- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062881531
感想・レビュー・書評
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ティーンネージャーが読むのにちょうど良いレベルかと思った。幅広い話題についてスラスラ読めるので読み物としてはそれなりに面白い。シリーズでは2作目が断然良かった。果たして続編は出るのか
ただナチスによるユダヤ人差別の思想をなぜドイツ国民は受け入れたのか、という語りは事実誤認。ユダヤ人差別意識は長い歴史があったし、当初ナチスはユダヤ人の迫害など想定していなかった。逆に大衆に付け入るため後ほど利用するようになったという方が正確かと詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いろんな観点から描写している哲学書って感じ。
嫌いじゃないが、会話形式の内容が徐々に面倒になる -
第二段が図書館になかったので先に第三段。
「ミーム」の考え方が面白かった。身体は遺伝子の乗り物だとすると子供を産まない人は役割を果たしていないのか?となるわけだけど、少なくとも人は文字が書けることによって考えを次の世代以降に繋げることができる。
逆に言えば人間がここまで発展したのは文字による知識や経験の継承が大きいと言えるんだろうなと考えた。
ニュートンが言う所の「我々は巨人の肩に乗っているだけだ」ってやつが好き。
一方で最近は分析的な思考(種族志向ではなく個人志向)が強い人が増えてきているのかな。それは、文明が脅威に晒されることが少なくなってきて、マズローで言う所の低次の欲求は簡単に満たせるようになってきたからなのかもしれない。
考えてみれば明日の食事があるかわからない時に、「自分らしい狩りの仕方」なんて妄想している場合じゃないもんな。 -
科学哲学、哲学史等、この辺の分野についてよくまとめられており、読みやすく広く浅く(時に深く)知ることができるが、シンポジウム形式という事もあり、論旨というものがない。
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●個人的には、リトル・アルバート実験やアンカリング効果、ミルグラムの実験など、社会心理学的な話が面白かった。
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著者:高橋昌一郎(1959-、大分県、哲学)
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限界シリーズ第三弾、後半になっても質が落ちていないのは筆者の内容の豊富さによるところだと思う。我々が生まれてきて死んでゆく、これって不条理なのではないかという部分に哲学性を感じた。だからこそ我々は生きているうちに何かを成し遂げないといけない。行動経済学、アンカーリング、フレーミング効果、利己的遺伝子、ミーム、実存、科学と民主主義、環境決定論はいずれも我々の生活と結びつくところが大きい。だから今後も役に立つと思われる。
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2018年の一冊目は限界シリーズ『感性の限界』
カーネマン、アリエリー、ヘレン・フィッシャー、ローレンツ、ドーキンス、アーレントからミルグラムなどなど。これがものすごいスピード感で次々と話題が変わるところがシリーズの見どころ。
全2冊と同じく定番がきっちり押さえてある参考文献の充実ぶりもタイトルだけ眺めてるだけでワクワクすっぞ。 -
「限界」シリーズの第3弾です。今回は、会社員氏の結婚式の場でまたしてもくり広げられた登場人物たちの会話を通して、行動主義心理学や人間の認知システム、進化論による心の解明、そして人間の存在がもつ意味についての問題が扱われています。
心理学や認知科学がテーマになっていることは当然に予想できたのですが、最後のほうではカミュの「形而上学的反抗」など、これまでとりあげられてきたテーマからは少し異色とも思えるような内容が扱われています。ただそのせいで、ほかの二冊に比べると少しまとまりが悪いようにも感じました。 -
「理性の限界」「知性の限界」に続き、「感性の限界」をついに読了。
限界シリーズのラストを飾るにふさわしい、知己に満ち溢れた、素晴らしい内容。
人間がなぜ、不合理で愚かで不利益な行動をとるのか。自由意志はないのではないか。愛は幻想か。
いや、まさしく今の自分にタイムリーな内容で、そしてこの本が何かの解決につながるわけではなく、むしろ悩みを深めるような(笑)、しかし終盤に書かれていたが、なぜか「心が軽くなるような」素晴らしい新書でした。
大満足。幻想とはわかっていても、やっぱり自分は愛に生きるかな。。。