呼人 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734790

感想・レビュー・書評

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  • 2013.4.25読了。
    12歳で成長が止まってしまった呼人が、その自分を産んですぐに実家に置いて行った母親に、普通にとしを取り、片足を失った自衛隊員と、詐欺でアメリカで収監されていた友達と会いに行き、自分の産まれた意味を知ろうとする話。

  • 最初の児童書のような始まりから想像もつかない展開。
    作者の語る将来が結構当たっていることがすごい。ミステリーとはちがった、時代に合わせた繊細で哀しいストーリー。

  • 12歳で成長を止めた少年の話。
    子供のままの呼人と大人になっていく友達とを,社会情勢もまじえて描いていて,序盤は地味だが後半はエンタメ色も強くなって面白かった。

  • 呼人は12歳のまま成長が止まり、永遠の命が与えられているらしい。
    友人の潤、厚介、小春との小学校時代の思い出と成長していく彼らとの付き合いの中で、呼人は自分の生きている意味を考えて行く。
    痛々しいけど、みんながその時その時を必死に生きていて、感動的な冒険小説でもある。

  • 歳をとらない子供の行き着く先は?
    重い話ですが、サラッと読めました。
    永遠に12歳である少年が、自分の人生に折り合いをつけて結末を迎えるわけですが、その為に数少ない友人を無くしても、呵責が感じられません。
    それも、子供ゆえの残酷さなんでしょうかね。

  • 1973にうまれる。
    12歳で、成長が止まる。

    1985年から物語がはじまる。
    潤、厚介そして小春
    4人を中心として物語が進む

    1985(12歳);1992(19歳);1999(26歳);
    2005(32歳);2010(37歳)

    潤はアメリカの大学に行き、そして、銀行のトレーダーとなる。
    厚介は、自衛隊に入りそして、特殊工作をうけ、北朝鮮にはいる。
    片足が吹っ飛んで、帰ってくる。
    小春は、伝説的な存在となり、妻子ある男と結婚するが
    結果別れてしまう。

    なぜ、成長がとまってしまったのか
    「遺伝子操作」

    母親探しをする。
    新左翼、「日本赤軍」、イスラム原理教・・・

  • のめり込んで読んだ。面白かった。

  • 子供であることはただそれだけで青春だし貴重。そういうテーマは少年時代の思いを懐かしむ気持ちを喚起させいい意味で切なくなった。

  • 結構分厚い本でしたが、これもまた読み進めてしまいました。
    まず設定がすごい。12歳で成長が止まった呼人が主人公。子供のころでも今でも、時間が止まってしまえばいいのにと願うことってありますよね。実際そんなことはできないし、それを望むくせに明日を待っているのが人間ですし。しかしそれが現実となる…自分だけが成長を止めてしまった。周りが大人になって老いていくのに、いつまでも変わらない永遠の12歳。なぜそうなったのか、出生の理由を追い求めていく。うーん、人間ってそんなことまでやってしまうのか、というのと、権力社会の裏側とか、宗教的思考(と言えばいいのかな)の恐ろしさとか。
    まず、呼人のような成長を止める人間が生まれてきそうな社会が怖いです。自然の摂理の崩壊ってどうなんだろうなあ…。

    そういえばこの作品は2002年に文庫化された、っていうぐらいの10年前の作品ですが、近未来として2010年まで描かれていました。すでに2010年は過ぎましたが、描かれているような未来ではなくてほっとしたというか、そうなっている場合もあるのだなと思うとぞっとしたというか。(そんな壮絶な2010年が描かれているわけではありませんけども)

  • 実の親ではなく、母親の妹夫婦に育てられている、主人公の呼人。

    何故か、十才で成長が止まってしまい、当初は病気だと思っていたが、話が進んでいくうち、母親が開発途中の薬物を飲んでいて、それが原因だと判明し、その母親に会う機会を窺う。

    主人公の視点で書いてあるところで、突然一行だけ他の視点に変わってしまうところが何箇所かあり、それがすごく気になった。

  • 12歳のまま心も身体も成長がとまった少年。友達たちは成長し、大人になり、米国でつかまったり、自衛隊で特殊部隊となったり様々なことを経験していく。成長のとまったぼくは友達たちを暖かく見守りつつ、自分の出生の秘密を探す旅に出る。少年の言葉はやさしい。小春の秘密、母の秘密。ラストは急展開でなんだか急ぎ過ぎた感があるなー。

  • さすが野沢尚!!
    今後新たな野沢作品が見られないのが本当に残念です。

    最後はかけあしの作品ですが、せつなくなる逸品。

    もう一度、野沢作品に逢いたいです。

  • あっさり醤油味。
    12歳から歳を取らない少年の話。
    ファンタジー系かと思いきや、意外と日常的なストーリー。心情もガッツリ書いてあるわけじゃなくて、淡々と読みやすかった。
    でも無駄に登場人物を殺してしまった感が・・・。

  • 電車の中で目の前に立っている人が読んでいて、少しだけ見えた一説が何となくひっかかり帰ってから検索をかけた所、この本だろうなと行き当って出会ったという。
    母アミとの対峙までの流れはやや脚色染みてしまっていまいちさを感じさせるのだけれど、それまでの自らの成長が止まり、姿による周りの反応であったり、友人達との間に出来る距離などは、特化した形で描かれつつも違った形で自分たちの周りにあるものだと思う。

  • イマイチ。
    所々が無理やり。
    リアルな話っぽく書いてる割に現実感がない思考、行動がある。
    そのバランスが悪い。
    政治とか宗教とか思想的な語りは好きではない。

    野沢尚初めてですが、これからは遠慮したい。

  • 昔に読んだ本。

    泣いた記憶が…

  • 執筆当時からの近未来である2010年の原発(ただしヨーロッパ)の状況が、まさに今と同じなのに背筋が寒くなった。
    911を予言したようなローンガンメンを思い出した。
    ラストを読んで、このまま一人になるのはあまりに寂しいだろうから、ポーの一族のエドガーとアランみたいになってほしいと思ったのは私だけ?

  • 久しぶりに野沢尚さんの作品を読みました。

    前半はスタンドバイミーを匂わすような、
    野沢さん作品としては珍しいなぁ、なんて思う展開でしたが、
    ストーリーが進むにつれ、
    サスペンス要素が加わってどんどん引き込まれていきました。

    12歳にして成長が止まる主人公、という異色な設定に
    どんな展開が待っているのかと想像できないスタートでしたが、
    世界情勢や化学の進化、生と死など、色々な面から考えさせられる1冊でした。

  • 悪い意味でテレビ的。安易。

  • 初めて泣いた小説です。とごかで読んだ事があるような設定ですが思わず涙してしてしまいました。

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