編集者という病い (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 414
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464184

感想・レビュー・書評

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  • これは確かに解説者の古池真理子が書いてあるように、分類分けが難しい本だ…(便宜的にエッセィにしました)。
    なぜか分厚い本なのに、就活移動中2時間ですいすいと読み終えてしまった。

    確かに、「あぁ、見城徹にとって編集者という仕事は病だなぁ」とそのままの感想を抱く作品です。
    良い意味でも悪い意味でも、ものすごく、影響力のある本でした。
    例えば、100頁に書いてあることなんて、今就活中の私には「おぉ!」と思えるメッセージが書いてあったけど、200頁に書いてあることなんんて…一歩間違えたらこの本を破りたくなるようなことが書いてあるし。

    「良い本とは売れる本」というキャッチフレーズだけ聞くと、「勝者の言うことね」と思えるかもしれないけれど、「これほどの努力を、人は運という」という言葉にあるように、行間から作者の努力が、にじみでるような文章でした。

    自分にとっては、村上龍と同じで、頑張りたい!という時に読むとガッツが出るけれど、気分的に元気が無い時に読むと余計に力が吸い取られそう…な本でした。

    あとこれ読んで思ったこと。
    確かに、村上春樹は日本の文壇(と言われる世界)には合わないだろうなぁ…と思えるようなエピソードが書いてった。
    (○○○○という作家が芥川賞とった××××という作家を殴って肋骨折らせたとか)どちらが良いとか悪いとか、二元論ではないんだけどね。

  • 出版業界の常識をことごとく覆していく見城徹さん。

    今作は単行本の文庫化ですが、本当にこの方の編集者人生は苛烈の一言です。

    尾崎豊、坂本龍一といった名だたるミュージシャンや、高橋三千綱、中上健二といった作家まで様々な人と一冊の本を作り上げてきた見城さん。
    その中で失ったもの、犠牲にしたもの、後悔の念ばかりが残った別れと、多くの経験をし、その全てを糧にして今も一編集として行き続けるその姿勢は編集や出版業界といった枠を越えて、己の望んだ人生を生きるという辛さ、痛み、そして喜びを教えてくれます。

    長時間労働にサービス残業、仕事人間といったネガティブなイメージばかりが先行する日本人にとっての「仕事」、このイメージが吹き飛ぶほどにこの方の仕事、そして人生に対する生き様は熱い!!

  • 幻冬舎社長の見城さんの本です。
    幻冬舎というと名前は聞いたことがあるのですが、その成り立ちなどはまったく知らなかったのですが、背景には作者とのかかわりなど様々なことがあるというを垣間見れる一冊です。

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著者プロフィール

幻冬舎代表取締役社長。1950年12月29日静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。 静岡県立清水南高等学校を卒業し、慶應義塾大学法学部に進学。大学卒業後、廣済堂出版に入社。初めて自身で企画した『公文式算数の秘密』が38万部のベストセラーに。75年、角川書店に入社。「野性時代」副編集長を経て、「月刊カドカワ」編集長に就任、部数を30 倍に伸ばす。5本の直木賞作品を始め数々のヒット作を生み出し、41歳にして取締役編集部長に。 93年、角川書店を退社し、幻冬舎を設立。五木寛之『大河の一滴』、石原慎太郎『弟』、唐沢寿明『ふたり』、郷ひろみ『ダディ』、天童荒太『永遠の仔』、村上龍『13歳のハローワーク』、劇団ひとり『陰日向に咲く』、長谷部誠『心を整える。』、渡辺和子『置かれた場所で咲きなさい』など26年間で25冊ものミリオンセラーを世に送り出す。著書に『編集者という病い』、『異端者の快楽』、『たった一人の熱狂』、藤田晋との共著に『憂鬱でなければ、仕事じゃない』『絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ』、松浦勝人との共著に『危険な二人』、林真理子との共著に『過剰な二人』などがある。

「2020年 『読書という荒野』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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