に涙が溢れてきた。現場の責任者として奮闘した警察官の手記だが、定年後に執筆されたものとは思えないほど臨場感、というか現実感がある。章立てで、その都度時間が戻ったりするが、時系列で書かれたら良かったかというと、それは違うのではないかと思った。
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飛行機乗るのが怖くなる。
生々しい。ただこういう事があったことは知ってないといけないと思う。 -
泣きながら 咽びながら 読みました。
何度読んでも 涙が出ます。
関係者の尊い努力にひたすら頭が下がります。
息子が中学に入ったら 首に縄をつけてでも読ませたい
そんな本の一冊です。