白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)

著者 : 湊かなえ

• 集英社 (2014年2月20日発売)

感想・レビュー・書評

[keisk0915さんの感想 · 2021年11月26日]

ある週刊誌の記者が女性OL殺人事件の容疑者らしき人物の関係者や過去を知る人間を取材し、その内容をSNSに投稿したり、大衆週刊誌の記事として掲載したりすることによって、容疑者らしき人物や関係者達がどう反応するかを描いた作品。
本文と雑誌記事やSNSの画面等の関連資料を組み合わる変わった手法を用いている。
内容は、取材に対応する人々の発言の適当さ、それを記事として掲載する週刊誌の無責任さ、SNSに実名で投稿されることによる閉塞感等、謎解き以外の部分に力点を置いている。
とはいえ、気になる事件の真相も、しっかり新聞記事等を作って明らかにする手の込み用である。
新鮮さを感じながら楽しめた。

[Tsubakiさんの感想 · 2021年1月24日]

映画鑑賞後。
現代のネット社会でよく見られる現象。
最後の手のひら返しが面白い。
自分を守るための小さな嘘は、誰でもつくものだな。

[鮎さんの感想 · 2020年9月9日]

事件の取材インタビューのみで物語が進み、巻末に架空のSNS「マンマロー」上でのやりとりと、週刊誌や新聞の記事が掲載されている、面白い構成の本でした。
犯人と目された人物を知る人たちのインタビューを通して浮き彫りになる悪意にゾッとした。また、善意のつもりで余計火に油を注いでいる友人も厄介だ。噂や思い込みでどんどん情報が拡散され、犯人に仕立て上げられてしまう恐ろしさ。
もし自分が事件の犯人と疑われて、同僚や友人や覚えてないような昔の同級生とかにめちゃくそ言われていたら立ち直れない…
マンマローのやりとり、どのHNが今まで出て来た登場人物の誰かっていうのが明確に分かればもっと面白かったかも。

[ロニコさんの感想 · 2018年7月26日]

期待していたほどではなかったかも…。

[猫丸(nyancomaru)さんの感想 · 2014年3月26日]

映画『白ゆき姫殺人事件』オフィシャルサイト 2014年3月29日公開！
http://www.shirayuki-movie.jp/

集英社のPR
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-08-745158-0&mode=1
(単行本)
｢疑惑の女性の周囲をとりまく、｢噂話｣の嵐
｢あの事件の犯人、隣の課の城野さんらしいよ…｣美女OLが惨殺された不可解な事件を巡り、一人の女に疑惑の目が集まった。噂が噂を増幅する。果たして彼女は残忍な魔女なのか、それとも──。｣

[HNGSKさん · 2014/03/27]

私もこれ、読みました。新しい作風でした。　
噂にまんまと騙されました。

[猫丸(nyancomaru)さん · 2014/03/28]

｢噂にまんまと騙されました。｣
実は、映画を観てから読もうと思って、文庫を買って置いてあります。。。←しかし観に行けるかなぁ、、、

[おのさんの感想 · 2024年4月29日]

インタビュー形式の物語とSNS、週刊誌の記事を組み合わせた構成が斬新でおもしろかったです。

オチは途中でよめましたが、登場人物のあぁこう言う人いるよなぁてのがリアルでのめりこめました。

人の話は話半分で聞くのが吉。

[りんごさんの感想 · 2024年3月17日]

「事実は存在しない。存在するのは解釈だけ」という、最近何かで読んだ言葉がありますが、まさにそれの面白さ(恐ろしさも)を感じさせてくれる作品でした。
安定に一気読みでした。いや〜面白かったです。
1番最初の人が...という、しっかり伏線回収でしたね、さすがです。視点とか話し手とか書き方とかでこんなに同じ出来事が違うように伝わるのはやはり人間の情報交換って、言葉って面白い。

[Morita Osamuさんの感想 · 2023年10月27日]

記者のインタビュー、参考資料と進め方が面白かったです。いろんな情報によって美姫さんが容疑者になっていく様と三木さんの最高に嫌な人間像に次をどんどん読みたくなる作品でした。人の嫌な面、人を信じる面とどのように他人を見ているか、見られているかが感じ取れました。
映画を観たくなりました。赤星がどのように映るのか。

[chanlenoさんの感想 · 2023年10月7日]

まぁ、、、アイディアは良いと思ったけど、疲れる本だった。(上からですみませんけど)

[そそそさんの感想 · 2023年10月3日]

先入観を上手く使った話だなと思った。

記者のインタビューを通じて、同僚、同級生、同郷、親族、幼なじみ…と容疑者に関わる人の思考を読んで、いざ容疑者の思いはいかに？！！
といった流れで読み終えると、残酷さはあまりなくあっさりと終わったなという印象だった。

犯人の殺人の動機は何だったのだろうと思い、最初のページをパラパラと読み返すと、導入でいきなりいたではないか！！！もーーーやってくれますね〜！！感想を書いていたら面白みがじわじわと湧いてきて☆3から☆4に変更！

後ろにある関連資料に最初は気づかず、途中からチラチラと見だしたけど、読み慣れないせいで断念。再読した時に、一緒に読もうと思います。

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』（『望郷』に収録）で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。