- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062565158
感想・レビュー・書評
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この本は日航機123号便が墜落したときに現場で事故処理の現場指揮をしていた人間による手記です。飛行機事故というものがに凄惨なものであるかをまざまざと見せつけてくれます。
この本は日航機墜落事件の際、事故現場の指揮を取った捜査官が綴った手記で、この本を僕が手に取ったのは僕が当時、『沈まぬ太陽』を読んでいて、御巣鷹山の事故現場のことを補完するためだった。ここには現場の様子と、遺体確認に従事した医師や日赤の看護師たち。自衛隊や群馬県警の様子が描かれているのですが、戦場ともいえるような遺体収容現場で粛々とあくまで自分の仕事を
為そうとする警察官や看護師や医師たちがすさまじい迫力でした。
事故現場のことに関しては、一言で言うと。エグいです。メチャメチャエグいです。この件に関しては具体的な描写を一切ここにはあえて掲載しません。乱暴な言い方ですが、どうしても「真実」を知りたいのでしたら、自分で確認して下さい。ただし、自己責任でお願いします。僕個人に関して言えば、あまりにショックで、しばらくの間一切の事が何も手につきませんでした。
ただひとつ言えるのは、墜落の際にひとりあたりにかかった衝撃が980tであったそうで、これは、広島型原爆の爆心地にいた犠牲者や原爆ドームが受けた衝撃の28倍~30倍だそうです。人間がそんな強い衝撃を受けると、こういうことになるのかということがよくわかります。ここでは書くことが出来ませんが、飛行機事故の恐ろしさをこれほど如実に示した本はありません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
凄まじいものでした。肉体的にも精神的にもどんなにか辛い仕事だったか。。
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御巣鷹山の尾根に墜落した日航機123便。
犠牲となった乗客の身元確認班長を任された警察官が著者。
高校の時に読んで、再度読み直しました。
航空機事故の凄惨な状況が記録されています。
取り違えが許されない中で、運び込まれる激しく損傷した遺体。
遺体受け入れ所となった体育館は地獄絵図。
その中で、警察官や医師とのやり取りや、
遺族との会話で、何度も涙してしまいました。
泣きながら読んだと言っても過言ではないドキュメンタリー。 -
事故現場に従事した人にしかわからない、凄惨で過酷な地獄。事故発生から最後の遺体確認まで、未曾有の大事件の渦中に起きた事実を、淡々と記録されているのがまた恐怖。一度読めば、飛行機に対する考え方が変わるかも。
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看護大学の課題図書として配布されました。
実際に自分がこの現場に派遣されるようなことがあったら、ここまでできるのだろうかと。 -
当時の科学・医学技術で、ボロボロの遺体の個人特定がいかに大変だったか、の苦労話
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前から興味があったが、もう間もなく8月12日になるので、読んでみた。もう事故発生から38年になる。
1985年に起きた、日航機墜落事故で遺体の身元確認作業に従事した、当時群馬県警の責任者だった著者が、全遺体の身元が確認されるまでのことを書いている。
日航機墜落事故の発生当時はよくわからなかったが、悲惨な大事故だった。520名が一瞬で亡くなるとは想像がつかない。乗客名簿をネット上で見たが、スクロールしてもしても終わらないその長さに、520名の命が失われる事の衝撃を実感した。
遺体の損傷が激しく完全遺体がほとんどない中で、部分遺体の身元をどのように確認していったかがよくわかった。過去に例のない数の遺体の確認で、時間が経てば腐敗が進むので、真夏に不眠不休で作業にあたった関係者には本当に頭が下がる。遺体や遺品が見つからなかった遺族も「ここまでやってくれたなら」と納得するのもわかる。
それにしても、遺体となっても尊厳を持ち、遺族の元に返したいとこんなに一生懸命になるのは、日本人の国民性なのだろうか。
最後は涙なしには読めない。520名の犠牲者だけでなく、その数倍の遺族がいて、彼らも運命を変えられてしまい、深く心に傷を負った事故だった。 -
当時、原因を語る人は山ほど居たが、結末は他のニュースに埋もれていった。
これは一つの結末までの記録。 -
3度目の読了。
1度目は上野村の慰霊碑に行く前に。2度目はその慰霊碑に行った後に。そして今回、日航の安全啓発センターを訪れた後に。
愛する者を一瞬で奪われた人の悲惨さ、何とか遺族のもとへご遺体を届けたいという関係者の執念。
何度読んでも涙で本がしわくちゃになってしまう。 -
作者は本当に優しい人だったんだろうなあ、という印象
生き残った4名に関してはまったくの言及なし
あのすさまじい現場の最前線にいらして、まったく臭いの伝わってこない文章
もちろん検死のプロが「こんなでかいうじはじめてだよ」と言い仕出しの弁当のご飯もうじを食べているようで食べられなかった、みたいな表現はあるけれど
それでも臭いは伝わってこない、心に刺さるのはご遺体の結婚指輪を紛失してしまったことに対して詫びるとか、頭だけの2歳くらいの女の子の遺体に毎日声をかけるというエピソード
本当に本当に優しい人だったんだろうな
坂本九に対する言及もただ一行しかなかった