- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062754019
感想・レビュー・書評
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盛親さまあああああああああああ!!
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長宗我部家第三弾です。
素晴らしかった…!!長宗我部盛親の生き方も私が今まで読んできあ武将達とはまた全然異なっているのもそうですが、、一冊の小説としても素晴らしい作品でしたっ!!
何度も読み返したくなる作品ですね! -
【内容】
土佐二十二万石の大領を率いる長曾我部盛親は、関ヶ原の戦いに敗れ、一介の牢人の身に落ちた。
恥多い謫居の中で、戦陣への野望を密かに育くみ、再起を賭けて、遺臣たちと共に大坂夏ノ陣に立ち上がったが・・・。
大きな器量を持ちながら、乱世の動きにとり残された悲運の武将を、鮮やかに描き出した長編小説。
(ブックカヴァーより)
【感想】
1984年に発売された作品です。
長曾我部家というと、盛親の父親・長曾我部元親が、四国を統一した覇者として有名ですが、彼が関ヶ原の合戦直前に亡くなり、東軍につくか、西軍につくか、政治的に動かなければならない最も大事な時期に、後を継いだばかりの盛親が、舵取りどころではなかったという不運があります。
ただ、実際には、京都にいた盛親には、家康有利ということは分かっており、そのため、当初は、東軍につこうとしたが、使者が西軍が固める関所を突破出来なかったため、やむを得ず西軍についたということを考えると、盛親も凡将ではなかったことが分かります。
作品中では、英雄たる者の条件として、野心、欲望に執着することが挙げられており、盛親にはそれが無いがために英雄になれない、とされる一方で、その真価を発揮するような場面(戦場)にはまだ遭遇していないとも書かれています。
関ヶ原後、徐々に飢えていく長曾我部の旧臣達を救う(そして、彼らの想いに応えるためにも)、天下が乱れたら再び戦わなければならないということが確定している部分は、盛親の持つ優しさが表れていますが、牢人生活を続ける中で、野心を高めていき、どう生き、どう死するべきか、見定めてゆく過程、そして、大坂城で、他の牢人達と話すことで、純粋に戦で、目覚しい活躍しようとする。
そして、事実、(わずかとはいえ)目覚しい活躍を見せる。
そうした意味では、武将としての盛親の面目はたったのかもしれません。
ですが、盛親に近い人々(雲兵衛や林豪)が見抜いたように、元は武将向きの人間ではない。
大名家に生まれさえしなければ、僧にでもなった方が良かったような好人物。ゆえに、大坂の戦後は、無事、脱出し、静かな余生を送ったと思いたい、として作品は終わります。
個人的に感動したのは、郎党を養うために、心ならずも藤堂家に仕えるようになった盛親の傅人子・桑名弥次兵衛が、旧主・盛親の元に戻って共に戦いたいと願いながらも、食べていくために叶わず、遠くから敵将として活躍する盛親を見て涙し、最終的に長曾我部と相見えた際、自殺とも言える最期を遂げるシーン。 -
長宗我部盛親
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最終的に弥次兵衛に持っていかれた
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準備中
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関ヶ原で西軍に組した大名に中で生き残ったもの、改易により無くなったものの差はなんなのだろうか。ましてや長曾我部家は譜代ではなく、自ら切り開いて大名になった。運や要領の悪さのためだっか。
あの時々で、こうしてたら違う展開になっただろうと思うと、なんとも歯がゆくもある。
織田豊臣徳川と戦った大名家というのはそんなにいないのではないだろうか。
盛親を通して一つの大名家のものの哀れを感じてしまう。 -
長曽我部盛親の話。
土佐22万石の領主でしたが、関が原で西軍に属したため牢人になった彼が大阪夏の陣で復活を計ります。
土佐を舞台にした作品は好きです。 -
「夏草の賦」を読み終えたら是非こちらも。
武士の人生の悲哀を痛いくらい感じた。 -
元親の四男、長宗我部盛親の人生。関ヶ原で西軍に組みしたせいで大名から寺子屋の先生に。その後大阪の夏の陣にて散るまで。八尾の戦が盛親にとっては戦雲の夢、だったのかな。盛親と弥次兵衛の主従がせつない。でも読後感は爽やかでした。